やっさんのこと

親友のイザベラちゃんと定期的に女子会を開き

亭主の愚痴を言い合っている。


私がその女子会からごきげんで帰宅すると

さっそくカッパさんが聞いてくる。

「今日もやっさんのネタある？」

やっさんとはイザベラちゃんの旦那さんこと。

カッパさんはやっさんのダメダメぶりを聞くのが

楽しくてしかたないようだ。


最近のやっさんは、屋根裏の物置を

書斎として利用しているようだ。

イザベラちゃんとしては、ハシゴが出しっぱなしなのが

気に障る。

たしかに部屋のど真ん中のハシゴは場所をとる。

で、やっさんの実際の部屋はと言うと、

改造したステレオや大型テレビ、

あとポンコツ家電製品（←どっかから拾ってきた？）で

足の踏み場もないそうだ。



やっさんの若い頃の武勇伝（？）はいっぱいある。

イザベラちゃんと結婚当初、地方の町に新居を構えた。

ショッピングモールも繁華街もなく

娯楽といえばパチンコだけ。

イザベラちゃんはあまりに退屈なので、パートに出ることにした。

家は線路沿いなので、電車から自分の家が見える。

ある日パートの帰り電車に乗っていると、

なんと！家の玄関の扉が全開になっていたらしい。

大急ぎで自宅に着くと、護身用のバットを手に取り

「誰かいるのか！！」

と叫びながら、部屋をチェックしたらしいが

気配はない。

その日、やっさんは忘れ物を家に取りに帰り、

そのまま慌ててドア全開で飛び出したらしい。

やっちゃったね・・・(^-^;)


あと、もうひとつ。

ある夜、やっさんが帰ってこなかった。

翌朝、会社から出社していないと連絡が入る。

不安になるイザベラちゃん。

しばらくして知らない男性から電話が入る。

「ご主人のカバンを拾った。自分は多忙なので、今晩、警察に届ける」

イザベラちゃん、もうパニック状態。

失踪？殺人事件？え、なになに？何が起こったの？


やっさんの会社の同僚と、周辺を捜索することにした。

昼過ぎに浜辺のボートで寝ているやっさんを発見。

どうやら酔っ払ってボートで一晩過ごしたらしい。

今みたいに携帯の普及率が低かったから、

こんなお茶目な事件も発生したんだろうね。


ま、そんなダメな（？）やっさんを

常にフィーチャーしているカッパさんなのでした。


ちなみにやっさんはＰＴＡの会長をしております。