当ブログのタイトルの副題に“山梨県内のレトロな…”とあるが、ここで問題になるのがどこまでが“レトロ”かということ。登録文化財の条件の一つが50年以上となっているので、それも一つの判断材料に成り得る。50年以上というと昭和31年以前の建築となる。
前置きが長くなったが、山梨県庁本館は昭和38年5月の竣工で、設計は当時早稲田の教授だった内藤多仲と明石信道。内藤多仲はご存知の通り山梨県出身で、東京タワーや通天閣などの塔を多く手掛けた構造力学の権威。今年生誕120年を迎える。このコンビは本県のこの他の建築も幾つか手掛けている。平成14年に耐震改修(免震構造)がされた。昭和38年新築当時の知事は天野久で、平成14年はその息子の天野建が知事であった。昭和30年代というのは今後新しい切り口の研究の対象になりそうな年代でもある。
この本館が当ブログの対象となったのは、以上のようないきさつを持っているからと理解して欲しい。