日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

いのちドラマチック「ニジマス もっと大きくもっとおいしく」

2012-02-09 22:14:51 | エッセイ
 以前にも取り上げたNHK-BSで放映している番組です。
 司会は劇団ひとりさん、解説は福岡伸一氏(「生物と無生物の間」の著者)。

 毎回、人間が周囲の動物や植物などを人間の都合で改良・変化させてきた事実に驚くのですが・・・今回も例に漏れず。
 というか、ちょっとやり過ぎじゃないの?と引いてしまいました。

番組紹介文
 川や湖に暮らすニジマスは、海で育てると体が大きくなり、味もよくなるとされ、世界各地で養殖が盛んに行われている。また、内陸では、淡水のまま大きくおいしくしようという試みも進んでいる。長野県では、ニジマスの染色体を操作して、子どもをつくらないようにすることで巨大化に成功した。また、味のよいメスしか生まれないようにする工夫もしている。最新の技術で、変幻自在につくりかえられていく、いのちのドラマに迫る。


 マスの体を大きくするポイントは「不妊化」。
 卵を造る/子孫を造るためのエネルギーを封印して、自分の成長に使わせることが目的です。
 そのための遺伝子技術に仰天しました。

 まず、子供を造れないように三倍体の染色体を持つマスを造るという話から始まりました。三倍体とは、人間では「トリソミー」と呼び染色体異常を意味します。
 
 えっ? そんなことをやるの?

 という私の驚きをよそに、話はどんどん進みます。
 その三倍体のメスと交配するのは、オス化したメス。
 魚の雌雄は人間よりあやふやだとは云うものの、雄性ホルモンを振りかけてメスの染色体を持つマスを卵巣ではなく精巣を有するオスに仕立て上げるのです。

 話を聞いていて感心するより気持ち悪くなってきました。
 そんな化け物マス(「トラウトサーモン」という名前で売っているらしい)を食べたくありません。

 「子どもを育てるためのエネルギーを自分のために使う」というフレーズを聞いて、昔読んだ一冊の本思い出しました。
 三砂ちづるさんの「オニババ化する女達」(2004年、光文社)
 ごく簡単に内容紹介すると、女性という性をまっとうしないと、つまり妊娠・出産・子育てを経験しないと、もてあましたエネルギーによりオニババ化するかもしれないので要注意、という内容です。
 そのベースとなる考え方・現象は、似てますね・・・。
 
※ 視聴者によるより詳しい解説を見つけました;
人の生んだトラウトサーモン、マスでありサケであり、オスでありメスである・・・

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