What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

中山星香 妖精国の騎士 最終回によせて

2006年10月26日 18時07分59秒 | 漫画
 ペンタ様に教えて頂くまで、ちっとも知りませんでした。

 だって、先月号でようやく宿敵であるグラーン王を倒したばっかりなんですよ?これでようやく戦争終結に向けての動きと、それから・・・と思っていたら、今月号のプリンセスGOLDが「最終回」でした・・・あんぐり。


>「不思議月の庭」様 http://blog.goo.ne.jp/rireisdiary/d/20061017
 10月17日のブログから、引用させて頂きます。

 中山星香先生の所のHPに行ったら・・・

 最終回で描き足りなかった分のエピソードを、年明けから読みきりの後日編を描くことが決定したそうです( ̄ー ̄)v ブイ!
最終回とはいえ主人公たちのその後を知りたかったんですもの。
「ローゼリィとアーサーの旅立ち編」
「残されたローラント王達のその後」
「冥府と仙境」
「光の剣と光源」
がテーマらしいですが、一番興味があるのはやっぱり「残されたローラント王達のその後」でしょうな。

ローラントの妻は誰なのよってな感じで(笑

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 この情報を知って、とりあえずほっとした、と言うのが正直な気持ちです。
作品として、あの終わり方ではあんまりでしたから。長年コミックを読んでおいでの方ならお判りと思いますが、発売されるコミックでは、ちゃんと補完補足された作品が読めるから大丈夫、そう思われたのではありませんか?本来なら、最終話の残り3Pが50Pであってもおかしくない、大長編の最終話ですよ、何かがあったのだろうと思いました。

 とりあえず、私の中では以上の外伝を読み終わってから、妖精国・最終回の感想を言いたいと思うので、今、強く感じている事を書きます。

 「なんでこんな終わり方になったんだろう?」

 たぶん、雑誌を読まれた読者のだれもが感じた疑問だと思うのですが、ネット検索していく中で、少し様子が見えて来ました。中山さんが長年されてきた、この「コミックでの補完補足」に加えて「文庫化」が、近年では相当困難な事なっていたようです。

 以下、引用が二つ続きます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

>商業では限界ちかい

 これは著者の先生もコメントされていますが、
雑誌に入稿される原稿をコミックスにされるときに手直しをされる。
そして文庫版にされるときにさらに細部に手直しをされる。
そういった通常の作品では考えられない手間ひまかけて創られています。
そのためにいくつもの連載を掛け持ちするのと同じような状態に
なっておられるわけで、それも手直しの経費は持ち出しであるそうです。
出来はもちろん文庫版が完成形と先生が自信をもたれているので、
まとめ読みの方は紙の質もいい文庫版をお勧めします。


>「ムーアにおまかせ!~あなたの知らないちょー大長編の世界」様  http://sekichiku.freehosting.net/dalan_01012.htm

 ヒロインの復活以降の展開については『歌姫-カンタービレ-』の巻末付録で作者自身が釈明している。これによると、当初の構想では、

「ほんとはローゼリィが死んだあと、戦いがどんどん進んでいって、どんどん人が死んでいって、もう最高に悲惨なときに彼女を復活させようと思ってたんです。」

…だったのだが、アンケート獲得の為に復活を早めたそうである。
つまり、本来は不在のはずのヒロインを活躍させねばならない為、「秋の部後半~冬の部」の一連のエピソードを無理矢理ひねり出した訳だ。死亡退場のかわりに度重なる拉致監禁による休場、ということだろうか。

*「歌姫ーカンタービレー」篠崎砂美・作(平成五年十一月刊)角川スニーカー文庫。第3巻の付録として、著者と中山星香の対談が収録されている。

*このムーア様のサイトでは、中山さんの作品に対して、真っ向から論じておられますので、批評がだいぶ辛口になっています。それでも大丈夫と思われる方は、最新の最終回感想をどうぞ。

「詳しい話をしてやっても良いが、いかんせん尺が足らん」http://sekichiku.freehosting.net/dalan_01000.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 夢を見続けるには、相応の労力と財力と精神力と体力が消費される訳です。


 私は、この作品が中山星香さんの創作の中で、一番とは思いません。
「花冠の竜の国」こそが、もっとも中山星香さんらしさが出ている、まさに「少女の為の漫画」だと思っています。(なので、この作品の外伝終了後に花冠の最終編が予定されていると知って、純粋に嬉しく思いました。)
 
 あだち充さんなら「タッチ」が、高橋留美子さんの創作の中では「うる星やつら」が最もらしさが出ていて、一番だと思うと書けば、妖精国を未読の方にも判って頂けるでしょうか?

 「確実に読者を集めて、しかも質を落とさない」

 これが雑誌編集をする方、あるいは出版社の方の理想とする作家さん像でしょうね。ただし、何十年もそれが出来るかどうか?それは不可能に近いでしょう。

 ですが、長年の愛読者からすると、なんとか作家さんの望むように、創作を続けさせて欲しかったと思うのです。作家さんと編集部の、そういう関係を期待するのは、もはや収益重視で創刊と廃刊の乱舞する、今の漫画雑誌界では無理なのでしょうか?

 私は中山さんを「看板作家」さんだと、長年思って来ました。なので作品が移られたのを知った段階で、おかしいと感じなければならなかったのです。新人作家さんがどんどん出て、新しいカラーを押そうとするのは、漫画雑誌の生き残りレースの作戦上有効かもしれません。でも、確実に古くからの読者を手離してしまったのは、ほんの僅かな事なんでしょうね。

 なんだか大規模チェーン店が増えて、老舗のお店が消えていくのと、同じ理を見てしまいました。

 

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バトンtoバトン 潤いないの... | トップ | 「初恋はシャア」 ほら!こ... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ペンタ)
2006-10-29 14:43:21
こんにちは。

後日談が出るのですね。

そうでなきゃ、あっさり、さっぱりの最終回に不満いっぱいでしたよ。

「はるかなる光の国へ」で何となくその後が分かっているとは言え、あまりにもサラリと。

まあ、ページ数の都合があったのかもしれませんけど。

「花冠~」も途中までしか読んでいませんが、今後最終編が出るというのでしたら、大人げなく立ち読みしてしまいます!

ほら、何と言っても初恋ですから~~。
返信する
初恋ですよね (すず)
2006-10-29 20:23:47
 花冠のラストが読めるのは喜ばしいです、なんせ20年以上読んでますからね(笑)子作りが話題になっているところで終わっているので、たぶんそのオチでめでたい終わりかなと思います。
返信する
後に残るは・・・ (フカキー)
2008-08-21 21:42:37
始めまして、中山先生ファンの一人です。
かれこれもう、2児の母となる40代であります。
月間プリンセスは、「娘に頼まれた?」と思わせる程、高校生から購読していて、
特に中山先生は、お兄さんのかえるさんともども、命懸けと言えるほど大好きであります。

最後まで続けてプリンセスで読みたかったですよね。
新人優先なのかな、と焦ったものです。
残る「王家の・・」と「エロイカ・・」もなくなったらプリンセスじゃないよ!
なんて淋しい思いが強いので、青池先生に申し訳無い事ですが、落ち着いて読めない気分なんです。
皆さん。どうでしょう。

先週、「花冠の」の世代交代編を書店で見まして、涙も出んばかりに購入したんです。
リズに会いたい!
なんかもう~病気なんやないかと思うくらいうううずしますよ。
返信する
ようこそお越し下さいました♪ (すず)
2008-08-22 09:21:39
>フカキー様

 初めまして、こんにちは!コメントありがとうございました。

中山星香さんの熱狂的ファンの方とお話出来て嬉しいです♪私もフカキー様と同じく、2児の母の40代で、高校時代からのプリンセス愛読者です。プリンセスの作家さんの入れ替わりは寂しい気持ちがしますが、読めなくなるよりは良いかな、という想いが強いです。最近の漫画雑誌の浮き沈みは凄いですからね~。「エロイカ」はともかく「王家」が未完になったら、本気で気を失いますよ(笑)

「花冠」の新世代編は、中山星香さん曰く「花姫」と表するそうです。雑誌連載の感想を拙宅で記事にしてますので、ネタバレOKでしたら、ご覧になって見て下さい。そして萌えコメントを下さると嬉しいです♪


返信する
Unknown (Unknown)
2021-03-09 00:17:52
私は花冠が好きだったのでハッキリ言って妖精国には全く全然興味がありませんでした。
今もです。やたら花冠に比べて長いなぁ、位の感想。それにその頃のプリンセスには他の作品が目当てで読んでいたので、妖精国は眼中に無かった(スミマセン)どういうキャラが出でてどんなストーリーなのか全く知りません。花冠だけです、好きなのは。
返信する
Unknown (Unknown)
2021-03-09 00:27:32
そうか、リズも二児の母になったんだなぁ…
エスターも相変わらず忙しそうですが全く平気みたい。やっぱ人間じゃない、この人(笑)
すっかり王子妃らしくなって髪も凄く伸びましたね。素敵になったな、リズ。
エスターは年取って無いみたい!全然変わらず褒める言葉が無い(笑)またリズとエスターのハチャメチャ冒険が読みたいなぁと思ってしまうのは私だけかな?(笑)この二人は永遠のファンタジーカップルですから‼️✨
返信する

コメントを投稿

漫画」カテゴリの最新記事