<大分・地割れ>地下の地滑り誘因か 避難勧告の長期化も
調査にあたった国立研究開発法人土木研究所の藤平大(まさる)上席研究員によると、同地区で12日に雨が約100ミリ降り、地下水位が上がって地下の地滑りが起きやすくなったことが誘因と推測されるという。
ひび割れが発見された範囲には棚田が広がっており、棚田には山林に降った雨の一部をためる治水効果があるともいわれる。しかし今回、地割れができたことで水が地下に浸透したり、梅雨で雨が増えたりすれば、地下水の水位が上がる可能性があり、警戒を続ける必要があるという。
今後、ボーリング調査などで地下の状態が分かれば、応急工事で地下水を抜き、地下水位を下げて滑りを抑える対策が可能という。川野文敏市長は「解決できる方法を県などと連携して考えていく。地元住民の要望も聞いていく」と述べた。
市は同地区の地割れが発見された場所を中心に警戒区域を設け、9世帯17人に避難勧告を出している。