キク科モミジハグマ属の「キッコウハグマ(亀甲白熊)」。当地の雑木林や高尾山系で見られる多年草で花期は9~11月。写真は開放花の蕾で長さは5~6ミリ。上方に見える閉鎖花の半分程度でややずんぐりしている。一番下に見えるのも開放花の蕾だろう。
マンサク科マルバノキ属の「マルバノキ(丸葉の木)」。葉は互生し長い葉柄の先に直径5~10センチの円心形の葉を付ける。晩秋、花が咲くのと同じ頃に葉は紅く色付き始める。春に黄色い花を咲かせるマンサクに対して、本種は花が赤く葉も綺麗に色付くために「ベニマンサク(紅満作)」とも呼ばれている。
毎年この時期には見ておきたい「キッコウハグマ(亀甲白熊)」。キク科モミジハグマ属の多年草で草丈は10~30センチ。閉鎖花は夏頃から見られるが開放花は晩秋にならないと見られない。開放花の頭花は直径8~9ミリで3つの小花からなる。咲き初めは雄性期で紅色の5本の雄蕊が束になった集葯雄蕊(しゅうやくゆうずい)となり、その先端からオレンジ色の花粉を出す。雌蕊はまだ蕊柱の中にあり受粉できない。一方、閉鎖花は総苞のなかで自家受粉したくさんの果実を作っている。
マツ科ヒマラヤスギ属の「ヒマラヤスギ(喜馬拉耶杉)」。雌雄同株だが見た目には雄花序が目立つ株と球果が目立つ株があり雌雄異株のようにも見える。しかし良く観察すると雄花序がたくさんある株の上部に球果が出来ているものがある。どうやら樹齢30年を超えないと雌花を咲かせないようだ。写真は開花した雄花序で枝を揺すると黄色い花粉が飛び散った。細かい花粉がおわかりだろうか。
マンサク科マルバノキ属の「マルバノキ(丸葉の木)」。中部地方以西の山地の渓流沿いなどに分布する落葉小高木で樹高は2~4メートル。当地では自生は無い。葉が紅葉する10~11月に直径1.5センチほどの5弁花を咲かせる。暗紅紅色の花が背中合わせに咲く様子が面白い。
キョウチクトウ科(←ガガイモ科)カモメヅル属の「スズサイコ(鈴柴胡)」。6~8月に直径1.5センチほどの花を咲かせ果実は細長い袋果になる。果実は長さ7~8センチでキョウチクトウやガガイモと同じように種髪を飛ばす。
ここは多摩川土手の自生地で花期には十数株が見られた。しかし夏に来た時には草刈りの真っ最中で辛うじて数株だけピンクテープで囲われて残っていた。その後、果実が裂開したこの姿を撮りまた日を置いて訪れると、残されていた株は全て刈られ、たくさん稔っていた果実は跡形も無くなってしまいピンクテープは枯れ草の中に埋もれていた。がっかり。
長池公園"築池”の畔に咲いている「オオニガナ(大苦菜)」。キク科フクオウソウ属の多年草で近畿地方~東北地方の山地の湿地などに自生している。草丈は50~60センチで大きいものは1.5メートルにもなる。花期は9~11月で頭花は直径4~5センチある。ニガナの名前が付くがフクオウソウの仲間でニガナとは属が異なる。
奥高尾"逆沢作業道”の水が滴り落ちているところに群生している「ヤマミズ(山みず)」。イラクサ科ミズ属の一年草で草丈は5~10センチ。大きいものは30~40センチにもなるようだ。花期は9~10月で写真は果実。長さ1~2ミリの扁平な卵形の痩果になる。"ミズ”の名前は葉がみずみずしいという意味のようだが"水”の字は当てていないようだ。
ガマズミ科(←レンプクソウ科←スイカズラ科)ガマズミ属の「ガマズミ(鎌酸実・莢迷)」。夏に純白の花を咲かせ秋に真っ赤な果実を稔らせる。果実には天然のクエン酸やリンゴ酸が含まれていてこのままではとても酸っぱいが、果実酒などにすれば美味しく楽しめるようだ。これは長沼公園"野猿の尾根道”のもの。