陸上トレーニング編の最後に、練習前に日常的に行っている補強トレーニングを紹介します。
現在、水泳練習の前は体操後に腹筋や腕立て、スクワット、スタビライゼーション、チューブなどの補強練習を行っています。
一番手前でジャンプしているのは、中学1年生で最近急成長中の北川君です。
なかなか跳んでますね。
これは筋力や体力強化という面もありますが、主な目的は水中練習に入る前に身体を温めるために行うための準備運動です。
十数年前、水泳練習の前に行っていたのはストレッチでした。
しかし、近年は練習前に関節を緩めて筋肉を伸ばすよりも、身体を温めたほうがより効果的であるという考えから補強トレーニングを行っています。
体操は体育の授業でも行っている豊山体操で、腹筋や腕立て、スクワットはごく基本的な動作で行います。
スタビライゼーションは身体を安定させるために行うもので、一つの姿勢を一定時間保持するものです。
チューブは故障しやすい肩のインナーマッスルを鍛えるために行っているトレーニングです。
いつも選手に伝えることですが、水泳練習前の準備をしっかりと行うことは大変重要なことです。
補強は大変地味な練習ですが、故障の予防や水泳の練習に集中するための準備にどれだけ意識して取り組めるか、ということは長く選手生活を続けていくためにとても大切なことです。
強くなる選手は水泳練習前の準備を汗をかくほどにしっかりと行っています。
そして、練習後はストレッチや栄養補給など身体のケアも欠かしません。
その結果として大会では良い成果を出すことができ、レベルの高い競泳選手として長く続けていくことができるのです。
選手生活を続けていく中で、疲労や故障は常につきものです。
まずはそれをいかに予防するかということが重要であり、かりに故障をしたとしてもすぐに直して練習に復帰することが大切です。
そのために補強による準備や練習後のコンディショニングは、水泳の練習と同じくらい大切なことなのです。
このことはどのような競技にもあてはまることであり、準備をしっかり行うことは強い選手に共通していることであると考えています。
準備を入念に行うことの大切さはスポーツだけではなく、学習や仕事にも通じることです。
長い期間にわたり高い実績を残している選手は、学習の面でもたいてい良い成績を収めているものです。
あらゆる点において「自己管理」がしっかりできている選手が一流選手、一流の人物だということです。
竹村知洋