■コース傾向更新■
昨日の芝2200mでは、父SS系が1、3着に入り、3鞍で【2-2-3】となった。グレイソブリン系内包馬にも注目していたが、なんとナリタセンチュリー(父トニービン)の馬が2着に入り、同系を持つ馬をますます無視できなくなった、というか、目数は多くなっても押さえておかなければ、抜けた日には目もあてられない。
そのナリタセンチュリーは、京都開催(96年)ではあるが宝塚記念2着の実績があり、3着の母父メジロマックイーンも91年2着、93年1回の実績がある。
昨日に引き続き、参考までに阪神芝2000mのコース傾向を。
昨日の芝2000mでは、父SS系は2着だったが、1、3着は母父がSS系となり、父にも母父にもSS系の血を持っていないのは、7レースで3着以内に入った21頭中1頭のみとなった。
また、グレイソブリン系を持つ馬は1頭出走していたが、残念ながら着外となり、同系の流れは途切れてしまった。が、芝2200m同様に、宝塚記念と相性の好い血統を持つ馬が1~3着を独占した。
1着馬の父キングカメハメハは、自身あるいはその産駒の好走はないものの、同じキングマンボ系のキングズベストを父に持つエイシンフラッシュが昨年3着。2着馬の父ステイゴールドは98年2着、99年3着で、その産駒のドリームジャーニー、ナカヤマフェスタが09年、10年で連覇を達成。そして、3着馬の父マヤノトップガンは、96年の優勝馬である。
宝塚記念で3着以内の実績のある種牡馬の血を受け継ぐ馬が、宝塚記念と同じコース、あるいは200m短い、同じ内回りの2000mで好走するのは、適性を受け継いでいることを考えれば当然であるが、本番前日になって活躍し始めるということは、これれらの血統を持つ馬を買え、という暗示なのだろうか。もしそうだとしても、出走馬のほとんど全てが該当してしまう。
1ウインバリアシオン…ハーツクライ×ストームバード
2ショウナンマイティ…マンハッタンカフェ×ストームバード
当初は、この2頭で勝負しようと思っていた。
特に1枠のゾロ目というのは、なかなか買いにくいもので、結構なオッズを期待したいたのだが。蓋を開けてみれば枠連にしろ、馬連にしろ20倍くらい。思ったより人気になっているので、妙味は少ない。
内枠が有利な宝塚記念ではあるが、追い込み脚質の両馬にとってこの内枠というのは不利なのではないか、という気がしてきた。ウインバリアシオンの岩田は昨年のブエナビスタよろしく差しに構えるのか、あるいは好位の内でじっとしているのか。一方、調教絶好調のショウナンマイティの浜中はどうか。コメントからは「勝ちに行く競馬に徹すると、オーナーにも伝えてある」とのことだが、この「勝ちに行く競馬」とは、いつものように後方一気なのか、それとも前に付けるのか。両馬の末の切れ味は定評があるものの、大外をブン回して差せるほどヤワな相手ではないと思うし、前に付けたら付けたで、終いの脚が鈍るのではないか。
いずれにせよ、両馬とも頭では買いにくい。特に岩田は、ディープブリランテに習い、中間はバリアシオンに付きっきりだったようだが、これはマスコミが煽り過ぎているような気がして仕方がない。
血統傾向的にはウインバリアシオンは、グレイソブリン系トニービンを父ハーツクライの母父に内包しており、宝塚記念の血統傾向とコース傾向にも合致し、ショウナンマイティは、父マンハッタンカフェは宝塚記念では産駒を含めて実績がないものの、昨日の芝2200mで3着になった。そのマンハッタンカフェの母父はリボー系ローソサエティであり、ボトム(母母父)にもリボー系アレッジドを内包し、消耗戦、そして大舞台に強いリボー系を2本内包するショウナンマイティは、非常に魅力的なのではあるが。
6エイシンフラッシュ…キングズベスト×プラティニ
昨年の3着馬でリピーター資格馬。過去22年で3着からのリベンジに成功したのは、タップダンスシチー(03年→04年)とアーネストリー(10年→11年)の2頭いる。
コース傾向的には、芝2000mでキングカメハメハが2勝をあげているので問題はない。が、問題はヤネ。ヤネは久々に手が戻ったウチパク。先々週の例の件の張本人である。一応、実効2日間の騎乗停止となり禊は済ませた恰好であるが、物議を醸し出した張本人が、その翌々週にG1制覇となればKYも甚だしい。あってもヒモまでじゃないと、周囲が納得しないだろう。
また、ダービー馬の宝塚記念の過去22年の成績は【1-3-2-3/9】で、連対率44.4%はあるものの、勝率は11.1%と、ダービー2着馬の勝率16.7%を下回り、いささか心許ない。
7ルーラーシップ…キングカメハメハ×トニービン
言わずと知れた超高馬。勲章がG1一つでは、その金額には見合わず、是が非でも、もう一つ二つ位はG1を獲って箔をつけたいと思うのが、陣営の本音。それが証拠にヤネには「振り向けばウイリアムズ」を配し、万全の構え。
血統傾向的にも、母は98年3着のエアグルーヴで、その血統構成はトニービン×ノーザンテーストで、昨日の芝2200mで2着の父ナリタセンチュリーと同じ血統構成である。
おそらく今回も前で流れに乗る作戦に出ると思われるウイリアムズにとって、絶好枠には違いない。しかし、阪神開催で行われた過去20年で4枠は【0-6-5-11】、馬番7番は【0-0-1-19】と、一度も勝ったことがないのが、唯一の気掛かり。
3ヒットザターゲット…キングカメハメハ×タマモクロス
15トゥザグローリー…キングカメハメハ××SS
ヒットザターゲットの母父タマモクロスは、トニービンとはラインを異にするが、同じグレイソブリン系で、血統傾向的には買えるのだが、ヤネがフルキチでは…
悲願達成の物語がよく似合う宝塚記念という意味では、両馬は該当する。
特にG2を3勝、G3を2勝ながらG1ではチョイ足らずのトゥザグローリーにとって、まさにここがG1初制覇の舞台としては相応しいように思える。ヴィンテージ世代と呼ばれた現5歳馬。当時はエイシンフラッシュ、ローズキングダム、ルーラーシップとともにキングマンボカルテットを形成したいたのだが、唯一のG1未勝利。是が非でも栄冠を手に入れたい想いは、他のG1未勝利馬よりも強いはず。「同厩舎の2頭出しは、人気薄を狙え」の格言があるように、オルフェーヴルの陰に隠れて、実は厩舎の本命はこちら、という気がしないでもない。が、ヤネはマイルか牝馬の重賞でしかG1を勝ったことがない福永である。
8アーネストリー…グラスワンダー×トニービン
母レッドアムールは、タグルーヴ、ナリタセンチュリーと同じトニービン×ノーザンテーストなので、傾向には合致する。まあ、昨年の覇者なので当然なのではあるが。もし勝てば史上初の連覇&2勝と偉業達成となるのだが。
前走は予想外の後方追走だったが、今回は正攻法で臨むことを陣営がコメント。典型的な「小回り君」のアーネストリーにとって、G1制覇の期待が持てるのは、この宝塚記念と暮れの有馬記念の二つしかないのは分かるが、やはり宝塚記念史上、連覇を達成どころか2回優勝した馬がいないというデータは気になるし、過去22年で3年連続で馬券対象になった馬もいないというのも不安要素である。
10ナカヤマナイト…ステイゴールド×カコイーシーズ
11オルフェーヴル…ステイゴールド×メジロマックイーン
宝塚記念とは非常に相性の好いステイゴールド産駒が仲良く並んだ。
父ステイゴールドは、昨日の芝2000mで2着に入り、芝2200mの1着馬はSS系×アリダー系で、ナカヤマナイトと同じ血統構成である。が、ヤネは大先生。目下13番人気と、大先生にとっては走り頃の人気ではある。穴ならこれか?という気もするが、やっぱり大先生からは勝負したくない。まあ、あくまでも個人的な感情だけど。
一方、オルフェーヴルの母父メジロマックイーンは、昨日の芝2200mの3着の母父である。メディア情報によると「デキは70%」ということらしく、各メディアでは◎よりも▲扱いが目立つ。しかし、実際には1番人気に押されており、「ファン投票1位&本番でも1番人気」のデータ(連対率・複勝率ともに91.7%)からは、鉄板級の連軸である。春天とは打って変わり、不安要素を煽りまくるメディアの裏を行って、◎を打ちたい気にも駆られるが、人気とリスクを考えれば◎は打ちたくない。
12フェデラリスト…エンパイアメーカー×SS
父エンパイアメーカーは、ミスプロ系ファピアノのライン。父ミスプロ系は、エンドスゥイープ産駒のスイープトウショウ(05年1着)、アドマイヤムーン(07年1着)、キングズベスト産駒のエイシンフラッシュ(11年3着)の3頭しか馬券対象になっておらず、コース傾向でも芝2000mでキンカメ産駒が2勝をあげているが、いずれもフェデラリストのラインとは異なるミスプロ系。
母はダンスパートナーで、こちらもルーラーシップに負けず劣らずの超良血であるが、母が「宝塚記念を勝てないニジンスキー系」を受け継ぐ、ダンシングキー一族である。
16ネコパンチ…ニューイングランド×ダンシングブレーヴ
血統傾向的には、父はSS系、母父は宝塚記念で05年~08年にかけて4連対を果たしたリファール系と、合致しないことはない。
陣営からも早々と逃げ宣言が出た、TV馬のネコパンチ。先日、TVで江田騎手の大穴レースの一つに取り上げられたから、TV馬と言っているのではない。TV中継のある重賞、特にG1になると勝負は捨てて、何が何でも逃げまくり、TVで名前を連呼されることだけに喜びを感じる馬主が指示を出し、ただそのためだけに一生懸命に逃げる馬のことを言う。一昔前までは、こういったキャラの立った馬が結構いたのだが、近頃では、とんといなくなった貴重な存在である。
大外16番になり、もう少し人気がないと思っていたが、目下10番人気なのは意外。これもTV放送の影響なのか。
能力的ウンヌンはともかく、「展開は全てを凌駕する」の格言を忘れてはならない。また、「まだはもう也、もうはまだ也」とは相場の世界の格言であるが、競馬にも通用する。「もうないだろう」と思っていると、穴をあけるのが穴馬の穴馬たる所以。そう、92年に宝塚記念、有馬記念の両グランプリを制したメジロパーマーのように。
以上、長々と重箱の隅を突いてみたのだが、今年の夢は…
◎9ビートブラック…ミスキャスト×BT
前走が完全にフロック視されているようで、目下、単勝22倍の9番人気。
確かに春天では、展開の利があったこと、そして、レコードタイムといっても当時の馬場は超高速馬場であったことは確かである。だが、レースレコードに0.4秒差で、後続を4馬身千切ったことも、紛れのない事実。
血統傾向的に買いたい馬は数いれど、人気=配当とリスクを考慮すれば本馬に辿り着いた。
父ミスキャストは、自身はG1はおろか重賞実績もなく、種牡馬としても本馬以外にこれといった活躍馬が出ていない、SS系の中でも最も地味なSS系の一頭だが、その血統構成はSS×トニービンと、今の阪神芝2000mと芝2200mのコース傾向に合致する。
母父のBTは、過去に父としてマヤノトップガン(96年)、ダンツフレーム(02年)と2頭の優勝馬を出しており、BT自身が、宝塚記念のお宝隠れ血統のリボー系グロースタークを母父に内包している。また、昨日の芝2000mで3着に入ったのはマヤノトップガン産駒で、芝2200mでは母父BTが2着、3着各1回と好走しているのも心強い。
過去22年で春天→宝塚記念を連覇した馬は、94年ビワハヤヒデ、00年テイエムオペラオー、03年ヒシミラクル、そして06年ディープインパクトの4頭しかいない。決してビワハヤヒデ、テイエムオペラオー、ディープインパクトのように当代きっての最強馬(いずれも1番人気での勝利)とは言わない。むしろ、菊花賞、春天を制しながらもフロック視され、6番人気に甘んじたヒシミラクルのキャラに近い。その激走により、億単位の金を「ミラクルおじさん」にもたらしたヒシミラクル。億は無理にしても、百万、いや10万単位のお金が転がり込む夢を見てもバチは当たるまい。
馬券は、まずは単勝。そして、連勝、三連系は、相手は絞りきれないので◎から強弱をつけての総流し。
どうか夢を現実にしてくれますように。
ちなみに、宝塚記念の「逆神」こと杉本清アナウンサーの今年の夢は3歳馬のマウントシャスタらしい。いつの宝塚記念かは忘れたが、「私の夢はロンシャン(ボーイ)です!」と言ったときは驚いたものだ。以来、どうも受け狙いで人気薄の馬に◎をうっているとしか思えないのだが、人様の夢を笑ったり、とやかく言ったりするものではない。
あなたの今年の夢は何ですか?
みなさま良い宝塚記念を!
昨日の芝2200mでは、父SS系が1、3着に入り、3鞍で【2-2-3】となった。グレイソブリン系内包馬にも注目していたが、なんとナリタセンチュリー(父トニービン)の馬が2着に入り、同系を持つ馬をますます無視できなくなった、というか、目数は多くなっても押さえておかなければ、抜けた日には目もあてられない。
そのナリタセンチュリーは、京都開催(96年)ではあるが宝塚記念2着の実績があり、3着の母父メジロマックイーンも91年2着、93年1回の実績がある。
昨日に引き続き、参考までに阪神芝2000mのコース傾向を。
昨日の芝2000mでは、父SS系は2着だったが、1、3着は母父がSS系となり、父にも母父にもSS系の血を持っていないのは、7レースで3着以内に入った21頭中1頭のみとなった。
また、グレイソブリン系を持つ馬は1頭出走していたが、残念ながら着外となり、同系の流れは途切れてしまった。が、芝2200m同様に、宝塚記念と相性の好い血統を持つ馬が1~3着を独占した。
1着馬の父キングカメハメハは、自身あるいはその産駒の好走はないものの、同じキングマンボ系のキングズベストを父に持つエイシンフラッシュが昨年3着。2着馬の父ステイゴールドは98年2着、99年3着で、その産駒のドリームジャーニー、ナカヤマフェスタが09年、10年で連覇を達成。そして、3着馬の父マヤノトップガンは、96年の優勝馬である。
宝塚記念で3着以内の実績のある種牡馬の血を受け継ぐ馬が、宝塚記念と同じコース、あるいは200m短い、同じ内回りの2000mで好走するのは、適性を受け継いでいることを考えれば当然であるが、本番前日になって活躍し始めるということは、これれらの血統を持つ馬を買え、という暗示なのだろうか。もしそうだとしても、出走馬のほとんど全てが該当してしまう。
1ウインバリアシオン…ハーツクライ×ストームバード
2ショウナンマイティ…マンハッタンカフェ×ストームバード
当初は、この2頭で勝負しようと思っていた。
特に1枠のゾロ目というのは、なかなか買いにくいもので、結構なオッズを期待したいたのだが。蓋を開けてみれば枠連にしろ、馬連にしろ20倍くらい。思ったより人気になっているので、妙味は少ない。
内枠が有利な宝塚記念ではあるが、追い込み脚質の両馬にとってこの内枠というのは不利なのではないか、という気がしてきた。ウインバリアシオンの岩田は昨年のブエナビスタよろしく差しに構えるのか、あるいは好位の内でじっとしているのか。一方、調教絶好調のショウナンマイティの浜中はどうか。コメントからは「勝ちに行く競馬に徹すると、オーナーにも伝えてある」とのことだが、この「勝ちに行く競馬」とは、いつものように後方一気なのか、それとも前に付けるのか。両馬の末の切れ味は定評があるものの、大外をブン回して差せるほどヤワな相手ではないと思うし、前に付けたら付けたで、終いの脚が鈍るのではないか。
いずれにせよ、両馬とも頭では買いにくい。特に岩田は、ディープブリランテに習い、中間はバリアシオンに付きっきりだったようだが、これはマスコミが煽り過ぎているような気がして仕方がない。
血統傾向的にはウインバリアシオンは、グレイソブリン系トニービンを父ハーツクライの母父に内包しており、宝塚記念の血統傾向とコース傾向にも合致し、ショウナンマイティは、父マンハッタンカフェは宝塚記念では産駒を含めて実績がないものの、昨日の芝2200mで3着になった。そのマンハッタンカフェの母父はリボー系ローソサエティであり、ボトム(母母父)にもリボー系アレッジドを内包し、消耗戦、そして大舞台に強いリボー系を2本内包するショウナンマイティは、非常に魅力的なのではあるが。
6エイシンフラッシュ…キングズベスト×プラティニ
昨年の3着馬でリピーター資格馬。過去22年で3着からのリベンジに成功したのは、タップダンスシチー(03年→04年)とアーネストリー(10年→11年)の2頭いる。
コース傾向的には、芝2000mでキングカメハメハが2勝をあげているので問題はない。が、問題はヤネ。ヤネは久々に手が戻ったウチパク。先々週の例の件の張本人である。一応、実効2日間の騎乗停止となり禊は済ませた恰好であるが、物議を醸し出した張本人が、その翌々週にG1制覇となればKYも甚だしい。あってもヒモまでじゃないと、周囲が納得しないだろう。
また、ダービー馬の宝塚記念の過去22年の成績は【1-3-2-3/9】で、連対率44.4%はあるものの、勝率は11.1%と、ダービー2着馬の勝率16.7%を下回り、いささか心許ない。
7ルーラーシップ…キングカメハメハ×トニービン
言わずと知れた超高馬。勲章がG1一つでは、その金額には見合わず、是が非でも、もう一つ二つ位はG1を獲って箔をつけたいと思うのが、陣営の本音。それが証拠にヤネには「振り向けばウイリアムズ」を配し、万全の構え。
血統傾向的にも、母は98年3着のエアグルーヴで、その血統構成はトニービン×ノーザンテーストで、昨日の芝2200mで2着の父ナリタセンチュリーと同じ血統構成である。
おそらく今回も前で流れに乗る作戦に出ると思われるウイリアムズにとって、絶好枠には違いない。しかし、阪神開催で行われた過去20年で4枠は【0-6-5-11】、馬番7番は【0-0-1-19】と、一度も勝ったことがないのが、唯一の気掛かり。
3ヒットザターゲット…キングカメハメハ×タマモクロス
15トゥザグローリー…キングカメハメハ××SS
ヒットザターゲットの母父タマモクロスは、トニービンとはラインを異にするが、同じグレイソブリン系で、血統傾向的には買えるのだが、ヤネがフルキチでは…
悲願達成の物語がよく似合う宝塚記念という意味では、両馬は該当する。
特にG2を3勝、G3を2勝ながらG1ではチョイ足らずのトゥザグローリーにとって、まさにここがG1初制覇の舞台としては相応しいように思える。ヴィンテージ世代と呼ばれた現5歳馬。当時はエイシンフラッシュ、ローズキングダム、ルーラーシップとともにキングマンボカルテットを形成したいたのだが、唯一のG1未勝利。是が非でも栄冠を手に入れたい想いは、他のG1未勝利馬よりも強いはず。「同厩舎の2頭出しは、人気薄を狙え」の格言があるように、オルフェーヴルの陰に隠れて、実は厩舎の本命はこちら、という気がしないでもない。が、ヤネはマイルか牝馬の重賞でしかG1を勝ったことがない福永である。
8アーネストリー…グラスワンダー×トニービン
母レッドアムールは、タグルーヴ、ナリタセンチュリーと同じトニービン×ノーザンテーストなので、傾向には合致する。まあ、昨年の覇者なので当然なのではあるが。もし勝てば史上初の連覇&2勝と偉業達成となるのだが。
前走は予想外の後方追走だったが、今回は正攻法で臨むことを陣営がコメント。典型的な「小回り君」のアーネストリーにとって、G1制覇の期待が持てるのは、この宝塚記念と暮れの有馬記念の二つしかないのは分かるが、やはり宝塚記念史上、連覇を達成どころか2回優勝した馬がいないというデータは気になるし、過去22年で3年連続で馬券対象になった馬もいないというのも不安要素である。
10ナカヤマナイト…ステイゴールド×カコイーシーズ
11オルフェーヴル…ステイゴールド×メジロマックイーン
宝塚記念とは非常に相性の好いステイゴールド産駒が仲良く並んだ。
父ステイゴールドは、昨日の芝2000mで2着に入り、芝2200mの1着馬はSS系×アリダー系で、ナカヤマナイトと同じ血統構成である。が、ヤネは大先生。目下13番人気と、大先生にとっては走り頃の人気ではある。穴ならこれか?という気もするが、やっぱり大先生からは勝負したくない。まあ、あくまでも個人的な感情だけど。
一方、オルフェーヴルの母父メジロマックイーンは、昨日の芝2200mの3着の母父である。メディア情報によると「デキは70%」ということらしく、各メディアでは◎よりも▲扱いが目立つ。しかし、実際には1番人気に押されており、「ファン投票1位&本番でも1番人気」のデータ(連対率・複勝率ともに91.7%)からは、鉄板級の連軸である。春天とは打って変わり、不安要素を煽りまくるメディアの裏を行って、◎を打ちたい気にも駆られるが、人気とリスクを考えれば◎は打ちたくない。
12フェデラリスト…エンパイアメーカー×SS
父エンパイアメーカーは、ミスプロ系ファピアノのライン。父ミスプロ系は、エンドスゥイープ産駒のスイープトウショウ(05年1着)、アドマイヤムーン(07年1着)、キングズベスト産駒のエイシンフラッシュ(11年3着)の3頭しか馬券対象になっておらず、コース傾向でも芝2000mでキンカメ産駒が2勝をあげているが、いずれもフェデラリストのラインとは異なるミスプロ系。
母はダンスパートナーで、こちらもルーラーシップに負けず劣らずの超良血であるが、母が「宝塚記念を勝てないニジンスキー系」を受け継ぐ、ダンシングキー一族である。
16ネコパンチ…ニューイングランド×ダンシングブレーヴ
血統傾向的には、父はSS系、母父は宝塚記念で05年~08年にかけて4連対を果たしたリファール系と、合致しないことはない。
陣営からも早々と逃げ宣言が出た、TV馬のネコパンチ。先日、TVで江田騎手の大穴レースの一つに取り上げられたから、TV馬と言っているのではない。TV中継のある重賞、特にG1になると勝負は捨てて、何が何でも逃げまくり、TVで名前を連呼されることだけに喜びを感じる馬主が指示を出し、ただそのためだけに一生懸命に逃げる馬のことを言う。一昔前までは、こういったキャラの立った馬が結構いたのだが、近頃では、とんといなくなった貴重な存在である。
大外16番になり、もう少し人気がないと思っていたが、目下10番人気なのは意外。これもTV放送の影響なのか。
能力的ウンヌンはともかく、「展開は全てを凌駕する」の格言を忘れてはならない。また、「まだはもう也、もうはまだ也」とは相場の世界の格言であるが、競馬にも通用する。「もうないだろう」と思っていると、穴をあけるのが穴馬の穴馬たる所以。そう、92年に宝塚記念、有馬記念の両グランプリを制したメジロパーマーのように。
以上、長々と重箱の隅を突いてみたのだが、今年の夢は…
◎9ビートブラック…ミスキャスト×BT
前走が完全にフロック視されているようで、目下、単勝22倍の9番人気。
確かに春天では、展開の利があったこと、そして、レコードタイムといっても当時の馬場は超高速馬場であったことは確かである。だが、レースレコードに0.4秒差で、後続を4馬身千切ったことも、紛れのない事実。
血統傾向的に買いたい馬は数いれど、人気=配当とリスクを考慮すれば本馬に辿り着いた。
父ミスキャストは、自身はG1はおろか重賞実績もなく、種牡馬としても本馬以外にこれといった活躍馬が出ていない、SS系の中でも最も地味なSS系の一頭だが、その血統構成はSS×トニービンと、今の阪神芝2000mと芝2200mのコース傾向に合致する。
母父のBTは、過去に父としてマヤノトップガン(96年)、ダンツフレーム(02年)と2頭の優勝馬を出しており、BT自身が、宝塚記念のお宝隠れ血統のリボー系グロースタークを母父に内包している。また、昨日の芝2000mで3着に入ったのはマヤノトップガン産駒で、芝2200mでは母父BTが2着、3着各1回と好走しているのも心強い。
過去22年で春天→宝塚記念を連覇した馬は、94年ビワハヤヒデ、00年テイエムオペラオー、03年ヒシミラクル、そして06年ディープインパクトの4頭しかいない。決してビワハヤヒデ、テイエムオペラオー、ディープインパクトのように当代きっての最強馬(いずれも1番人気での勝利)とは言わない。むしろ、菊花賞、春天を制しながらもフロック視され、6番人気に甘んじたヒシミラクルのキャラに近い。その激走により、億単位の金を「ミラクルおじさん」にもたらしたヒシミラクル。億は無理にしても、百万、いや10万単位のお金が転がり込む夢を見てもバチは当たるまい。
馬券は、まずは単勝。そして、連勝、三連系は、相手は絞りきれないので◎から強弱をつけての総流し。
どうか夢を現実にしてくれますように。
ちなみに、宝塚記念の「逆神」こと杉本清アナウンサーの今年の夢は3歳馬のマウントシャスタらしい。いつの宝塚記念かは忘れたが、「私の夢はロンシャン(ボーイ)です!」と言ったときは驚いたものだ。以来、どうも受け狙いで人気薄の馬に◎をうっているとしか思えないのだが、人様の夢を笑ったり、とやかく言ったりするものではない。
あなたの今年の夢は何ですか?
みなさま良い宝塚記念を!