※改訂版を先にアップします。
既にアップした『泡宇宙の蛙』2の1~2の5までの鑑賞を大幅に変更した歌について、
改訂版を1首ずつ載せてゆきます。
この後、本日2回目になる通常の鑑賞を載せます。
改訂版 渡辺松男研究2の4(2017年9月実施)
『泡宇宙の蛙』(1999年)【大雨覆】P24~
参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、A・Y、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取未放
28 呼びかけてかならず寒くなるわれに茜の雲よ鳥消えてゆく
(まとめ)
26番歌(ひかりより繊きおもいというものを鳥は知りつつ天翔るらん)で見たように、「ひかりより繊きおもい」を持った主体、27番歌(鳥と呼びはてしなき空見上ぐればきらきらと神の 花粉は飛べり)の「神」、そういういわゆる〈超越者〉に対して、人間である〈われ〉は鳥たち ほどその恩寵を素直に感受していない。ここで呼びかける対象は何だろうか。直接には「神の花 粉」である鳥かもしれないが、その背景には〈超越者〉がいる。呼びかけても答えてくれない。だから「かならず寒くなる」。そしてそんな〈われ〉を残して鳥たちは美しい茜色の雲の中に消えてゆく。「鳥雲に入る」という春の季語があって「春になって北に去る渡り鳥が、雲に入るように見える」(広辞苑)ということだが、この歌は季語とは関係がないようだ。(鹿取)
既にアップした『泡宇宙の蛙』2の1~2の5までの鑑賞を大幅に変更した歌について、
改訂版を1首ずつ載せてゆきます。
この後、本日2回目になる通常の鑑賞を載せます。
改訂版 渡辺松男研究2の4(2017年9月実施)
『泡宇宙の蛙』(1999年)【大雨覆】P24~
参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、A・Y、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取未放
28 呼びかけてかならず寒くなるわれに茜の雲よ鳥消えてゆく
(まとめ)
26番歌(ひかりより繊きおもいというものを鳥は知りつつ天翔るらん)で見たように、「ひかりより繊きおもい」を持った主体、27番歌(鳥と呼びはてしなき空見上ぐればきらきらと神の 花粉は飛べり)の「神」、そういういわゆる〈超越者〉に対して、人間である〈われ〉は鳥たち ほどその恩寵を素直に感受していない。ここで呼びかける対象は何だろうか。直接には「神の花 粉」である鳥かもしれないが、その背景には〈超越者〉がいる。呼びかけても答えてくれない。だから「かならず寒くなる」。そしてそんな〈われ〉を残して鳥たちは美しい茜色の雲の中に消えてゆく。「鳥雲に入る」という春の季語があって「春になって北に去る渡り鳥が、雲に入るように見える」(広辞苑)ということだが、この歌は季語とは関係がないようだ。(鹿取)
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