ヒノキ科ヒノキ属の「ヒノキ(檜・桧)」。福島県以南に分布する常緑高木で日本固有種。樹高は20~30メートルで材には芳香があり高級建築材として日本各地に植林されている。花期は4月頃でスギ花粉が一段落するとヒノキの花粉が飛散する。果実は球果で直径1センチほど。冬には赤褐色に熟す。サワラに良く似ているが葉裏の白い気孔帯は"Y字”になるので見分けられる。
ユリ科ホトトギス属の「ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)」。北海道~九州の山野に生える多年草で8~10月に茎先と葉腋に直径3~4センチの花を1~2個付ける。同属のヤマホトトギスは茎先と葉腋に散房花序を出して花を数個咲かせるので花序の形でも見分けられる。写真は若い果実で長さは3センチほど。冬に熟し先端が3つに裂けて中から直径2ミリほどの繻子を多数零す。
コウヤマキ科(←スギ科)コウヤマキ属の「コウヤマキ(高野槇)」。東北地方南部県~九州地方に分布する常緑高木で1科1属1種。日本固有種で古墳時代にはこの材で棺が作られたという。花期は3~4月で球果は翌年の10~11月に熟して種子を飛ばす。つまり写真は去年の花が結実したもの。樹形が整うので優れた造園木として世界中で好まれ、日本の"公園の父”と呼ばれる本多静六氏(1866ー1952)はコウヤマキ、ヒマラヤスギ、ナンヨウスギを世界の三大庭園樹と名付けた。
コウヤマキ科(←スギ科)コウヤマキ属の「コウヤマキ(高野槇・高野槙)」。和歌山県の高野山の多く生育する常緑高木で1科1属1種。昔は単に“マキ”とも呼ばれていた。しかしスギやヒノキもマキ(真木)と呼ばれることもあり更にイヌマキまでもマキと呼ばれることもあって、特にコウヤマキのことを「ホンマキ(本槙)」とも呼ぶようになっている。雌雄同株で写真は雄花序の冬芽。4月頃に開花する。
マツ科ヒマラヤスギ属の「ヒマラヤスギ(喜馬拉耶杉)」。ヒマラヤ山脈やアフガニスタンなど標高1,000~4,000メートルの高地に自生する常緑高木で日本には明治時代に渡来した。増上寺の門前に植えられたものが最初の樹とされ、樹形が美しいので今では各地の公園や学校に植栽されている。
長池公園"ながいけの道”に生育している「ジョウシュウカモメヅル(上州鴎蔓)」。キョウチクトウ科(←ガガイモ科)カモメヅル属のつる性多年草で関東~近畿地方の山野に分布しており群馬県の榛名山で最初に発見されたことから"上州”の名が付けられている。果実は長さ6~7センチの袋果で熟すと中から種子を出す。種子は長さ4~5ミリで種髪は長さ2センチほど。ちなみにタンポポやノコンギクなどキク科植物でも同じような毛が付くものがあるがそれらは果実に付く毛で“冠毛”と呼ばれる。本種やガガイモなどは種子に毛が付くので“種髪”と呼ばれる。
バラ科サクラ属の「バクチノキ(博打の木)」。関東以西に分布する常緑高木で絶えず古い樹皮が剥がれ落ちる様子を、博徒が負けて着ぐるみ剥がされた姿に見立てて名付けられている。秋に花序を出してウワミズザクラやイヌザクラのような花を咲かせ果実は春に熟す。写真は花後の若い果実で長さは6〜7ミリ。この後、長さ1.5センチほどの長楕円形に成長する。
さて一昨日、帯状疱疹ワクチン2回目接種を終えた。1回目の時は接種部位の痛みが翌日に残ったくらいで副反応は無かったので、昨日もたかをくくって朝から自転車を30キロ漕ぎ山道を5キロ歩いて昼前に帰宅したが、その頃から何となく倦怠感があり昼食後に体温を測ったら何と38度1分。慌てて解熱剤を飲み安静にしていたら夕方には平熱に戻った。激しい運動のせいでワクチンが全身に行き渡り抗体が急速に出来たのだろう。若い頃は何とも無かったのがやはり歳を取ったということで過信は禁物だ。これでコロナワクチン7回目、インフルエンザワクチンと合わせてとりあえず予防接種は一段落。
キク科シオン属の「カワラノギク(河原野菊)」。関東地方の限られた河川に生育する一稔性二年草で環境省レッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。果実は痩果で長さ3ミリほど。冠毛も3ミリほどでやや赤み掛かっている。この種子は来年の春に発芽してロゼットで過ごし翌年の秋に開花する。中には発芽した年に開花するものもあるようだ(可変性二年草)。
小山内裏公園の林縁に出現した「コシオガマ(小塩竈)」。ハマウツボ科(←ゴマノハグサ科)コシオガマ属の半寄生一年草で陽当たりの良い草地に生育する。花期は9~10月で果実は長さ1センチほどの蒴果になる。果実は熟すと縦に裂開し中から長さ1ミリほどの褐色の細かい種子を出す。