あく巻
鹿児島の伝統的食品に「あく巻」というのがあるのを知った。
積極的にあちこち探しはせず、あれば買おうと決めていたが、
地場の農産品を扱う店ですんなり見つかり、値段も300円なので購入を決める。
あく巻はもち米を竹皮で包み、灰汁(あく)で似たものです。
高温多湿の鹿児島では食品が傷みやすいので、保存性を高めるため、
このような調理法が編み出されたという。
冷蔵庫のない時代だ、先人たちの知恵なんだね。
表面積の大きい包丁よりも糸の方が切りやすいというので、タコ糸で切った。
鹿児島的には黒糖で食べるのが良いのだろうが、無いので三温糖で味わう。
食感はくず餅やわらび餅に近く、味はほとんど無味だが、飲み込んだ後にほんのりと香りがする。
ん? 何だろう、知ってるニオイだ、と考えれば、
このこもった感じは「皮蛋(ピータン)」に似ていることに気付く。
皮蛋のように強烈ではなく、後味がほんのりと香る程度。
あの香りが嫌いじゃなければ、普通に食べられる。
三温糖だけでは少々物足りなく、醤油を加えた砂糖醤油で食べたら、俄然ウマくなった。
皮蛋も製造過程でアルカリ性にするし、
アルカリ性溶液に浸すと、たんぱく質やでんぷん質は黒や褐色に変色するのだろうか?
そしてあのクセのある香りはアルカリ性の作用によるものなのか?
料理もある意味、化学だからなぁ、きっとそうなのかも。