さて、“毒親”に引きつづき、
“思春期”を扱った記事を紹介します。
私は思春期という単語から、
・自分の思春期
・自分の子どもの思春期
の両方を想像してしまいます。
さて、思春期の子どもに対する“正しい”接し方なんて、
存在するのでしょうか?
そんな疑問を持ちながら読んでみました。
…書いてある内容は一般的な子育てと同じでした。
「子どもの存在を受容・傾聴し、
安心する場所を用意し、
自由を与える」
というシンプルなスタンスに尽きるようです。
<ポイント>
・思春期は不安定な時期であり、心の内に葛藤を抱え、仲間から認められたいと願い、アイデンティティを形成しようとする年ごろ。
・無条件で頼ることができる周囲の支えが不可欠になる。
・10代の子どもが、いつになく不機嫌に見え、以前より距離を取ろうとし、親と対立することも増えるかもしれない。
・親の影響力が衰えてきているというよりは、ティーンエイジャーの子どもの世界が広がっていると捉えるべきである。
・子どもの変化を心から喜び、受け入れよう。思春期の子どもを、ありのままで受け入れよう。子どもの自主性を尊重しよう。
・助けが必要なときはいつでもそばにいることを伝えつつ、けれども、子どもが自力でさまざまなことを乗り超えていけるような自由を提供しよう。
・何よりも重要なのは、子どもが、助けが必要なときには親に相談できる、と感じられるような環境をつくること。
■「思春期の子ども」との正しい接し方、専門家からのアドバイス
Mark Travers | Contributor
(2024.06.29:Forbes Jpapn)より一部抜粋(下線は私が引きました);
子どもが10代になったとき、多くの親は、わが子とのつながりが絶たれてしまったように感じて、こんなふうに嘆くことがある。
・「うちの子の心は、親からどんどん離れていっているようだ。親子関係はもう、以前とは違う」
・「子どもの成長があまりにも速く、関係を維持してついていくのに苦労している」
・「考え方などが食い違っていて、いくら努力しても、その溝を埋められない気がする」
米ミシガン大学ヘルスシステムC.S.モット小児病院が2022年に実施した全米規模の世論調査によると、「思春期のわが子が問題を抱えていると思ったときは声をかける」と答えた親は82%に上る。ところが、「10代のわが子は、問題を抱えたら、親である自分に相談するだろう」と答えた親は4人に1人にとどまった。
思春期は不安定な時期だ。変化が激しく、自分を発見しようとするプロセスで失敗することも多い。心の内に葛藤を抱え、仲間から認められたいと願い、アイデンティティを形成しようとする年ごろだ。だからこそ、無条件で頼ることができる周囲の支えが不可欠になる。思春期の子どもに安心感と帰属意識を与える上では、親の支えはとりわけ重要な役割を果たす。
荒れがちな思春期という時期に、子どもとの確かな結びつきを維持するためには、次の点に留意してほしい。
1. 自主性を尊重する
10代は、人生の新たな側面を見いだし、探っていく時期であるため、親はわが子の心が離れていくような気持ちになるかもしれない。親子の結びつきが絶たれる気がして、不安を覚えることもあるだろう。子どもが新しい人と交流し、友人をつくり、これまでにない体験を積んでいれば、なおのこと不安は募る。
思春期の芽生えと、中学・高校への進学で、人生は新しい段階へと進んでいく。そうした時期に子どもたちは、仲間からのけ者にされたり、決めつけられたりすることを恐れる。それは、自分が世界中から見られているような気がするからだ。こうした、自分の外見や行動が他者から注目されていると過大評価する傾向を、研究者らは「スポットライト効果」と呼んでいる。
人付き合いで危機感を覚えると、幼いころから親が注意深く教育してきた信念や価値観が揺らぐことがある。だからといって、親の影響が衰えてきているというわけではない。青年期心理学などを扱う学術誌のJournal of Youth and Adolescenceで発表された研究論文によれば、親の影響力が衰えてきているというよりは、ティーンエイジャーの子どもの世界が広がっているのだ。
親は、思春期になった子どもに対しても、幼かったころと同じように接しがちだ。だから、子どもが以前と違う態度を見せると、不満を感じることになる。10代の子どもが、いつになく不機嫌に見え、以前より距離を取ろうとし、親と対立することも増えるかもしれない。それまでは問題なかったやり方が、不意に通用しなくなってしまうのだ。
こうしたとき親は、子どもへの接し方を、次のような方法で現状に適応させることができる。
・親の権威を過度に振りかざさない:
成長に伴う子どもの変化を認めることが肝心だ。決めつけず、子どもの変化を心から喜び、受け入れよう。子どもをつなぎとめようとしすぎると、逆効果になりかねない。反抗するようになったり、コミュニケーションがいっさい取れなくなったりする可能性もある。むやみに威圧したり、「ああしろ、こうしろ」と求めたりするのはやめよう。それよりも、友好的な姿勢で子どもを導き、子どもの自主性を尊重する方がいい。
・受け入れ、順応する:
思春期の子どもを、ありのままで受け入れよう。自分の興味関心を広げ、人間として成長しつつある子どもに、親も順応し、個性を尊重し、大事にしよう。押し付けがましい態度をとらず、目の前にいる子どもを尊重するよう心がけよう。助けが必要なときはいつでもそばにいることを伝えつつ、けれども、子どもが自力でさまざまなことを乗り超えていけるような自由を提供しよう。
自主性を尊重し、自ら決断して過ちから学ぶよう励まそう。必要に応じてアドバイスしてもいいが、親の考えを押しつけることは避けよう。
2. 信頼関係を築く
ティーンエイジャーは間違いを犯しがちだし、道を踏み外してしまうこともあるかもしれない。何よりも重要なのは、子どもが、助けが必要なときには親に相談できる、と感じられるような環境をつくることだ。そうした信頼関係は、一貫性があってオープンで、親身なコミュニケーションを通じて築かれる。
では、子どもとの対話の糸口を維持できる方法を紹介しよう。
・好ましい家庭環境を維持する:
家族心理学ジャーナルのJournal of Family Psychologyで2023年に発表されたある研究で明らかになったように、混乱した家庭環境は、家族が健全にコミュニケーションをとる上でふさわしくない。つまり、何かと騒々しく、先が読めず、乱雑で、落ち着いた日常が送れないような家庭環境だ。
・子どもの話に、積極的かつ親身に耳を傾ける:
思春期の子どもが話をしているときは、口をはさんだり、解決策をすぐさま提案したりせず、耳を傾けよう。子どもの感情や体験を受け入れ、肯定し、共感を示そう。思春期の子どもは、何かと誤解されていると感じ、孤立感を抱きがちだ。しかし、親が熱心に話を聞くことで、そうした心の隙間を埋め、共感や肯定を示すことができる。
・対立的ではない姿勢で接する:
子どもが過ちを犯したときは、すぐさま説教をするのではなく、普通の会話の雰囲気を保つようにしよう。イエス・ノーでは答えられない質問をして、話を促すといい。例えば、「宿題は終わった?」と聞くのではなく、「今日、学校でいちばん面白かった授業は何?」といった具合だ。このようにアプローチすると、敵対的にならず、会話に引き込むことができる。
・一緒に何かに取り組み、ともに過ごす時間を増やす:
思春期の子どもは、世代や興味関心の違いから、親とのつながりを感じられないことが多い。スポーツや楽器の演奏、ビデオゲームなど、何でも構わないので、子どもの趣味に心から関心を示そう。そうすれば、子どもの好きなことを親も大切に思っており、尊重していることを示せるし、やり取りがより充実する。
思春期にある子どもとの関係は、信頼を築き、決めつけずに支えることが基本だ。必要なのは、決めつけられる恐れがなく、親を信頼することができる、と子どもに感じてもらうことだ。
親がいつもそばにいて、無条件で自分を支えてくれるとわかっていれば、つらいことがあったときに、きっと助言を求めてくるだろう。
…思春期に子どもが不登校になったとき、
子どもの話に口を挟んではいけない、
「フ〜ン、そうなんだ」
とうなづくだけでいい、
そうすると子どもはたくさん話してくれるようになり、
心も軽くなる…
これは起立性調節障害に関するWEBセミナーで聞いた内容です。