5月21 日(土)22日(日)、大阪エディオンアリーナ(大阪府立体育館)においてJFKO第7回全日本フルコンタクト空手道選手権大会が開催されました。
例年通り前日の夕方、選手と待ち合わせて体育館の前に集合します。その日は体重測定と抗原検査が行われます。この2つをクリアしないと試合に出場できないので、充分な準備と対策を取ったとは言え、一種の緊張感を伴った時間です。会場には入れませんので入り口の外で選手の保護者の方とお話をしながら選手たちが出てくるのを待ちます。今回から女子の階級分けに変更があった為、体重調整が必要な選手がいましたが、全員体重測定と抗原検査をクリアすることができました。集合時間の早い第1グループの女子3名と待ち合わせ時間を決めその日は解散します。
5月21日(土)、第1グループの女子3名の選手と会場前に集合します。女子軽量級手島海咲初段、女子軽中量級梅澤彩音初段、女子軽重量級渡辺愛梨1級の3名です。例年通り試合前のアップは選手の希望に沿った形でおこないました。
今年は昨年と違い、試合は有観客での開催となりました。選手達の稽古の成果を、闘う姿を保護者、関係者を含め、多くの方に直接の見ていただけるのはやはり嬉しいものです。選手もより高いモチベーションを持って戦えると思います。今年もアリーナインは自分の試合の5試合前からです。
新高校生の渡辺愛梨1級の対戦相手は他流の黒帯の選手でした。突き、下段にとどまらず上段の足技、フットワークのある選手でしたので、顔面をガードしながら間合いを詰めて自分の技をしっかり当てていく作戦でした。しかし、この試合は足を止め正面でから激しい打ち合う展開でした。残念ながら本戦の判定負けでした。今まで様々な大会を戦い経験を積んできた渡辺選手は攻撃が止まったり下がらされたりする事無くしっかり戦いました。渡辺選手の攻撃は決して弱い方ではありません。それでも全日本で戦って勝つためにはもっと攻撃の強さが必要です。女の子らしい計画的な時間の使い方で受験や試験勉強と空手を両立するスケジューリングで稽古に出席してくれています。渡辺選手の戦いは始まったばかりです。これからもっともっと伸びてくれると信じています。
梅澤彩音初段は初戦、他流の実力者に得意の突きで判定勝ち収めます。そして今大会の大きなポイントになるであろうと、対策に多くの時間を使った小嶋夏鈴選手との対戦を迎えます。この小嶋選手とは第52回全日本の1回戦で対戦していますが、その時は試合終盤サイドステップを織り混ぜた突きと下段で崩されて判定負けを喫しています。動きにバネがあり、突きと蹴りにスピードど威力が有ります。近間からの上段への中足の蹴り等、上手に混ぜてきます。梅澤選手はこの試合に向けて「相手に崩されない事。自ら崩れない事。相手を崩す事。」に必要な能力の習得を目指しました。そして本戦2:0、延長4:1で見事判定勝ちを収めました。
入賞ラインのベスト4をかけた戦いの対戦相手は予想していた宇都宮美咲選手を破って上がってきた渡部はるあ選手でした。必勝を期して臨んだ戦いでしたが、密着に近い間合いで戦う相手選手に梅澤選手の攻撃が良い形で当たりません。それでも徐々に攻撃が当たり始め残り15秒、相手の正拳突きが梅澤選手の顔に当たり試合が止まり相手選手に注意が与えられます。そして試合終了。残念ながら本戦で相手に3本の旗が上がり、梅澤選手の準々決勝敗退が決まります。
怪我を考慮に入れた稽古方針の転換により梅澤選手はとても良い動きを手に入れました。しかし、指導者としてその判断をもっと早くしてあげるべきであったと反省しています。
「人生で一番悔しい日です。」と述べながらも
「後一歩、二歩を乗り越える覚悟を決めました。」
と前を向いてくれました。
胸を張って、顔を上げて、目を見開いて歩く梅澤選手には素晴らしい未来があると信じています。
手島海咲選手は前年度優勝者として同階級のすべての選手の目標となります。手島選手の得意な攻撃を避け、得意な動きを封じ、弱点となる部分を研究し攻めてきます。実際に初日に当たった2人の選手は過去に対戦経験のある選手でしたが、前回の対戦に比べ手島選手に強い攻撃を的確に当ててきました。無論、手島選手もそれを予想し、今までにない攻撃を習得し、封じてくるであろう動きを上回る動きで、弱点を克服した状態で試合に臨み戦います。
手島選手は初日を勝ち抜き、ベスト4を決め、入賞ラインを超えると同時に、翌日の決勝日に進みます。
(その2)に続きます。