前々回の記事で、魚類とカロテノイドについて書きましたが、「何かがある」と聞いて、ピン!と来ませんでしたか? もし、来なかったという方は、植物の光合成について、ちょっと思い出してみてください。
カロテノイドというのはクロロフィルやタンパク質と複雑な複合体を作って太陽から来る光子を捕まえていましたね?
それで酸素を作ったり、ブドウ糖を作ったりしてるわけです。
…ということは、ダイコンなどの高等植物では、カロテノイドは光合成を行う葉っぱとか、そうでなくても光の当たる部分に多く含まれているはず、ということになります。
ところが!です。よくビタミンAが足りないなあというときにニンジンを食べますよね? 葉っぱはどうしてますか?捨てますよね? そう!ニンジンって根の方にベータ・カロテン(カロチン)が多く含まれていませんか?
じゃあ、ニンジンの根っこに有ったカロテンは一体何をしてたんでしょう。
…サボってた?
…それじゃあ、同じくカロテンを豊富に含んだカボチャはどうでしょうか?
カボチャは、黒っぽい皮の内側に黄色い果肉があります。厚い皮のせいで、光は中まで到達できません。
どう見ても、カボチャのカロテンは、光合成の役に立ってるようには見えません。それに、他の役に立ってるとにしては、あまりにも多すぎませんか?こんなにたくさんあっても、という感じです。カボチャの果肉にはデンプンがありますが、デンプンとカロテンだけじゃ何もできません。
…ひょっとして、何も役に立っていない!?
――そうです。
役に立たないのにニンジンやカボチャは何を考えてるのかせっせと集めてます。
つまり、単に栄養を蓄えているだけなんじゃないんでしょうか??
そうとしか考えられないでしょう。「栄養」という言い方はちょっと変ですけどね。
蓄えるというのは将来必要になるかも知れないから使わないで保存しているわけです。
サツマイモやジャガイモは、光合成によってブドウ糖を生産して、余剰分をデンプンにして茎の一部に蓄えますね? それと同じように、ニンジンやカボチャはデンプンの代わりにカロテノイドを蓄えてるんじゃないでしょうか。デンプンや脂肪ならエネルギー源ですが、カロテノイドはそれとはもっと別な形で代謝に大きく関わってるとしたら…?
…これは全くの想像なんですが、こういうこともまんざらでもないという気がするんです。
野鳥は秋になると赤い実を好んで食べます。ヒグマはサケを食べて冬に備えますし、ツキノワグマはサワガニを大量に食べます。で、脂肪をたっぷりつけて太ります。
エビやカニは一年のうちで秋が一番おいしくなります。エビ・カニだけでなく、野菜も秋がおいしいですね。
「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれていて、これは柿にビタミンCやたくさんの栄養があって風邪を引かなくなるからだ、などといういかにもありそうな解説がされます。で、これを聞いて「じゃあ柿をたくさん食べよう!」と考えるのはあまりにも早計です。柿食べただけで健康になるなら医者いらないよー
植物の多くは夏、光合成が一番盛んになって、葉をたっぷり茂らせ、花を咲かせ、実を付けます。秋になるともう何も作る必要はなくなりますから、たくさんの余剰が生まれます。それで、デンプンやカロテノイドが茎や実の方に蓄えられます。まさに柿が赤くなる頃カロテノイドがピーク、ということになるんじゃないでしょうか。
早い植物だと秋口のまだ暑い盛りに葉っぱを落とし始めて、「なんでそんなに急ぐんだろ」って思いませんか?まだまだ光合成できるのに…。
エビやカニも同じことで、夏の間せっせと藻類を食べて身体を成長させますが、秋は成長がストップしますんで、ちょうど蓄えたカロテノイドがMAXに達してます(一説には秋になると身体が縮むとか?!ホントかな??)。
ですんで、柿が赤くなる頃はあらゆるものが栄養満点状態というわけで、お医者さんがヒマになってしまうということなんじゃないでしょうか。特に柿が豊作になるような年はあらゆる生き物がフルにカロテノイド・チャージされてて、結果、冬になっても風邪や疫病が流行らなかったり、病人が少なかったりすると。
いやー赤と青という色の対比も効いててホントに見事なことわざですね~。
じゃあ、カロテノイドにはどんな働きがあるの?って、残念なことにベータ・カロテン以外のカロテノイドというのは結構マイナーな存在でして、あんまり研究が進んでないそうです。というのは、ビタミンA以外はべつに不足しても死なないから(ガクッ)。
でも、ちょっと考えてみてください。日本人の私たちは今、世界の人達と比べて、健康ですか?もとい、元気ですか?(オリンピックのメダル、いくつ取れそうですかね?)
そういえば、スペインやポルトガルの人達は柑橘類をたくさん食べますし、イタリアでは石みたいな(?)トマトをオリーブオイルで煮て食べてます。韓国ではなんか味のしない(?)唐辛子をアミエビと一緒に漬け込んで食べてます。
そうか、あれはカロテノイドを摂取する工夫だったんですね!
それにしても、植物からカロテノイドを摂ろうとすると結構手間かかるんですね…。
…もう、わかりましたね。
そうです!日本人は鮎、鮭、鰻、山女魚をガブッと皮ごと!
ただし天然のね。
カロテノイドというのはクロロフィルやタンパク質と複雑な複合体を作って太陽から来る光子を捕まえていましたね?
それで酸素を作ったり、ブドウ糖を作ったりしてるわけです。
…ということは、ダイコンなどの高等植物では、カロテノイドは光合成を行う葉っぱとか、そうでなくても光の当たる部分に多く含まれているはず、ということになります。
ところが!です。よくビタミンAが足りないなあというときにニンジンを食べますよね? 葉っぱはどうしてますか?捨てますよね? そう!ニンジンって根の方にベータ・カロテン(カロチン)が多く含まれていませんか?
じゃあ、ニンジンの根っこに有ったカロテンは一体何をしてたんでしょう。
…サボってた?
…それじゃあ、同じくカロテンを豊富に含んだカボチャはどうでしょうか?
カボチャは、黒っぽい皮の内側に黄色い果肉があります。厚い皮のせいで、光は中まで到達できません。
どう見ても、カボチャのカロテンは、光合成の役に立ってるようには見えません。それに、他の役に立ってるとにしては、あまりにも多すぎませんか?こんなにたくさんあっても、という感じです。カボチャの果肉にはデンプンがありますが、デンプンとカロテンだけじゃ何もできません。
…ひょっとして、何も役に立っていない!?
――そうです。
役に立たないのにニンジンやカボチャは何を考えてるのかせっせと集めてます。
つまり、単に栄養を蓄えているだけなんじゃないんでしょうか??
そうとしか考えられないでしょう。「栄養」という言い方はちょっと変ですけどね。
蓄えるというのは将来必要になるかも知れないから使わないで保存しているわけです。
サツマイモやジャガイモは、光合成によってブドウ糖を生産して、余剰分をデンプンにして茎の一部に蓄えますね? それと同じように、ニンジンやカボチャはデンプンの代わりにカロテノイドを蓄えてるんじゃないでしょうか。デンプンや脂肪ならエネルギー源ですが、カロテノイドはそれとはもっと別な形で代謝に大きく関わってるとしたら…?
…これは全くの想像なんですが、こういうこともまんざらでもないという気がするんです。
野鳥は秋になると赤い実を好んで食べます。ヒグマはサケを食べて冬に備えますし、ツキノワグマはサワガニを大量に食べます。で、脂肪をたっぷりつけて太ります。
エビやカニは一年のうちで秋が一番おいしくなります。エビ・カニだけでなく、野菜も秋がおいしいですね。
「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれていて、これは柿にビタミンCやたくさんの栄養があって風邪を引かなくなるからだ、などといういかにもありそうな解説がされます。で、これを聞いて「じゃあ柿をたくさん食べよう!」と考えるのはあまりにも早計です。柿食べただけで健康になるなら医者いらないよー
植物の多くは夏、光合成が一番盛んになって、葉をたっぷり茂らせ、花を咲かせ、実を付けます。秋になるともう何も作る必要はなくなりますから、たくさんの余剰が生まれます。それで、デンプンやカロテノイドが茎や実の方に蓄えられます。まさに柿が赤くなる頃カロテノイドがピーク、ということになるんじゃないでしょうか。
早い植物だと秋口のまだ暑い盛りに葉っぱを落とし始めて、「なんでそんなに急ぐんだろ」って思いませんか?まだまだ光合成できるのに…。
エビやカニも同じことで、夏の間せっせと藻類を食べて身体を成長させますが、秋は成長がストップしますんで、ちょうど蓄えたカロテノイドがMAXに達してます(一説には秋になると身体が縮むとか?!ホントかな??)。
ですんで、柿が赤くなる頃はあらゆるものが栄養満点状態というわけで、お医者さんがヒマになってしまうということなんじゃないでしょうか。特に柿が豊作になるような年はあらゆる生き物がフルにカロテノイド・チャージされてて、結果、冬になっても風邪や疫病が流行らなかったり、病人が少なかったりすると。
いやー赤と青という色の対比も効いててホントに見事なことわざですね~。
じゃあ、カロテノイドにはどんな働きがあるの?って、残念なことにベータ・カロテン以外のカロテノイドというのは結構マイナーな存在でして、あんまり研究が進んでないそうです。というのは、ビタミンA以外はべつに不足しても死なないから(ガクッ)。
でも、ちょっと考えてみてください。日本人の私たちは今、世界の人達と比べて、健康ですか?もとい、元気ですか?(オリンピックのメダル、いくつ取れそうですかね?)
そういえば、スペインやポルトガルの人達は柑橘類をたくさん食べますし、イタリアでは石みたいな(?)トマトをオリーブオイルで煮て食べてます。韓国ではなんか味のしない(?)唐辛子をアミエビと一緒に漬け込んで食べてます。
そうか、あれはカロテノイドを摂取する工夫だったんですね!
それにしても、植物からカロテノイドを摂ろうとすると結構手間かかるんですね…。
…もう、わかりましたね。
そうです!日本人は鮎、鮭、鰻、山女魚をガブッと皮ごと!
ただし天然のね。