chuo1976

心のたねを言の葉として

「キリン」       まど・みちお

2012-05-30 05:35:22 | 文学
          「キリン」       まど・みちお

          キリンを ごらん
          足が あるくよ

          顔

          くびが おしてゆく
          そらの なかの
          顔

          キリンを ごらん
          足が あるくよ
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「今日」    まど・みちお

2012-05-29 05:05:42 | 文学
        「今日」    まど・みちお



        きがつくと今日をむかえている
        そして当たり前顔でその中にいて
        いつのまにかその今日をおくりだしている
        くる日も くる日も

        今日の中にいて思うのは
        明日のこと昨日のことだが
        その明日にも昨日にも出会うことはない
        出会えないからこそ思うのだろうか

        たしかにあるのは今日だけなのか
        今日こそ昨日であり明日でもあるのか
        今日こそ生きてさわれる全部なのか
        今日こそこれしかない一生なのだ
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「サーカス」   中原中也

2012-05-28 04:32:16 | 文学
「サーカス」   中原中也


幾時代かがありまして
茶色い戦争がありました

幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
今夜此処でのひと盛り
今夜此処でのひと盛り

サーカス小屋は高い梁
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒さかさに手を垂れて
汚れた木綿の屋根のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

それの近くの白い灯が
安値やすいリボンと息を吐き

観客様はみな鰯
咽喉のんどが鳴ります牡蠣殻かきがらと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん


屋外やがいは真ッ暗 暗くらの暗くら
夜は劫々こうこうと更けまする
落下傘奴らっかがさめのノスタルジアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
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「紐と わゴムと」  まど・みちお

2012-05-27 05:08:30 | 文学
「紐と わゴムと」    まど・みちお



紙でつつんで紐をかけ

「ぎゅっと」しばる

ほどのこともないときには

わゴムを「ぱちっと」かける


そんなささいな出番でも

わゴムはほんきで受けとめ

「ぱちっと」いらい一しゅんの休みなく

紙づつみをしばりつづけている


紐の方は「ぎゅっと」いらい

「ぎゅっと」の形に眠りこけているが

「ぱちっと」なみにすぐにほどけはしない

いざとなれば「ぎゅっと」力を出す


わゴムのりちぎなはりきりぶり

紐の自信たっぷりなのほほんぶり

ぼくはどっちも好きだ

そんな自分流のそのままが
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「一年生になったら」 まど・みちお

2012-05-26 03:44:37 | 文学
「一年生になったら」 まど・みちお



一年生になったら
一年生になったら
ともだち100人 できるかな
100人で 食べたいな
富士山の上で おにぎりを
パックン パックン パックンと

一年生になったら
一年生になったら
ともだち100人 できるかな
100人で かけたいな
日本中を ひとまわり
ドッシン ドッシン ドッシンと

一年生になったら
一年生になったら
ともだち100人 できるかな
100人で 笑いたい
世界中を ふるわせて
ワッハハ ワッハハ ワッハッハ

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「地球の用事」     まど・みちお

2012-05-25 05:33:53 | 文学
 「地球の用事」     まど・みちお




  ビーズつなぎの 手から おちた
  赤い ビーズ

  指さきから ひざへ
  ひざから ざぶとんへ
  ざぶとんから たたみへ

  ひくい ほうへ
  ひくい ほうへ
  かけて いって
  
  たたみの すみの こげあなに
  はいって とまった

  いわれた とおりの 道を
  ちゃんと かけて
  いわれた とおりの ところへ
  ちゃんと 来ました
  と いうように
  いま あんしんした 顔で
  光って いる

 
 ああ こんなに 小さな
 ちびちゃんを 
 ここまで 走らせた
 地球の 用事は
 なんだったのだろう
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「よかったなあ」    まど・みちお

2012-05-24 05:43:28 | 文学
「よかったなあ」    まど・みちお


よかったなあ 草や木が

ぼくらの まわりに いてくれて

目のさめる みどりの葉っぱ

美しいものの代表 花

かぐわしい実



よかったなあ 草や木が

何おく 何ちょう

もっと数かぎりなく いてくれて

どの ひとつひとつも

みんな めいめいに違っていてくれて



よかったなあ 草や木が

どんなところにも いてくれて

鳥や けものや 虫や 人

何が訪ねるのをでも

そこに動かないで 待っていてくれて



ああ よかったなあ 草や木がいつも

雨に洗われ

風にみがかれ

太陽にかがやいて きらきらと
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「どうしてだろうと」     まど・みちお

2012-05-22 04:05:14 | 文学
 「どうしてだろうと」     まど・みちお



どうしてだろうと
おもうことがある

なんまん なんおくねん
こんなに すきとおる
ひのひかりの なかに いきてきて
こんなに すきとおる
くうきを  すいつづけてきて
こんなに すきとおる
みずを のみつづけてきて

わたしたちは
そして わたしたちの することは
どうして
すきとおっては こないのだろうと・・・
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「リンゴ」     まど・みちお

2012-05-21 05:58:12 | 文学
「リンゴ」     まど・みちお




リンゴを ひとつ
ここに おくと

リンゴの
この 大きさは
この リンゴだけで
いっぱいだ

リンゴが ひとつ
ここに ある
ほかには 
なんにも ない

ああ ここで
あることと
ないことが
まぶしいように
ぴったりだ
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大阪「子どもの家」 補助削減

2012-05-20 03:36:45 | 教育
しんどい家庭事情「行き場ここしか」

子の最後の「家」風前

 親の育児放棄、経済苦、障害-。生きる困難を抱えた子どもの最後のセーフティーネットになってきた、大阪市内に点在する「子どもの家」が廃止の危機にある。市が無料で開いてきたが、橋下徹市長の指示を受け、補助金を大幅に滅らす方針を打ち出したためだ。 「ここがなけれは生きてこられなかった」という子らの行き場はどこにあるのか。

無料預かり大阪市補助削減

「必要性知って」署名開始




 91人が登録する最大規模の「こどもの里」は日雇い労働者の街、西成区の釜ケ崎にある。

 黄金週間まっただ中の4月30日、館内は約50人の子でいっばいだった。床でごろごろ寝転ぶ子、遊び相手を探す子、けんかする子。連休中も親は仕事や病気で面倒を見られず、この居場所に集まってきた。

 43人の家庭が生活保護世帯。日誌には「父、逮捕」「母、統合失調症」などの記述もある。荘保共子館長(65)は「この街の子どもに必要なことをやってきた」。先月も女子高校生が「母がまた薬を大量に飲んで病院に運はれた」と午後8時過ぎにやってきた。ぎりぎりまでガマンして最後にかけこんでくる子たち。追い返したら、行き場はもうない。

 職員のだれかが常に待機し、24時間態勢で子どもの相談に耳を傾ける。原則夜7時までだが、時には深夜まで預かり、タ食も用意する。家に戻れない事情があれば宿泊も可能だ。土日も祝日も開いている。年間経費は約1170万円。大半を市の補助金約800万円が支えてきた。約780万円が常勤職員2人とパートの人件費に消える。

■ ■ ■

「こういう場を必要とする子がいることを、どうすれは偉い人に分かってもらえるのか」。同じ西成区の「山王こどもセンタ一」に通う女子高校生(17)は、存続を求めて橋下市長に手紙を書き始めた。

 幼いころ両親が離婚。母は病気で失職し、パチンコと買い物の依存症になり、食事も用意しなくなった。高校生はいま、自らと似た境遇の子と遅くまでセンターで過ごし、ボランティアとして支える側にいる。 「ここで育ててもらった子は、皆そうやってセンターを支えてきた。その思いをわかってほしいんです」 生野区の「じゃがいも子どもの家」は、利用者の半数が障害のある中高生。地域で自立して生きていけるよう指導員と他の子どもたちが支援する。10年前から通う自閉症の高校生の母(48)は「地域で生きていくすべは全部ここで教わった」。

■ ■ ■

 高度成長期に多くの労働者が集まった大阪では、親だけでは育てられない子を地域で育てようと、地元の人たちが預かり保育を行ってきた歴史がある。

 そこに23年前、大阪市が補助金を出したのが「子どもの家」事業。約2千人が通う市内28力所の「家」への年間補助額は1億2400万円。市は補助額の低い学童保育事業と統合することで、再来年度から6700万円を削減する計画だ。

 学童保育に統合されると、現在2人いる常勤職員は1人しか雇えず、午後8時以降の利用や食事の提供は難しくなる。18歳ま受け入れているが、中高生は断らざるを得ない。保護者からは月2万円の保育料を取ることになるが、おやつ代の支払いが滞る家庭も多い中、厳しい金額だ。

 「子どもの家」の中でもしんどい背景を持つ子を多く受け入れているこどもの里、山王、じゃがいもなどの5施設が14日、合同で事業の存続を求める署名を集め始めた。30日までに1万筆を目標に集め、市議会議長に提出する。こどもの里の荘保館長は「学童保育の枠内では支えられない子が現実にいることに目を向けて欲しい」と訴えている。

(金成隆一、阿久沢悦子)

安全網 市は考慮を

大阪の子育て支援策を調査研究している広島県立広島大の松宮透高(ゆきたか)講師(社会福祉)の話

しんどさを抱えた子が必要としている支援は、行政の制度に合わせて「障害」「貧困」などと区分けできるものではない。多様な問題を抱えた子が支え合う居場所をなくせば、子どもたちは「社会から排除された」と感じ、必要は助けも求められなくなろだろう。子どもにとって最後のセーフティーネット。その意義を大阪市はもっと考えてほしい。

大阪市の放課後事業

「子どもの家」(28力所、無料)のほか、共働き家庭の小学校低学年の子を午後7時まで預かる民間の「学童保育所」(105力所、月2万円)と、空き教室で午後6時まで児童を預かる市営の「児重いきいき放課後事業」(298力所、無料)がある。財政難の市は「学童保育」と「子どもの家」はいずれも留守家庭の児童が通っており事業が重複するとして、学童保育に一本化し、「子どもの家」への補助金を半減する方針。貧困や障害などの問題には生活保護や障害児のデイケア利用など、既存の医療・福祉制度で対応する、としている。

2012年5月17日 朝日新聞 大阪版 朝刊 14版 第31面
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札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf