この竿はワタクシの釣りの中ではあんまり使う機会が多くない竿になります。
ですから頻度から言えば、紹介しないでいいぐらいなんですよ。本当は。
2014年、実に13年ぶりのゼンノ川自己レコードタイの時は、時刻も昼下がりでしたし、塩焼きサイズを1尾釣ったらすぐに上がってこようと思って、ささっと降りたんですよね。
その時の竿が何を隠そうこのがま渓流旭仙翠であります。
じつは、ブログ用にいっちょいい絵を撮ってやろうって狙ってて…
と言うのは冗談で、
あんな流れにこんなのがいると思ってなかったし、
先調子の竿にハリス0.25号でまさか獲れちゃうとは思いませんでした!!
この、名誉ある一発ホームランバッターを紹介しないというのもあまりに不公平というものです。
過去、9寸越えの大金星はサクラ金剛テンカラと当該旭仙翠硬調だけなのですから!!
その一発がフロックだったのか、それともこの竿のポテンシャルだったのかは、下記を読んでぜひ妄想を膨らませてください(爆)
ではさっそく行ってみましょう。ダークホースがま渓流 旭仙翠硬調。
全長5.4mです。
ヒトコトで言えば「シャープな先調子」。狭いスポットを狙い緻密な釣りをするのに向いています。
かなりとんがった竿です。細糸には全く向きません。守備力弱いです。でも、昔はこんな調子が好まれたんですよねぇ。0.2号とか0.3号なんて糸は鮎用かハエ用で、渓流釣りで使う人はごく一部でしたから。ワタクシが多用する弧空とは、性格が真逆です。調子だけでなく外観も(爆)
個人的にはかなり好きなデザインです。もう、眺めてるだけでメロメロ(爆)
もちろん細糸を使う今風の釣り向きではなく、オーソドックスな脈釣り向きで、わざわざタルミを作らなくても、仕掛をピンと張ったままスジに乗せることができてしまいます。落ち込みなどで、魚に餌をじっくり見せても見切られにくいですね。
これは極めて柔軟な穂持ちにその秘密があります。あとで写真をお見せしますが、最近のカーボン竿の感覚からすれば、「えー、うそ?」ってくらい曲ります。なかなか折れないのはもちろんですが、スジなり波なりに非常〜によく馴染んでくれます。
この竿で仕掛をピンと張って流しても、あるいはポイントの真上で完全に静止させて(止め釣り)しまっても、非常に魚の反応が良いです。激戦区でスゴ腕先行者の後を釣る時など、最後の切り札として活躍することがあります。
この竿は秘密兵器で常連さん達にも見せていません。
このワシがこんな隠し球を持っとるとはまだ誰も気付いておらんやろうな!(爆)
仕掛短めの沢釣りにも良いですし、チョウチンも得意です。いわゆる美溪、つまり落ち込みが連続するような川ですね、そういう渓流ならメインに起用したいところです。まあ、森林の荒廃と土木工事でこれからも出番は減る一方でしょうねぇ。
8:2の先調子ですから、サイドキャストはかなりやりにくいです。さらにその自重もあって、軽い仕掛けを振っていると非常に疲れます。ですから小針軽錘釣法には向きません。反対に、ミミズ餌で太くて強い仕掛けを使う釣り方では、主力ロッドとしてまだまだ使えます。オモリは2Bとか3Bとか、重ければ重いほど穂先が安定する、そんな感じの調子です。
仕舞寸法が50cmと短めで元竿は太めです。そのせいかねじれに対しては比較的強く、操作性はかなり高いです。と言いますか、小針軽錘釣法ではここまでの操作性は過剰って感じですね。チクチク緻密な釣りは苛々するって人には却っていいかも知れません。
やりとりの際、胴はあまり曲がりません。先だけでやりとりする感じになります。27cmクラスになると、流心に入られなくても曲がりきって底突きしてしまいます。まあ、がまですから底突きしても動けるので何とかなるケースも多いのですが。
昔のグラスを巻いた竿みたいに、引かれたらこちらも負けじと竿を起こすというようなやりとりはできませんね。旭仙翠を使いこなすにはいろいろ工夫が必要ですね。スタークUみたいに柔らかいナイロンを使うとか。
そうかといって引抜がしやすいかというとそうでもないようです。手返し重視なんでしょうね。
145g!うひゃ!重いですね。でも重くてアタリが取れない、合わせ切れする、というほどではないです。そのぶん頑丈な感じです。時にはガン玉6号などの軽い仕掛で強引に振り込んだりしていますが、まだ折れる気配を見せてません。本当にタフですね。
思えばオリムピックの峽本流が出る以前、この手のがま渓流で尺山女魚を狙っている人を結構見かけましたね。鮎釣りの余興、って感じでしたが。
この竿の特徴は、やはり#2が柔軟で低反発なところです。ここまで穂持がよく曲がり馴染みやすい竿というのは他では見たことがありません。この穂持のねちっこさが、ドリフトを助けてくれます。ちょっとぐらい渇水しても、全然余裕で使えます。
ですから、自分でドリ竿を作ろう!っていう人にとっては、実にいいお手本になる名機だと思っています。なにより格好いいし、持っていて損はありませんね。
〔反動抜きのしやすさ評価〕
旭仙翠硬調(5.4m)…………★★★☆☆
旭仙翠硬調が特に有効なシーンとしては、
が挙げられると思います。いずれもドラグを利用して魚に気付かせ、食わせるイメージでしょうか。
穂先・穂持はこんな感じで曲がります。
これが1〜3節の曲がり。
1〜5節の曲がり具合はこんな感じです。
胴への乗りが浅いことが分かりますね。でも逆にこの固さが、底まで沈めて静止させた時の仕掛の静粛性に一役買ってる気がします。
星煌峰や刀翠のような胴に乗る竿に比べれば明らかに曲りが頼りない感じを与えますが、バラシ・釣り落としは意外と少ないです。乗せ・掛け重視で、やりとりは足でって感じでしょうかね!
この柔軟性、2〜3節に非常〜にコストが掛かってると思いますね。
例に依ってオモリ収納式尻栓Made by Gamakatsu いいぞ!!
古い竿ですが、活用方法次第では最先端の渓流竿を打ち負かす可能性アリってところでしょうかねぇ。
ともあれ、がま渓流旭仙翠硬調5.4、大金星ありがとうございました。
関連記事:渓流竿の性能比較(〜2019)
ですから頻度から言えば、紹介しないでいいぐらいなんですよ。本当は。
2014年、実に13年ぶりのゼンノ川自己レコードタイの時は、時刻も昼下がりでしたし、塩焼きサイズを1尾釣ったらすぐに上がってこようと思って、ささっと降りたんですよね。
その時の竿が何を隠そうこのがま渓流旭仙翠であります。
じつは、ブログ用にいっちょいい絵を撮ってやろうって狙ってて…
と言うのは冗談で、
あんな流れにこんなのがいると思ってなかったし、
先調子の竿にハリス0.25号でまさか獲れちゃうとは思いませんでした!!
この、名誉ある一発ホームランバッターを紹介しないというのもあまりに不公平というものです。
過去、9寸越えの大金星はサクラ金剛テンカラと当該旭仙翠硬調だけなのですから!!
その一発がフロックだったのか、それともこの竿のポテンシャルだったのかは、下記を読んでぜひ妄想を膨らませてください(爆)
ではさっそく行ってみましょう。ダークホースがま渓流 旭仙翠硬調。
全長5.4mです。
ヒトコトで言えば「シャープな先調子」。狭いスポットを狙い緻密な釣りをするのに向いています。
かなりとんがった竿です。細糸には全く向きません。守備力弱いです。でも、昔はこんな調子が好まれたんですよねぇ。0.2号とか0.3号なんて糸は鮎用かハエ用で、渓流釣りで使う人はごく一部でしたから。ワタクシが多用する弧空とは、性格が真逆です。調子だけでなく外観も(爆)
個人的にはかなり好きなデザインです。もう、眺めてるだけでメロメロ(爆)
もちろん細糸を使う今風の釣り向きではなく、オーソドックスな脈釣り向きで、わざわざタルミを作らなくても、仕掛をピンと張ったままスジに乗せることができてしまいます。落ち込みなどで、魚に餌をじっくり見せても見切られにくいですね。
これは極めて柔軟な穂持ちにその秘密があります。あとで写真をお見せしますが、最近のカーボン竿の感覚からすれば、「えー、うそ?」ってくらい曲ります。なかなか折れないのはもちろんですが、スジなり波なりに非常〜によく馴染んでくれます。
この竿で仕掛をピンと張って流しても、あるいはポイントの真上で完全に静止させて(止め釣り)しまっても、非常に魚の反応が良いです。激戦区でスゴ腕先行者の後を釣る時など、最後の切り札として活躍することがあります。
この竿は秘密兵器で常連さん達にも見せていません。
このワシがこんな隠し球を持っとるとはまだ誰も気付いておらんやろうな!(爆)
仕掛短めの沢釣りにも良いですし、チョウチンも得意です。いわゆる美溪、つまり落ち込みが連続するような川ですね、そういう渓流ならメインに起用したいところです。まあ、森林の荒廃と土木工事でこれからも出番は減る一方でしょうねぇ。
8:2の先調子ですから、サイドキャストはかなりやりにくいです。さらにその自重もあって、軽い仕掛けを振っていると非常に疲れます。ですから小針軽錘釣法には向きません。反対に、ミミズ餌で太くて強い仕掛けを使う釣り方では、主力ロッドとしてまだまだ使えます。オモリは2Bとか3Bとか、重ければ重いほど穂先が安定する、そんな感じの調子です。
仕舞寸法が50cmと短めで元竿は太めです。そのせいかねじれに対しては比較的強く、操作性はかなり高いです。と言いますか、小針軽錘釣法ではここまでの操作性は過剰って感じですね。チクチク緻密な釣りは苛々するって人には却っていいかも知れません。
やりとりの際、胴はあまり曲がりません。先だけでやりとりする感じになります。27cmクラスになると、流心に入られなくても曲がりきって底突きしてしまいます。まあ、がまですから底突きしても動けるので何とかなるケースも多いのですが。
昔のグラスを巻いた竿みたいに、引かれたらこちらも負けじと竿を起こすというようなやりとりはできませんね。旭仙翠を使いこなすにはいろいろ工夫が必要ですね。スタークUみたいに柔らかいナイロンを使うとか。
そうかといって引抜がしやすいかというとそうでもないようです。手返し重視なんでしょうね。
基本スペック
全長 5.4m 継数 13本 仕舞寸 50.0cm 自重 145g 適正ハリス 0.4〜1号 年式 FY1988ぐらい? 生産国 日本 ※特記事項:ソリッド穂先、先径0.8mm、元径23.0mm(実測)、カーボン含有率不明。
145g!うひゃ!重いですね。でも重くてアタリが取れない、合わせ切れする、というほどではないです。そのぶん頑丈な感じです。時にはガン玉6号などの軽い仕掛で強引に振り込んだりしていますが、まだ折れる気配を見せてません。本当にタフですね。
思えばオリムピックの峽本流が出る以前、この手のがま渓流で尺山女魚を狙っている人を結構見かけましたね。鮎釣りの余興、って感じでしたが。
この竿の特徴は、やはり#2が柔軟で低反発なところです。ここまで穂持がよく曲がり馴染みやすい竿というのは他では見たことがありません。この穂持のねちっこさが、ドリフトを助けてくれます。ちょっとぐらい渇水しても、全然余裕で使えます。
ですから、自分でドリ竿を作ろう!っていう人にとっては、実にいいお手本になる名機だと思っています。なにより格好いいし、持っていて損はありませんね。
〔反動抜きのしやすさ評価〕
旭仙翠硬調(5.4m)…………★★★☆☆
旭仙翠硬調が特に有効なシーンとしては、
- 太い糸を使いドラグがばっちり掛かっている場合
- 大きいオモリを使い道糸がピンと張っている場合
- 手尻が短くスジに乗せにくい場合
- 点の釣りをする場合
- 底狙いの場合
が挙げられると思います。いずれもドラグを利用して魚に気付かせ、食わせるイメージでしょうか。
穂先・穂持はこんな感じで曲がります。
これが1〜3節の曲がり。
1〜5節の曲がり具合はこんな感じです。
胴への乗りが浅いことが分かりますね。でも逆にこの固さが、底まで沈めて静止させた時の仕掛の静粛性に一役買ってる気がします。
星煌峰や刀翠のような胴に乗る竿に比べれば明らかに曲りが頼りない感じを与えますが、バラシ・釣り落としは意外と少ないです。乗せ・掛け重視で、やりとりは足でって感じでしょうかね!
この柔軟性、2〜3節に非常〜にコストが掛かってると思いますね。
例に依ってオモリ収納式尻栓Made by Gamakatsu いいぞ!!
古い竿ですが、活用方法次第では最先端の渓流竿を打ち負かす可能性アリってところでしょうかねぇ。
ともあれ、がま渓流旭仙翠硬調5.4、大金星ありがとうございました。
関連記事:渓流竿の性能比較(〜2019)