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実行へのヒント-784

2022年09月04日 | Weblog


身の丈・三段ロケット方式

写真はアメリカで1940年に発行され、今もなお読み継がれているアイディア創出に関する本だ。
本文はたった52ページ。
中にこのような記述がある。

~南太平洋の海に突然島が出現するという物語にロマンスが付与しているというあの神秘性を、アイディアというものも幾分持っていると私は思ってきた。
(中略)

しかし、南海の環礁は無数の目に見えない珊瑚虫の海中におけるしわざであるということを科学者たちは知っている。
そこで私は考えた。
アイディアだってこれと同じことではないだろうか。
それは、私たちの意識下で進行するアイディア形式の、長い、目に見えない一連の心理過程の最終の結実にほかならないのではないだろうか。
(後略)

そして著者のジェームス・W・ヤングはアイディア創出に関して5つのステップを示している。
それらは、

① 資料集め
② 資料の咀嚼
③ 組み合わせ(新結合)
④ ユーレカ!(わかった!)の瞬間
⑤ 現実への適応

つまり、にわかに新しいアイディアが空から降ってくることはないという意味である。
さて、これらを含む本の内容を、定年を迎えた人の身の丈起業に引きつければ次のようになる。

定年後の成功を我が物とするには次の3つの段階で考えてみたらどうか。
これを仮に、身の丈・三段ロケット方式と名付けてみよう。

第一弾 1)社会経験を積み、会社の仕組みと社会のルールを知る期間(基礎固め。修業時代)
第二弾 2)自分の専門性を磨き、さらに経験を重ねて社会に役立つ時期(専門性と有用性)
第三段 3)新しい仕事(身の丈起業)

よくある定年後の喪失感は、すべてを過去のものにしてしまった感覚だが、それは現実ではない。
段階の1と2は確かに自分のものになっているのだから、この上に珊瑚礁の島(見える部分)を乗せるだけでよいのだ。
それは
・過去の仕事を直線的に延長したもの
・過去の仕事の関連であるもの
・全く新しい仕事だが、かねてから興味を抱いてきたもの
などであろう。
あとはゆっくり過ごしたいのか、元気なうちは働くのか、自分の判断である。

新しい分野の成功も1回や2回でビンゴのように当たるわけではない。
ちゃんと時間軸を持った努力のたまものだ、と本はアイディア創出に例をとって述べている。
つまり身の丈・三段ロケット方式は理にかなった現実的ノウハウである。

特記すべきは次の3点であろう。

1- もはや仕事をせよ、と命令する上司はいない。
2- 結果だけでなく、チョンボや失敗を含むすべてのプロセスを楽しむ事ができる。
3- あなたは何らかの点で毎日成長している。

そして働くのだから大なり小なり収入はある。
が、最も大事な点は心の満足感の方である。
それをクールだ!とはだれも言わない。
だが、自発的な行動にこそ我々の生命が宿り、今日も息づいているのである。


 

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