鴨鍋のさめて男のつまらなき
山尾玉藻
娼婦またよきか熟れたる柿食うぶ
夏みかん酸っぱしいまさら純潔など
鈴木しづ子は敗戦直後の十年間に、句集二冊を出して消えた。注目を集めたのは第二句集『指環』(昭和27年1月刊)だったが、その注目の渦のなかで、行方不明が囁かれるようになり、やがてその作品も見られなくなる。鈴木は私と同年で大正8年(1919年)の生れ。(金子兜太「鈴木しづ子の俳句」)
それは、俳人・鈴木しづ子への違和感ではない。彼女を語る「言葉」への違和感だ。何か、一言で言うとキモいのだ。鈴木しづ子を語る男たちの口ぶりが。そこには「美貌の才女」で「娼婦」で「行方不明」になった鈴木しづ子をことさらに「伝説」に仕立て上げようとする 欲望が匂い立っていた。何か、俳句がどうこう以前に、彼女を語る多くの男性が、彼女の存在自身に欲情しているかのようなのだ。で、「欲情しているオッサン」というのは、申し訳ないがこの世でもっとも私が目にしたくないもので、しかし、彼女の資料に目を通せば、それらのオンパレードなのだからうんざりしてしまった。(雨宮処凛「もっとも大きな不幸」)
札幌国際芸術祭
札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。
http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf