chuo1976

心のたねを言の葉として

ⅩⅩⅩⅩ「不安が不安 Angst vor der Angst 」を観る聴く 『エイガニッキ』 SASHI-ハラダ

2016-05-17 06:00:29 | 映画

ⅩⅩⅩⅩ「不安が不安 Angst vor der Angst 」を観る聴く   『エイガニッキ』 SASHI-ハラダ  2016/4/18

 穏やかな住宅街のアパート、光、ケーキを作る主人公、未だ幼い少女、画面が揺らぐ、誰の視線が揺れているのだろうか、主人公か、監督か、映画自体か、鑑賞している私か、不安が通り過ぎる、部屋々々の出入り口は開かれている、自由に行き来が、鏡が至る所に、映し出される主人公、母で在り、妻で在り、娘である少女には出来ないとケーキ作りをさせないままに、夫が戻り、当たり前の家族、生活、日常、何の問題も無い様にしか見えない、欲望なのだろうか、誰の、判らない、何が介在しているのだろうか、判らない、夫はくつろいでいる、書斎で数学の勉強をしている、この日は少女にケーキを作らせる、いつもと違う母、昨日も作ったばかりのケーキ、子供は卵を溶いていてカップを落としてしまう、叱らない母、病なのだろうか、同じアパートの夫の母と義理の妹が現れる、不可思議そうに見つめる、この視線たち、それぞれの視線たち、義理の母の、義理の妹の、不満、嫉妬、また、主人公も彼らを観ている、病院に出かける主人公、窓から見つめる義理の妹、視線たち、窓ガラスの影、上からの俯瞰で通りを歩く主人公の姿が、こんどは下から、この覗く義理の妹の様子を捕らえるカメラ、が、このカメラは誰の視点、そして、不気味な一人の男の視線、この男は何もの、近所の人、過去の人、判らないままに、医師の判断、健康だと、が、薬を出してくれる、少女の幼稚園、迎えに、二人の後を見つめ、付ける男、あの通り佇んでいた男、少女の不審、あの人誰と、ハッキリ語らない母、主人公のアップ、輝く目、白い肌、綺麗な髪、それでいて何を見ているのだろうか、判明しない、曖昧な視線、さて、薬が無くなって近所の薬局に、薬局の医師に相談、簡単には出せない薬、だが、どこか主人公に惹かれているのだろうか、誘う部屋、奥の部屋、薬局の店員の娘、客の夫人、二人を見詰める、窓から伺う義理の妹、立ち止まって観ている男、なんとも不気味な視線たち、男たちは主人公を求めているのだろうか、主人公もまた己の美貌に酔いしれているのだろうか、衣装、部屋の中の色彩、素晴らしいです、結局、薬局の医師と関係は、判らない、そうさ、立ち止まっている男との関係は、夫は何も出来ない、何も理解しない、義理の妹の夫、プールで出会う男、運動が健康と関係が、一人泳ぎ続ける主人公、見つめる男、この男が義理の妹の夫なのだが、プールのシーンでは判明していない、一人ヘッドホーンで音楽を聴き部屋で横になっている主人公、玄関でのノックも聞こえない、義理の母らがやってくる、狂気としか理解しない彼ら、薬局の窓から見つめる医師、通りの主人公、義理の妹の視線、相変わらずの現実、それでいて、義理の妹の夫が尋ねる、花束まで持って、義理の妹の嫉妬、この義理の弟はやはり主人公に惹かれているのだろうか、鏡に乱反射する者たち、どこに実態が、揺れる画面同様に、揺らいでいる、実態はどこに、曖昧に、ドラッグに、嵌まり、酒に嵌まり、何かが無いと不安で、この酒浸りで音楽に、薬局の男に誘われて飲まされて、以来、これに安堵を求めて、これもまた曖昧で、根拠は何も無い、立ち止まって観ていた男だろうか、自殺、窓から覗く主人公の視線、通りを棺が運ばれていく、その後を何事も無かったごとくによその人々が通り過ぎる通り、映画がここに在る、映画に出会うとはこのこと、だが、この棺はその死した男の棺だろうか、あの揺れる画面は、主人公ばかりでは無い、皆が同様の揺らぎの中に、暫く揺らぎが消える後半部分、が、しかし、結局ラストにはまた揺らぎの画面で終わっていく、映画自体の揺らぎとして、監督の視線の揺らめきとして、アップ、表情、癒やされる、抱擁も、癒やされる関係も、無い、どこまでも、不安の中に、メロドラマの果てに、俯瞰の通りを歩き去る主人公の姿が焼き付いて、離れない、その姿と、見つめる視線と、共にあるのだ、主人公もまた己で己を観ていないか、あの姿は己だ、私だ、義理の妹だ、男だ、薬局の男だ、私だ、当てなく、どこに、歩き去る、立ってみている、映し出されている、揺れている、誰が、私が、私たちが、

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

薄目して見ゆるものあり昼蛙      伊藤卓也

2016-05-16 05:27:01 | 文学

薄目して見ゆるものあり昼蛙      伊藤卓也

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あをあをと空を残して蝶分れ      大野林火

2016-05-15 06:38:57 | 文学

あをあをと空を残して蝶分れ      大野林火

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一つづつ花の夜明けの花みづき       加藤楸邨

2016-05-14 04:37:32 | 文学

一つづつ花の夜明けの花みづき       加藤楸邨

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜の花の地平や父の肩車       成田千空

2016-05-13 06:09:31 | 文学

菜の花の地平や父の肩車       成田千空

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一二三四五六七八桜貝        角田竹冷

2016-05-12 06:12:11 | 文学

一二三四五六七八桜貝        角田竹冷

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れやすきもののはじめの桜貝       川崎展宏

2016-05-11 06:02:20 | 文学

壊れやすきもののはじめの桜貝       川崎展宏

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜の花の安心できぬ広さかな       小野裕三

2016-05-10 06:06:43 | 文学

菜の花の安心できぬ広さかな       小野裕三

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かたまつて薄き光の菫かな        渡辺水巴

2016-05-09 06:02:46 | 文学

かたまつて薄き光の菫かな        渡辺水巴

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菫程な小さき人に生れたし        夏目漱石

2016-05-08 06:37:44 | 文学

菫程な小さき人に生れたし        夏目漱石

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf