深海に天然の電気 沖縄トラフの熱水噴出孔で発電現象 生命誕生の起源か?
九州から南西諸島の沖に連なる沖縄トラフで、海底から熱水が吹き出す「熱水噴出孔」周辺に電流が発生する現象を、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と理化学研究所の共同グループが発見した。深海の熱水噴出域が巨大な天然の燃料電池として機能していることを意味し、生命誕生にも関わっている可能性を秘めている。
JAMSTECの海底資源研究開発センターの山本正浩研究員と理研環境資源科学研究センターのグループは、沖縄本島から北西200キロ付近の伊平屋北フィールドの深海を調査した。
九州の西側から台湾まで弧を描くように伸びる長さ1000キロほどの沖縄トラフは、ユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込んでできた窪地で、東シナ海で最も深い地形だ。
ここには数多くの熱水活動域が点在し、海底の噴出孔から放出される熱水が化学変化を起こして、電気を通す導電性の高い硫化鉱物を形成していることがこれまでの調査で明らかにされている。
グループが現場で計測した電気化学データと持ち帰った鉱物サンプルを分析した結果、熱水に含まれる硫化水素と、鉄や銅などの金属イオンが海水中に噴出する過程で、海底に沈殿した硫化鉱物と反応して電流が発生していることを突き止めた。言い換えれば、熱水が噴出している海底に沈殿した硫化鉱物全域が巨大な“天然の発電所”としての可能性を秘めているという。
研究グループは、深海の発電現象が微生物の生態系に影響を及ぼしていると指摘し、電気エネルギーを利用する微生物の存在を発見することで、地球に生命が誕生した謎を解明できるかもしれないと考えている。さらに熱水噴出孔の発電が、地球外生物探査の有効な手段のひとつになると期待を寄せている。
南極にある「血の滝」は、水が赤い色をしていることからその名がついた。だが実際は、誰かが流した血のせいで赤くなっているわけではない。
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かつては、この色をつくり出しているのは赤い藻類であると考えられていた。しかし学術誌「Journal of Glaciology」に発表された最新の論文によると、レーダーを用いて氷の層をスキャンすることによって、本当の原因が解明されたという。
この発見は、ナショナル ジオグラフィックのエマージング・エクスプローラーでもあるエリン・ペティット氏を含む研究チームによってもたらされた。
南極のマクマードドライバレーに位置する血の滝は、テイラー氷河から流れ落ちており、その水は氷河の表面に走る亀裂からもふつふつと湧き出している。この水がなぜ流れることができるのかは、これまで謎とされてきた。なぜなら、一帯の平均気温はマイナス17℃であり、また氷河の表面にはほとんど融解が見られないからだ。
氷河の下をスキャンした画像が、この謎を解くヒントとなった。氷河の下には、川と湖の複雑なネットワークが存在する。そのネットワークは全体が鉄分の高い塩水で満たされており、これが滝を赤く染める原因となっている。
論文は、塩水が凍結せずに流れている理由は、塩水の性質から説明できるとしている。「氷河の内部やその下の環境では、水が氷になるときに発生する熱(潜熱)と、高い塩分含有量とが組み合わさることによって、塩水が液状に保たれる」
氷河の下にある湖の水は、異常なほど塩分が高い。塩水は純水よりも凝固点が低く、また凍結するときに熱を放出するために周囲の氷を解かし、それによって水が流れることができる。
つまり、テイラー氷河は流水を維持する仕組みを有しており、また流水を内包する世界で最も冷たい氷河であるということになる。ただし、流水に含まれる鉄分が極めて高いために、滝が血のように赤く染まってしまうというわけだ。
加えて同研究では、ここを流れる「鉄分の高い塩水」の量も計測しており、その量は滝に近づくにつれて増加することがわかった。
また、水温と塩水の濃度の間には関連があることも判明している。氷河に走る大小さまざまな亀裂を通じて、塩水は氷河に流れ込む。そして塩水が凍結し始めると、そこで発生する凝固潜熱によって周囲の氷が温められると同時に、亀裂中央の塩水の濃度が上昇する。
福地桃子“哀川翔の娘”から本格デビュー 怒った顔は父親似
俳優・哀川翔(55)の次女、福地桃子(19)が、本格デビューすることが1日、分かった。10日放送のフジテレビ系バラエティー「良かれと思って!」(水曜、後10・00)で親子共演するなど、すでに5本以上の番組が決定。女優の新垣結衣(28)に憧れ同じ事務所に所属した“Vシネマの帝王”の末っ子が、ベールを脱ぐ。ガッキーのように愛される女優を目指し、デイリースポーツの取材に「(2世タレントの)肩書きを超せるように、一生懸命目の前のことをやっていきたい」と意気込んだ。
笑顔の似合う、朗らかな雰囲気。硬派なイメージの父とのギャップを感じるが、福地いわく「以前、スタッフさんに『怒った顔が翔さんに似てるね』と言われました」。帝王の“最恐遺伝子”は確実に受け継がれている。
5人兄妹の末っ子。3歳のころから父の仕事場に同行していた。「お父さんは血まみれだったり、入れ墨をしていたり。でも、3歳だったので『楽しそ~』って」と、あっけらかん。小学6年生まで、生きた演技を最前線で目に焼き付けてきた。
芸能界入りのきっかけは2014年放送のドラマ「借王」での親子共演。父の主演作に娘役で出演した。演技経験もない素人だったが、本当の親子だからこそ出せる雰囲気を期待され、話が舞い込んだ。カメラの前で対峙(たいじ)した父は「今まで見てきた姿と違った」とまぶしく映った。チョイ役だったが、父から「ナチュラルでよかったんじゃない?」とお褒めの言葉ももらったという。
次第に演技への思いが膨らみ、昨年2月には、憧れのガッキーと同じ事務所に所属。「一人立ちじゃないですけど、そういう覚悟を持って」と決意し、父と違う事務所を選んだ。哀川も「好きなようにやりなさい」と背中を押してくれたという。
10日以降、バラエティー出演が続くが、目標はあくまでも女優。「カメレオンのような女優さんになりたい」。“哀川翔の娘”から脱皮する日を目指し、女優道をまい進する。
哀川家の教えは「ウソをつくな」「落ちてるゴミは拾え」。そして「好きなようにやりなさい」だという。「お父さんは、とりあえずやってみて何かあったときに考えればいいじゃん、というスタンス。(自分に)興味ないんじゃないかなって思う」と笑う。
幼少期、近所のお祭りでゴミを捨てている若者がいた。哀川が「捨てちゃダメだよ」と注意すると、「憧れの目になって、その後もゾロゾロ付いてきた」というエピソードも。
好きな男性のタイプは「(優しい)性格が顔に出てる人」。お父さんでは?と聞くと「違います」と即答だった。