日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「軽井沢ミカド珈琲物語」

2009-08-22 21:15:40 | エッセイ
副題 ーエピソードはアロマがいっぱいー
井上紀明著、文芸社、2003年発行

2009年の夏休み旅行は軽井沢方面。
本棚にあったこの本をボストンバッグに詰め込んで出発しました。

「ミカド珈琲」って聞いたことがありますか?
私はおぼろげに何となく・・・程度でした。
この本を読むと、軽井沢文化の一端を担い、また「食べるコーヒー」としてコーヒーゼリーを開発した店とのこと。
ヒット商品の「モカソフト」はコーヒー味のソフトクリームで、それを舐めながら軽井沢の街を散歩するのが一時流行スタイルとなった・・・などの伝説もあるようです。

著者は長年軽井沢のミカド珈琲店で働いた社員で、本の内容はその間のエピソードをまとめたものです。

モカソフトやコーヒーゼリーの大ヒットの裏話、
近隣のお店とのやりとり、
トイレの苦労話、
著名人の来店(ジョン・レノン&ヨーコ・オノ夫妻、八神純子、小澤征爾、橋本&細川元首相等々)ほか、
思わずニヤッ、クスッとなるエピソードが満載されています。

今回、我が家族は軽井沢プリンス・イーストのコテージに宿泊しました。
ショッピングプラザ・イーストは歩いて数分の距離で、その西隣に「味の街」があり、「ミカド珈琲」(2000年開業の2号店)も軒を連ねています。
子ども達はモカソフトのファンになり、連日頬張っていました。
バイトのお姉さんが高速でソフトクリームを巻く様子に見入っていました。
一口もらいましたが、大人の苦味にまろやかな甘さが加わって至福の味。

私はコーヒー豆を買い求めました。
現在の天皇夫妻(当時はプリンス&プリンセス)別邸に納めた「コンチネンタルブレンド」(現在は「旧軽通りブレンド」)、
5年もののオールドクロップからなる「オールドビーンズ」、
そして品のある酸味が忘れられない「グァテマラ」の3種類。

本の中でコーヒーの入れ方のコツにも触れています。
ベテランカウンターマンの古川浩さんによると・・・

1.よく蒸した後は、お湯を注ぐのではなく、乗せるように、置くようにして淹れていく。
2.粉(コーヒー)を浮かせない、泳がせない。
3.密度のある粉の層には、あまり空間を作らないようにする。つまり、上の層と下の層の粉が入れ替わらないように慎重に丁寧にお湯を乗せる。ポットを上下左右に急激に動かしてお湯を注ぐとコーヒーの刺激味が出てしまう。

フムフム、とにかく少量ずつゆっくり淹れるのですね。
いつも使用している「土井コーヒー」の豆で早速やってみました・・・うん、薫り高くコクが出た感じがします。
ああ、オールドビーンズはどんな味がするのか楽しみです。

来年軽井沢へ行ったら、著者お勧めのコーヒーフロート(ブラックコーヒーにモカソフトが乗った品)を是非食べてみたいものです。



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