画像は「KHS Video」より
北朝鮮の金正男氏が殺害された事件をめぐって正男氏の息子キム・ハンソル氏を名乗る男性の約40秒間の動画がインターネット上に公開された。この男性は動画で、
「北朝鮮出身のキム・ハンソルです。キム一族の一員です。こちらが私のパスポートです。数日前、私の父が殺害されました。現在、母と妹と一緒にいます。(○○○に)とても感謝しています。早くこの状況が好転することを願っています」
……と語り、パスポートらしき書類を見せているが、その中身は黒く塗りつぶされており詳細は不明。一方、韓国の情報機関はこの男性をキム・ハンソル氏と断定して報道しているが、不可解な点も多い。そもそもハンソル氏が金正男本人が殺害されたことを確認しているのならば、死体を確認しているということになる。ならば、既にDNA鑑定の結果が出ていてもおかしくない頃だが、マレーシア政府は「DNA鑑定に必要な親族のマレーシア入り実現せず、情報錯綜 歯型やほくろで確認検討(※参考:日本経済新聞)」と発表している。
そこでトカナ編集部は、金正男と直接会って話したことがあるというA氏に電話取材した。
「私は金正男氏とは会ったことがありますが、キム・ハンソル氏は見たことがありません。しかしながら、ハンソル氏に会った日本人のことは知っています。彼は某国でハンソル氏とされる男を目撃した際に『報道されている顔とまったく違うので驚いた』と語っていました。その時見た男が本物かどうかは不明ですが、ハンソル氏にも影武者がいるのは間違いありません」(A氏)
では、このYouTube動画もキム・ハンソル氏ではないのか?
「もしも、この動画の男がキム・ハンソル氏であるならば、DNA鑑定の結果が出ていない点が矛盾しています。まだ誰も『あの死体が本人だ』とは断定していませんので、この男に言わせたということになりますね。これは、誰かが無理矢理『金正男は確かに死んだ』ことにしたいからであり、その“誰か”とは、中国と韓国だと私は考えます。また、動画のハンソル氏の表情も不自然です。暗殺から2週間たっているとはいえ、あまりにも明かるい表情に思えますけどね」(A氏)
【中国と韓国が暗殺に関わっていると思われる不審点3】
・そもそも金正男氏の護衛をしていたのは中国であることから、空港で正男氏を1人にしたということは、直接手を加えていなかったとしても中国は「死んでもよい」と判断していたということになる。
・暗殺事件の報道の発信源は、ほぼ韓国の国家情報院で、発生後すぐに「金正男が殺害された」と報じたが、マレーシア側は3日も後に発表。しかも、「北朝鮮国籍の男が死亡」とするにとどまっており、決して「金正男が死亡」とは発表していない。
・中国は、自国に流れる金正男暗殺に関する報道記事を複数削除し、情報統制を図っていたことも明らかになっている。
「中国の習近平政権が金正男氏の殺害を企てた動機があるとすれば、求心力の弱まった習近平が、自国の軍事力を誇示、または北朝鮮への軍事侵攻に踏み切り易くするため、北朝鮮のネガティブ・イメージを広げようとしているの。つまり、北朝鮮への国際的非難を煽ることが目的だと考えます。とはいえ、あの空港で殺された男は本人確認されていない点からも影武者だと思いますので、中国は先に正男氏を殺害しておいて、よりセンセーショナルに事件を煽るために空港で影武者を殺害したのでしょう」
■やはりキム・ハンソル氏の影武者がいた
この動画のキム・ハンソル氏がニセモノだとしたら、これまで報じられてきたハンソル氏といわれる画像の中にもニセモノがいる可能性がある。早速画像を集めてみたところ、たしかに、明らかに鼻の形や眉の形などが違うと思われる男が混在していることが明らかになった。何年に撮影されたものかまでは不明なものも多かったが、ここにまとめておこう。特に、右上と左下はほかの写真と比べて別人のように見えるため、成長の一言では片付けられないように見えるのだが……。
さらに、金正恩氏に関する影武者に関しても驚くべき情報が明らかになった。
金正恩氏に影武者がいることは、耳の形が違う写真があることなどからも明らかです。約15~20人の影武者が存在するといわれていますから、キム・ハンソル氏にも影武者が2~3人いてもおかしくありませんね。もしもハンソル氏の影武者がマレーシア入りしたとなれば、DNAの鑑定結果が一致するはずはないので、このまま他の方法で鑑定が進んでいくことになるでしょう」(A氏)
「北朝鮮が日本時間の6日朝、弾道ミサイルを発射しましたが、これは北朝鮮による怒りの意思表示とみていいでしょう。『在日アメリカ軍を攻撃する任務を担う部隊が、弾道ミサイル4発を同時に発射する訓練を行った』とありますが、中国や韓国に向けて撃てば即戦争に発展するのは明らかなため、自制したと考えられます」(A氏)
さまざまな情報が錯綜しているため、真相を突き止めるのにはまだまだ時間がかかりそうだが、影武者大国で“本人”を特定するのは何よりも困難を極めそうだ。
動画はYouTubeより