この時期になると思い出す。
まだ私が若かりし頃の甘酸っぱい思い出。
そうあれは合コンで意気投合した彼。
当時、携帯は普及してなかったので
家の電話で連絡を取り合い
初デートへと臨みました。
長時間のドライブの後、目的地の動物園へと到着。
私、トイレに行きたかった・・・。
でも、トイレの看板は見当たらず
とりあえずガマン。
園内を巡回しているうちにヒョコっと出くわすだろ、
と安易な考えを持っていました。
1時間歩いてもトイレは見つけられなかった。
看板は見つけても、かなり奥の方とかにありそうで
たどりつくのに迷いそうな感じ。
なんでこれ見よがしに設置してないんだ?えー!?
とだんだん腹が立ってくる。
「あ、ちょっとお手洗い行って来るね」
と、さりげなく言えるシチュエーションはやってこない。
とうとう出口にきた。
とっさに周りを見渡したがトイレがない。
どうする膀胱がパンパンだ。
トイレ以外のことを考えられずに
ふらふらと駐車場までやってきた。
ここでトイレを済まさなきゃドエライことになる。
探すと「トイレ」があったーーーーーっっ!!!
彼が「ちょっとトイレ行って来るわ」と言ったので
すかさず「じゃあ私も」
と二人でトイレに向かった。
思ったとおりコンクリのヒンヤリするひと気のないトイレ。
もちろん和式。
そのとき!!!
男子トイレから勢いのある放尿の音が響き渡る!!
「えーーこれ、どうするよ」
でももうこれ以上はガマンできないので
私もちょこっと放尿。
!!!!!!
めっちゃ響くや~ん。
どないする?どないする?どないする?
途中で止めるほうが恥ずかしくないか???
もう、いいや!
身体を犠牲にはできましぇ~ん!
と言うわけで、勢いよく放尿。
まるで轟く滝のように。
しかもエコー付き。
長い、長いよ・・・。
終わった・・・。
終わっちゃったよ・・・。
爽快感と悲壮感と羞恥心が三つ巴の
入り乱れた複雑な心境で
車へと戻る。
相手の何喰わない態度で悟った。
「聞かれた・・・」
「なんかね、気持ち悪いおばちゃんがいてね・・」と
放尿の音は私じゃないのよ、
とアピールするつもりの作り話も考えたが、
ミエミエなのでやめた。
気まずい・・・。
夕食の会話もイマイチ。
この間の合コンのノリはどこ行った?
酔ってしまえとばかりに私だけビール飲んだ。
相手、車なのでもちろんシラフ。
この温度差、どうよ?
結局、それが最後。
二度と連絡なかった。
私も空気読めるから、電話しなかった。
だってさ、帰り際に次回の約束もなく
トットと帰って行っちゃったもんね。
にぶい私ですらわかるよ。
これを教訓に
デートの朝は水断ち。
目に付いたときにトイレ行っとく。
すごく行きたいときは1km歩いてでも行く。
本当、逃がした魚は大きかったと思う今日この頃・・・。
カッパさんがくしゃみでコーヒーを
ぶちまけた。
もう春です。