カビが生えたら、カビていない部分も食べてはいけない
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食べものに少しくらいカビが生えても、全体が覆われているわけでなければ、そこ以外は食べられそうです。それが妥当な選択肢に思えますよね? でも実は、たとえばパンのように、目に見えない部分にもカビが隠れている可能性があるので、食べるべきでないものがたくさんあるそうなのです。
パンは、カビのない部分なら大丈夫に見えます。カビの見える部分だけ除いて食べればなんら支障はなさそうです。しかし、カビは真菌類の一種なので、肉眼には見えない菌糸を網の目状に伸ばしています。つまり、目に見えない深部にまで広がっているということです。それでも、たとえば大きなパン一斤の片端だけにカビがある場合、その反対側なら食べられますが、付近のスライスには広がっている可能性があります。その他の食品に関しては、別の要因も関係してきます。
ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)が、米国農務省の技術情報専門官Marianne Gravely氏の説明を取り上げています。
柔らかい果物や、ハムなどの加工肉、ジャムも、カビが生えたらすぐに破棄すべきだそうです。しかし、食べものを捨てるのがどうしても惜しい人に朗報です。硬いものなら、カビが生えても取り除けば食べられるとのことです。硬いチーズ、サラミ、ニンジン、ピーマン、キャベツなどは表面が固く、カビが内部に菌糸を伸ばしにくいため、表面に付着したカビが内部まで広がる前にその箇所を取り除けば大丈夫なのです。その際は、清潔な包丁で、目に見えるカビから、一辺につき2.5cmほど大きめに切り取りましょう。
正直なところ、調理済み食品、ヨーグルト、柔らかい果物、パン、食パン、瓶詰め食品など、大半のものは、カビが生えたら廃棄すべきです。カビアレルギーの人は、胞子を吸い込んでしまう危険があるので、どんな場合でも避けるのが賢明です。