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運転中、信号で言い合いになった見知らぬ男から、執拗に追跡される女性の恐怖を描くリアル版のスリラー。題名にもなった「あおる」側の謎の男をオスカー俳優ラッセル・クロウが演じ、追い詰められる側のシングルマザーをカレン・ピストリアスが演じた。監督はデリック・ボルテ。
原題は「unhingd」(錯乱)。しかしアオラレの方が時代の潮流に合ってセンセーショナルな題名になっている。スリラーは苦手だけれど事実この題名に誘われて緊急事態宣言下でも映画館に足を運んだ。あのスピルバーグ監督の名作「激突」を彷彿させる内容だが、あの時代にはなかった携帯電話やGPSなどが重要なアイテムとなって追い詰められる恐怖を描いているところなどまさしく「激突」の現代版として鑑賞できた。やはりこの映画で紹介したいのがこの名優ラッセル・クロウで、グラディエーターとは全く別人に見える怪優ぶりに驚いた。彼が有ってこその映画だ。
自分たちの身の回りにもいつ起こってもおかしくないということや車の運転が起こす惨事の可能性を痛感させられる映画だった。
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映画『アオラレ』予告編