反抗期・・・今となっては懐かしい言葉です。
子どもから大人に成長していく過程で、
いろんなコトが思うように行かなくて、
自分にイラついたり、家族にイラついたり・・・
誰もが通過する人生の登竜門ですね。
さて、NHKの「あさイチ」でこんな特集をしていました:
(2022.5.9放送)
まあ、専門家が登場していろいろレクチャーするパターンと思いきや、
さにあらず。
なんと現役反抗期世代の子どもたちが出演し、
しかもその子どもたちは皆、俳優・役者さんで、
自分で初めてシナリオを書いて、
自分が家族に反抗しているシーンを演じる、
という画期的な試みがなされていてビックリしました。
出演者達は
・反抗ありグループ
・反抗なしグループ
・反抗ありかなしか分からないグループ
からなり、それぞれが自分を演じ、途中からはアドリブで演技します。
興味深いのは、本人が納得いかない場合は何度も繰り返すこと。
彼・彼女らはまずふだんのパターンを演じ、
イヤこれではダメだろうと別のパターンに挑戦し、
すると思ってもみなかった言葉が自分の口から出てきて展開するという発見を経験したのでした。
いや〜、これって高度なカウンセリングですね。
専門家を呼ばずにここまでやってしまうNHKはすごい!
私は何パターンも演技を見ながら、
彼・彼女らの心の底に共通して存在しているのは、
「承認欲求」
ではあるまいか、と感じました。
子ども扱いしてルールでがんじがらめに縛らないで、
一人の人間として認めて欲しい、
一人の人間として信頼して欲しい、
という願い。
しかし現実には感情的になり、親子はすれ違う毎日。
やはりコミュニケーションがないと解決には至りません。
それもただ話をするのではなく、スキルが必要と感じます。
ここがハードルになっているのですね。
昔読んだ思春期関連の本には、
「子どもに思春期の嵐が来たら、
親は“ドスコイ”とどっしり構えて受け止めなさい」
と書いてありました。
不登校経験者&不登校新聞編集長は、子どもが、
「学校へ行きたくない」
と言ったときは、取り乱すことなく、
「よし、わかった」
と一言だけ言えばよし。
あとは悠然と構えるべし、と話していました。
親の子離れが必要ということなのでしょう。
さて、私自身はというと・・・
アラ還になった今でも“反抗期”かもしれません。
私は生来の負けず嫌いの性格とそこそこの資質があったため、
勉強・運動にそれなりの成績を残す、
いわゆる“優等生”でした。
ところが、成績を残すとそれを維持し、さらに発展させることを、
親から期待されることに気づきました。
途中から苦しくなり、
でも成績が出ると自分のそれなりにうれしいので、
この“楽苦しい”(楽しいけど苦しい、苦しいけど楽しいこともある)生活は、
今でも延々と続けています。
時代的に私の親たちは、
第二次世界大戦で青春期を奪われ、
夢も諦めざるをえなかった世代なので、
自分の子どもたちにそれを託す傾向が大なり小なりありました。
私は親の希望で理系に進みましたが、
今になって思うと文系の方が向いていると感じます。
自分の子どもたちは二人とも文系に進学しましたし。
楽苦しい生活は、
自分の性格由来が半分、
親からの無言のプレッシャーが半分、
という感じ。
だから反抗期なのか自分の性格なのか、よく分からなくなっています。
多分、死ぬまでこのポリシーが続くのでしょう。