光と影の軌跡Ⅱ

つれづれなるおじさんの写真日記

新春の畔戸漁港-歌川広重の「黒戸(畔戸)の浦」を訪ねて

2023年02月13日 | 日記

 

 1/24(火)木更津見立て海岸の金田漁協直営の食事処浜っ子で昼食をとった後、隣の畔戸漁港(くろとぎょこう)を訪ねました。以前紹介したことがありますが、著名な浮世絵師歌川広重がこの畔戸の浦を浮世絵に残しており、昔からこの地は風光明媚な海岸として知られた所でした。

 ホテル三日月に沿って細い道を海の方に進むと畔戸漁港です。いつ行っても漁師に会う事が無く不思議に思っていたのですが、漸く若い漁師の人に会いこの漁港の事を聞くことが出来ました。砂が沈殿して来て漁港が浅くなり、今は使われていないと言う事でした。

 この漁港からはアクアラインが白く輝き東京湾が一望できます。さらに遠浅の砂浜なので色々な種類の海鳥も大群で集まってきます。岸壁には不用になった漁船や丸いウキが放置され、雑然とした景観です。

 話は江戸時代に移りますが、安藤広重が「上総黒戸の浦(江戸時代は畔戸でなく黒戸と記されたようです)」を描いたのは弘化元年(1844年)出版の『鹿野山行日記』によると、江戸橋より船を利用して木更津に渡り、北方に位置する久津間道を歩んだ頃と言われています。この久津間道を歩いた時の感想を「左に海辺見晴らしよし」と記しており、この時の体験をもとに、「上総黒戸の浦」が描かれたようです。

 ツレと一緒にその道と思われる場所を歩くと、草むらの陰で広重一行が、この浜の絵を描いている姿が見えるような気分になります。反対に広重がアクアラインを見たらどんな感想をもつでしょうか?そんなことを思う、今日この頃です。(下の浮世絵が上総黒戸の浦)

       



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