「ヘルボーイ」「パンズ・ラビリンス」などの監督である鬼才 ギレルモ・デル・トロ監督による 総額200億円という巨費を投じて製作されたVFX超大作。
突如、海底の割れ目から現れた巨大生物「KAiJYU」(映画の中でもKAIJYUと呼ばれている)が 次々と現れて世界中を脅かす。それに立ち向かうため各国がロボット巨兵「イェーガー」を開発して、彼らに世界を託すという独自のストーリー展開によるSF。
日本のロボット、マンガ、怪獣映画の伝統を尊重して製作したとギレルモ監督が言うが、日本人それもウルトラマン世代からエヴァ世代までの多くの「昔の子供たち」にとっては、涙が出るほどにうれしい作品である。米国での評価も今ひとつらしいが、いやいやそんなことはない。良くここまで見たかったものを現実にしてくれたという感謝の気持ちまで湧き上がってくる。
KAiJYUの大きさやイェーガーの大きさはかっての怪獣映画そのもの。立ち並ぶビルの壁面を突き破ってKAIJYUが攻撃してくる一場面を見て昔を懐かしんだ。
この映画の良さはやはり 巨兵イェーガーは人間が操縦するものであって、人間が一体となっているところ、それも操縦にはふたり必要で、二人がうまくシンクロしなければならないという設定。これは先進的でひきつけられるし、菊地凛子扮するマコの存在を高めている。イェーガー自体のデザインも派手さが無くレトロ的でとてもリアル。
トランスフォーマーでは動きに付いていけないという「昔の子供たち」も多いだろうが、この映画は絶対そんなことは無い。ずっと見たかったものを見れたという感激を与えるに違いないと思う。