中国の習近平国家主席は16日、北京の人民大会堂でサウジアラビアのサルマン国王と会談し、両首脳は「全面的戦略パートナーシップ」を推進することで一致した。会談後、両国はエネルギーや宇宙開発分野など総額650億ドル(約7兆3400億円)のプロジェクトを含む協定・覚書に署名した。

 中国にとって中東は現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の要衝であり、サウジは原油の重要な輸入先だ。中国は「内政不干渉」を掲げてサウジとイランの敵対への深入りを避けつつ、世界第2位の経済規模を利用して両国への影響力拡大を図っている。

 中国外務省によると、習氏は会談で「中国はサウジの信頼できる安定した原油の輸出市場だ。双方はエネルギー分野で協力の枠組みをつくりあげ、通信や宇宙などの分野で協力を深めるべきだ」と強調。サルマン氏は「経済貿易や投資、金融、エネルギー分野での協力をさらに深化させたい」と述べた。

 習氏は昨年1月に中東を歴訪し、サルマン氏との会談では「一帯一路」をめぐる協力やエネルギーなどの分野での関係強化を確認していた。