未婚者には目を背けたくなるなような内容だが、
せっかく書いたのだから心して読んでけろ!
私たちが交際を始めてまだ1ヶ月も経たないころのことだ。
その日はカッパさんと映画を観る予定だった。
何の映画かは忘れた。
なのにカッパさんはいきなり
「今日は結婚指輪を買いに行こう!!ハァハァ」と言いだした。
まだプロポーズもされていないし、
婚約指輪ももらってないし、
何故、いきなり結婚指輪なんだ?
私、結婚するっていったっけ?
と思いながらも面倒くさいので、
カッパさんの言う通りについて行った。
松坂屋の閉店セール。
大阪に唯一あった松坂屋が閉店するのだ。
そのセールに乗じて指輪を買おうって魂胆だ。
松坂屋が閉店しなかったら
うちら結婚してなかったかも・・・。
ずんずん宝飾品売り場に向かうカッパさん。
ショーケースの前で振り向き、
「どれでも好きなん選びや」
と手で指し示した。
好色なオヤジかよ!!
好色なオヤジが『ネエチャン、好きなもん買うたるで』
と言うのと同じトーンだ。
そしてカッパさんが
結婚指輪と婚約指輪を一緒くたにしていることに私は気付いた。
ははぁ・・・エンゲージリングを私に押し付けて、
考える暇もなく結婚に持ち込もうって算段だ。
カッパの浅知恵だ。
しかし私もアラフォー。
もう、乗っかるしか選択肢がなかった。
それにガラスケースを見ると自然と顔がほころぶ。
ついつい真剣に物色し始めてしまった。
2、3点手ごろなのを選び、
迷った挙句に一番クラシックなデザインの指輪に決めた。
カッパさんはポケットからシワシワの茶封筒を取り出し
そっから15万円を抜き取って店員に渡した。
サイズ直しは7日後だと言う。
私はカッパさんの茶封筒の中身が相当気になった。
と言うのは封筒にお札がほとんど残ってなかったからだ。
もう破談にできない。
私の頭の中で色々と葛藤があったが、
自分が誰かを幸せにできるのなら、
その運命にのっかろうと腹を決めた。
カッパの幸せを自分の幸せにしようと思った・・・のが
大きな間違いだった。
それに気付くのは意外に早かった。
やっぱり自分の幸せを優先にするべきた。
でも、それだといまだに独身なんだなーーー。
ホント、人生ってイバラの道しかないんだなーーって痛感した。
そのイバラの道をいかに楽しんで進むかが命題。
さて7日後、百貨店はすでに閉店しているが、
お直しの客のために通用口から出入りできるようになっている。
そこから私はコソコソ入って指輪を受け取った。
その後カッパさんと待ち合わせして
こじゃれたイタリアンの店で指輪を見せた。
カッパさんはイタリアンの会計が気になっていたようで
なんだか上の空だった。
私は婚約指輪に舞い上がって
飲み会を開いては、
友達に見せびらかしたりしていた。
幸せの絶頂にいた。
この後の壮絶なイバラの道を私はまだ知らなかった・・・。
でもね、
せめて指輪は30万円くらいのものが欲しかった・・・。
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