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おおた区民大学「健康維持に役立つ食の知識 第1回 認知症と食事」の後編です。
その前に、今朝、本門寺に行って、佐伯栄養専門学校の創設者、佐伯 矩(さえきただす)氏の碑を見てきました。
境内から五重の塔に向かって、通り過ぎると、本門寺公園への入口があります。
その右側に碑が建っていました。写真?つき。ベトナムの墓石屋でこういうの売っていたな〜。
さて、前半は、認知症とは?の話でしたが、
後半は、「認知症の診断」と「認知症と栄養」です。
認知症の診断
- 問診が重要。本人よりも介護者の情報。同伴は必須。
- 認知症(MCI)の診断(判断?)にはフリーチャートと使う。前述の鬱との区別もありました。他の病気の薬の影響がないと判断されれば、記憶力のテストなどを行う。
- 認知症においては確定診断は付かない。確定診断に近づくための診断を行う。
- 「認知症の原因となっている疾患を はっきりと定める診断を確定診断(病理診断)といいます。 確定診断は、脳を直接見る必要があるので 亡くなってからしか行うことができません。 問診、神経心理検査、画像検査などから推定することを臨床診断といいます。」(e-65.net)
- 認知症のテスト(質問式)
- HDS-R 長谷川式:記憶力に特化している。20点以下でMCI。21点以上は予備軍
- MMSE ミニメンタルステート検査:図形を描いてもらったり、色々な要素をチェック
- それぞれ点数については、教育レベルで差は出るし、歳をとると点数は落ちる → が、前回記述した通り、急激に落ちると危ない
- 患者の内訳 → 認知症=アルツハイマーではないし、色々あるんですね。「症候群」ですからね。
- アルツハイマー型(AD)が半数。記憶力低下と近時記憶障害。ゆっくり進行する。発症すると5〜7年でBPSD(行動・心理症状)が増えてきて、その後、無為(何もしない)、10年で寝たきり、最後は感染症で亡くなる。異常なタンパク質(タウ)が溜まって、脳の海馬が萎縮する。何故そうなるかは分かっていない。
- レビー小体型(DLB)が2割。パーキンソン病(歩行障害)を併発。転びやすい。悪夢、怖い夢を見てそれを行動化してしまう。レム睡眠行動障害(寝ている時に動いて怪我する?)。睡眠導入剤が効きすぎる。自律神経障害強い。
歩くことに問題はないけど、なんだか睡眠に関しては他人事じゃないな。。。
- 脳血管性が1割。脳梗塞が原因。睡眠時無呼吸症候群、生活習慣病と合併。ADよりも速く進行する。特効薬がない。
- BPSD(行動・心理症状)に対する治療的アプローチの多様性
- 薬だけでなくリハビリを。精神療法・支持療法。コミュニケーションの工夫が必要。出来ないことより、何が出来たかに焦点を前向きに当てる。
- 洗剤を入れ忘れても、指摘せずにこっそり入れる。夏場にコートを着てくる場合、こっちの方が似合うんじゃない?と夏服を勧める。食事を多く作ったら、残りは明日食べましょう、と提案する。洗い残しがあっても、洗う事は出来ている、と思う、など
- 最近は、操作の仕方がわかりやすいシンプルな電化製品も多いので、患者が使いやすいものを用意する。
認知症と栄養
- 食事をするまでの準備として
- 嚥下(えんげ)障害がないか検査する。むせずに食べ物が肺に入って発熱してしまう。
- 失行、失認、空間認識障害がないか。食器の使いにくさに影響する
- 口腔内の乾燥がないか、入れ歯の調整
- 食事の仕方
- 姿勢を整える
- 食事に集中しやすい環境を整える
- 咀嚼は、極端に速くならないよう、よく噛むことができるよう、ただし、極端に遅くならないように
- 食事の内容
- 適度な飲酒と水分:ストーブの前で脱水症状起こすこともあるので、水分は重要。飲酒という言葉で誤解してほしくないが、赤ワインのポリフェノールが異常なタンパク質(タウ)をためない、分解するということ言われている。
- 大豆、卵黄:レミチンという物質が脳を柔らかくする。→ 脳の細胞、または血管を、という意味かな?
- 胚芽米、ナッツ類:ビタミンE
- ごぼう、おから、ひじき:食物繊維が腸内環境を整える、腸内細菌が脳に好影響を与えるらしい。
- うなぎ、レバー:葉酸、非抗酸化作用
- 青魚:DHA、EPA → サントリーさんからモニター提供いただいたサプリだね。
- オリーブオイル:オレイン酸、アミロイドβを除去(って言ってた?)
- 芋類:ジオスゲニンが脳の情報伝達をよくする
- 乳製品:ビタミンB12
- 認知症に直接効くというものではない。毎日これを守ろうとしたら疲れるので、効果があるかもしれないくらいの感覚で、日々の食事のヒントとして捉えて欲しい。
確かに、認知症に対してというものではなく、一般的な食生活改善の内容に思える。。。
- 血糖と認知機能
- 糖尿病は認知症の発症率が2倍
- (インスリンのため?)脳に糖が吸収されず、脳の活動のためのエネルギーを失う?
なんだか、この辺りから、メモが怪しい。疲れてきたからかな、それとも講師の専門ではないからかな?(苦)
- 糖尿病予防?
- 高ホモシステインには、葉酸、ビタミンB12が有効(?)
- ビタミンEは、老化の原因となる抗酸化物質が作られるのを妨げる
- オメガ脂肪酸が有意義とかなんちゃら。。。
- 高齢者は栄養不足になりがち、体重不足は発症リスクを上げる
- 炭水化物を多くとるのは血糖値が上がってよくない。少なくともご飯がおかずより多いのはNG。一日一合は多い。60kgの体重の人で、750kcalまで。多くても900kcal。日本人に糖尿病が多いのは、ご飯が美味しい(多く食べる)からと言われている。
でも、東南アジアもたくさん食べるけどね。
ベトナムだって、ご飯だけではなく、ライスペーパーもフォーもブンも、何でも米ですが、糖尿病多いのかな???
- 生活習慣病対策同様、適度な運動が大事。カラオケに出かけるのもOK。趣味があるとボケにくいと言われ、余暇活動は重要。トランプ、麻雀、UNOなどをしているなら続けて欲しい。
- 地中海食をお勧めする。(最後にちょっとスライドに写しただけだが)先述のお勧め食材は、この地中海食を意識して話している。
- 主食よりバランスよくおかずを積極的に摂取すること。
認知症については理解が深まりましたが、
でも、「認知症と栄養」の”栄養”は、なんか付け足しの感はありましたね。
柳橋医師も、栄養学の専門ではないでしょうし、会場の提供と、残り2回の講師が佐伯栄養専門学校という、大人の事情でしょうかね。
なんとなく、消化不良の参加者もいたように、Q&Aセッションの雰囲気から感じましたが、
私とては、認知症の理解で十分、というかとても為になりました。
認知症で言われる「日常生活に支障ときたす」ことのないよう心がけるには、生活習慣病全般の予防につながることですし、生活習慣病が認知症のリスクを高めることですし、それこそは本講座の「栄養」部分で言われたこと然りですから。
次回以降、他のおおた区民大学プログラムにも期待大です。
ではでは
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