たいていの場合、ひとは動くことより動かないでいることのほうが苦手です。
動くことは元気で、動かないでいること、運動をしないこと、じっとひきこもっていることは「不健康」とみなされます。
もちろん身体を動かすことは大切なことです。
生きていくための必須条件といえるでしょう。
しかし、動き続けていないと不安、なにかをしていないと落ち着かない、という状態が続くのはこころにとってどうなのかと思うのです。
ひとにとって、最も大切なこころにとって、たまにはじっとひきこもる状態も必要だと思います。
坐禅に行くと40分じっとしていなければなりません。
頭をからっぽに、と言われます。
スカラヴェリ女史が書いているように、身体は止まれ!と号令されれば意志の力で止めることができます。
ところが、こころはどうでしょう。
無意味と思われることに頭を悩ませる経験はどなたにもあると思いますが、止まれ!と号令をかければ囚われている思いから解放されるものでしょうか。
私の師匠、仏国寺の和尚は、頭をからっぽにできなければ流しなさい、溢れる思いをどんどん流していればいいのです、と言っていました。
私たちのヨガは、止まるヨガです。
身体を動かす時間より、ゆっくり呼吸をする時間を長くしています。
呼吸は瞑想です。
身体の動きと呼吸の動きをみつめる時間を深い瞑想状態へといざなっていきます。
確実に瞑想に入ることができます。