De cela

あれからいろいろ、昔のアルバムから新しい発見まで

和田太平伝・プロローグ

2019-08-02 15:01:21 | 私小説

(写真は、神奈川県愛川町田代勝楽寺本堂に明治19年からかけられ続けている和田太平の天然理心流剣道奉納額)

 
令和元年6月19日、町田市フォトギャラリーにて私の通塾している東京写真表現塾第2期生のグループ写真展が開かれた。

私はそこで「ファミリーヒストリー」という題名の30枚群写真を発表した。
我が家の何代か前までの遺品や遺作を写真に表現したものである。
一面、単なるプライベートな記録に過ぎないが、今の世の中、引き継ぐ子孫がいなくなり遺品整理業者の手に渡って大事なレガシーが消えていくのが流れである。
現に我が家も、私まではある程度の遺品・遺作品を保管してきたが恐らく子の代には始末されることになる。
一般人には家系というものも価値を感じない。
そのままでは消えて行ってしまう貴重なレガシーを保存する一つの方法として「写真」を提案したつもりである。
写真が表現作品として評価されたとしてもその作品の裏にある価値を読み取ってもらうのは難しい。
 和田太平伝は今回の群写真のトップに置いた天然理心流和田太平局という大きな剣道奉納額に現れる「和田太平」とは何者かを小説風に描いたものである。
 和田家は800年ほど続いたのではないかと思われる痕跡もあるが150年ほど前にいったん血筋が絶えている。
10~20年の空白を置いて両養子で入籍したのが私の4代前の和田太平である。
その入籍のころの経緯をわずかな事実と言い伝え、筆者の推定とまるきりのフィクションを交えてまとめたものである。
大筋は間違っていないと思う。出てくる人物や地名はご想像に任せるがここでは実在する(した)人名や地名とは無関係であることは申し添えて置く。


この短編私小説本文は明日掲載予定です。