永野シン/木枯や山越えて来し庄内麩

2020-01-03 16:28:21 | インナーポエット

 

 

 

 

 

 

 木枯や山越えて来し庄内麩    永野シン


 麩は京都産が名高い。ことに生麩。精進料理には欠かせない。一般的なのは焼麩。宮城県は油麩である。棒状の麩がなじみ深い。小熊座の同人だった郷古昭雄は確か麩作りを営んでいたはずだ。庄内麩は板麩である。北前船に積み易くしたのが、板麩の始まりと言われている。かつては行商人が正月用にと担いで運んで来たのかも知れない。木枯しに乗って奥羽山脈を越える姿が想像できる。 〈小熊座の好句 2020年1月号より 高野ムツオ主宰選評〉

 

 

 

 

 

 

 


 


コメント (1)    この記事についてブログを書く
« 浪山克彦/海向けばアサギマ... | トップ | 高野ムツオ/白鳥の声に蕩け... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (青萄)
2020-01-03 19:42:01
永野シンさんに「煮凝やどう生きようとあと少し」という句があり、私はこの句に救われたところがあります。そもそも煮凝という季語は湯豆腐よりも渋くて深みがありますし、取り合わした季語の斡旋もすごいと思いました。
俳句は誰にでも簡単に作れますが、己の才をひけらかすために作っていては、いずれ行きづまるでしょう。むろん表現者としては、多少の欲も有りますが、私もどこかの誰かが救われるような句が書けたらいいな、と思うのです。
華やかで賑やかで元気一杯で友人が多くて皆に大切にされて愛情一杯の環境で…ただそうでないところにも真善美がありましょう。
私は鉱物採掘権の及ぶ両足下のみを掘っていこうと考えています。たとえあらゆる国々を旅したとしても、結局どこも自分の中の辺境に過ぎません。観光旅行が可能な人はどんどん出かけて楽しんでくださいませ、経済の活性化になります🙇


返信する

コメントを投稿

インナーポエット」カテゴリの最新記事