chuo1976

心のたねを言の葉として

ガラス器に淡き影ある夏はじめ

2024-05-31 05:24:00 | 俳句

ガラス器に淡き影ある夏はじめ

                                                                                                三吉みどり

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家中が昼寝してをり猫までも

2024-05-30 05:32:11 | 俳句

家中が昼寝してをり猫までも
                           五十嵐播水

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夏場所やもとよりわざのすくひなげ

2024-05-29 05:18:27 | 俳句

夏場所やもとよりわざのすくひなげ
                           久保田万太郎

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水平ら安曇は空に田を植うる

2024-05-28 04:59:12 | 俳句

水平ら安曇は空に田を植うる
                           森 澄雄

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蟻を見るみるみる小さくなる大人

2024-05-27 05:30:01 | 俳句

蟻を見るみるみる小さくなる大人
                           小枝恵美子

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あいつとは先生のこと青き梅

2024-05-25 05:19:50 | 俳句

あいつとは先生のこと青き梅
                           林 宣子

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蕭条と雨の降る夕暮れである    『いのちの初夜』 北條民雄

2024-05-24 05:23:59 | 文学

蕭条と雨の降る夕暮れである。何時の間にか菅笠を被っている。白い着物を着て脚絆をつけて草鞋を履いているのだ。追手は遠くで鯨波をあげている。また近寄って来るらしいのだ。蜜柑の根元にかがんで息を殺す。とたんに頭上でげらげらと笑う声がする。はっと見上げると佐柄木がいる。恐ろしく大きな佐柄木だ。いつもの2倍もあるようだ。樹上から見下ろしている。癩病が治ってばかに美しい貌なのだ。2本の眉毛も逞しく濃い。尾田は思わず自分の眉毛に触ってはっとする。残っている筈の片方も今は無いのだ。驚いて幾度も撫でて見るが、やっぱり無い。つるつるになっているのだ。どっと悲しみが突き出て来てぼろぼろと涙が出る。佐柄木はにたりにたりと笑っている。

「お前はまだ癩病だな。」
樹上から彼は言うのだ。
「佐柄木さんは、もう癩病がお癒りになられたのですか。」
恐る恐る訊いてみる。
「癒ったさ、癩病なんか何時でも癒るね。」
「それでは私も癒りませんか。」
「癒らんね。君は。癒らんね。お気の毒じゃよ。」

 

(『いのちの初夜』 北條民雄)

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麦秋や江戸へ江戸へと象を曳き

2024-05-23 05:19:55 | 俳句

麦秋や江戸へ江戸へと象を曳き
                           高山れおな

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原節子・小津安二郎麦の秋

2024-05-22 05:17:40 | 俳句

原節子・小津安二郎麦の秋
                           吉田汀史

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「聴く力」      茨木のり子

2024-05-21 04:42:01 | 文学

「聴く力」      茨木のり子

 

ひとのこころの湖水
その深浅に
立ちどまり耳澄ます
ということがない

風の音に驚いたり
鳥の声に惚けたり
ひとり耳そばだてる
そんなしぐさからも遠ざかるばかり

小鳥の会話がわかったせいで
古い樹木の難儀を救い
きれいな娘の病気まで直した民話
「聴耳頭巾」をもっていた うからやから

その末裔(すえ)は我がことのみに無我夢中
舌ばかりほの赤くくるくると空転し
どう言いくるめようか
どう圧倒してやろうか

だが
どうして言葉たり得よう
他のものを じっと
受けとめる力がなければ

 

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札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf