カッパの女房

縁あってASDのカッパさんの嫁になりました。
カッパさんの飼い主・・・いや嫁として日々修行中です。

おバカな会社にいたもんだ

2019-02-27 10:18:34 | 思い出話


私が最初にまぐれで入った会社は、有名俳優のCMでおなじみだ。

ハズキルーペではない。

そんな有名メーカーであるが、

私のいた職場は「これぞ、大阪!」を体現したようなものだ。

社員の意識にエリートのかけらすらない。

もちろん新入社員はエリートであるが、

古参のおやじたちに教育されもみくちゃにされ、

いつしか“ヤングなおっさん”になってしまう。

イケメンであっても、半年経つと小ずるいヒネタ顔になってしまう。


事務所は一日中うるさい。

誰かが怒号している。誰かが泣いている。誰かが悲鳴をあげている。

いたって日常。

電話に夢中になりすぎて椅子から転げ落ちる人、多数。

私も何度も椅子に座ろうと思ったら椅子がなくて、尻もちをついたことがある。

これも心象風景の一部となっている。

叫んだあと泣きながら走り出す女子社員。

呆けた目でテニスボールをポーンポーンと床に打ち付けている課長

顔から血を流しているか、あるいは頭に包帯を巻いている男性社員。

なぜ、とは誰も疑問に思わない。それが普通だからだ。

気でも狂ったか?と思うほど、いきなり笑い声を高らかにあげる。

うんうん、みんな経験している。

自由すぎるのだ。


午前と午後で髪形が違う人もいるし、

パチンコ店から「カバン忘れてます」と伝言がある人もいる。

「時間つぶしに喫茶サニーにいるかも知れない」と言われ、

緊急の件で電話をかけると、「はいサニーです」と、その人が出る。

お店の人はどうした?


一応、海外との取引もあるがめったに電話がかかることはない。

たまに外国人から電話があると大騒ぎ。

「ぎゃーートーマスさんから電話!!誰か出てーー」

となる。

英文科卒と言うだけで全く英語が話せない私に受話器がまわってくる。

「は、はろー?」と言うと

向こうはめっちゃ日本語。なんなら茨城弁も入ってる?

・・・藤枡(とうます)さんだった。まごうことなき純粋の日本人。


こんなこともあった。

「うわーーこんどの慰安旅行は『強姦の里』やってーーー!!」

とオッサン達が大騒ぎ。

何のことはない、合歓(ねむ)の里だ。アホか?


私の上司が人事の担当者にこっぴどく叱られている。

どうやら休みを生理休暇として申請したらしい。

本人はケアレスミスだと言い訳しているか、

あのとぼけた顔を見ると確信犯じゃないかと思う。

休暇取りすぎなんだよ。


隣の課の課長の電話には、カタコトの日本語で

「シャチョウサン、イラッシャイマスカ?」と電話がかかってくる。

社長なんて雲の上の人だ。真に受けて繋ぐわけにいかね。

だってここ本社ビルじゃねーし!!


うちの課の「一週間フィリピン行ってくるわ」と休暇を取ったオッサン。

毎回、奥さんからの電話でアリバイ工作させられる。

私らが気を利かしていることをオッサンは知らない。

周囲が物わかりよすぎるんだろな。


そうそう後輩のMちゃんは給湯室に立てこもったことがあったな。

包丁を喉に突き付けて、Y社員の名前を叫んでいた。

Y社員はイケメンだ。女好きだ。妻子持ちだ。

何があったのか?

まあ想像はつく。

よくあること。

その後Mちゃんは、ちゃっかり取引先の誰かさんと結婚して、

アメリカへ発ったけどね。結果オーライ。何もなかったことでいいのだ。


まあ、仕事は大変だったけど楽しかった。

なんと言うか・・・全てをさらけ出して全力で生きていた時代だ。

今ならハラスメントの玉手箱と言っていい。

この現代に同じことをしたら、いったいどれだけの人が懲戒免職になるだろう?

毎日が伝説だった時代だ。それがとても懐かしい。

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