You got a movie

自分が見た映画をきままに記録したブログです。もしまだ見ていない人が御覧になっても興味を損なわないようにしています。

ラブリーボーン

2010-02-27 20:40:46 | 映画[ラ行]
監督    ピーター・ジャクソン
製作総指揮  スティーブン・スピルバーグ
キャスト   シアーシャ・ローナン
       マーク・ウオールバーグ
       レイテェル・ワイズ
       スタンリー・トウッチ

 「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督にスティーブン・スピルバーグが製作総指揮に名前を連ねる異色ファンタジー。
スピルバーグ版の霊界を見ることができる。
 正確には現世と天国との狭間ということだが、ボトルシップがガラス瓶ごと巨大になって海に浮かんでいたり、草原にくまのぬいぐるみの形をした樹木が生えていたり、この霊界は現世にあるもので思い入れの強かったものが誇張されたイメージとなってその世界に現われるようだ。それぞれの霊によって違う世界になるのたろう。この点とてもファンタジックなのだがストーリーは反対に陰湿な猟奇殺人とその犯人の結末までを描いていて、ファンタジックな部分とのギァップの大きさに驚く。殺人犯役のスタンリー・トウッチはこの役でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされているが、本当に鬼気迫る演技をしている。主人公の妹が危うく掴まりそうになるところなど実にはらはらさせられた。
 だが、全体的に原作の良さを描ききれていないというか、やはりこの物語は主人公スージーの声が読む者の頭の中で感情を訴え、彼女が見る現世と天国との狭間の情景を読む者が心に思い描く方が適している題材なのかも知れないと思えた。
 
 ピーター・ジャクソン監督にスティーブン・スピルバーグ監督ということで余りに期待し過ぎたかも知れない。

 ファミリー度 75点 カップル度 75点 映画好き度 70点

映画「ラブリーボーン」プロモーションビデオ



インビクタス

2010-02-07 14:50:33 | 映画[ア行]
監督   クリント・イーストウッド
キャスト モーガン・フリーマン
     マッド・デイモン
 
 クリント・イーストウッド監督がグラン・トリノの次に放った感動作。実話であり、素晴らしいこのエピソードを選んだイーストウッド監督の手腕の凄さをあらためて感じる。
南アフリカの始めての黒人大統領、ネルソン・マンデラ。この人が27年の間、投獄されていたということは知らなかった。
 根強い人種間の不和を取り除き、国をひとつにしようとする。
映画の最後で 実際のネルソン・マンデラ氏の写真が映されるが、本当にモーガン・フリーマンそっくり。そして映画で描かれるそのひととなりは、優しく、温かく、強く、素晴らしい。そのマンデラ本人の全てをモーガン・フリーマンが余すところ無く演じている。
 インビクタスとは「征服されざる者」「不屈の」という意味のラテン語で、英国の詩人ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩の名前でもある。
この映画を観て、この詩の全文を調べ、心に刻んでおきたいと思った。

 是非、ここに記録しておきたい。

 インビクタス(ウィリアム・アーネスト・ヘンリー著)
 
「私を覆う漆黒の闇
 鉄格子にひそむ奈落の闇
 私は あらゆる神に感謝する
 我が魂が征服されぬことを

 無惨な状況においてさえ
 私は ひるみも叫びもしなかった
 運命に打ちのめされ 血を流しても
 決して屈服しない

 激しい怒りと涙の彼方に
 恐ろしい死が浮かび上がる
 だが 長きにわたる 脅しを受けてなお
 私は何ひとつ 恐れはしない

 門が いかに狭かろうと
 いかなる罰に苦しめられようと
 私が我が運命の支配者
 私が我が魂の指揮官」

 この詩こそ、ネルソン・マンデラが27年間の獄中生活に耐えた源であり、このような苦しみを与えられてもそれでも「許す」という気持ちを忘れなかったマンデラの真髄でもあると思う。この詩は、もしかすると自分がとてつもない苦境に陥った時に助けてくれるものではないかと思う。
 とても良い映画であったと同時に、自分にとっても忘れられない映画となった。

ファミリー度 90点 カップル度 85点 映画好き度 95点

映画 インビクタス/負けざる者たち 予告