いや~立春を過ぎてからのけっこうな雪の洗礼^^; 降り初めてあたりが白く染まると、なにやら嬉しい気分も味わいつつ、ホイホイ雪かきなぞをしてホンの少しの達成感。しかしさらに横殴りに降り続ける雪を見るとなにやら可愛げも失せ、人間とは、勝手なイキモノでございますわね(苦笑)
さて、私淑しております俳人・夏井いつきが、TBS系TV(隔週木曜日)に出演しております番組に、「プレバト!」というのがありまして、ご覧になった方もおられるかもしれませんが。
そこで芸能人やタレントさんに俳句を作らせて、ランク付けをするというものですが、これが夏井いつきの歯に衣着せぬ句評、賛否両論ありましたが、悪口雑言がすぎるとのバッシングもあり、しかしなんとか番組の趣旨も認知され、軌道に(油も?)のり落ち着いて見られるようになって来ましたの~ヤレヤレ (;^_^A アセアセ・・
先週のお題は「節分」。これは冬と春の境の日、季語の所属は「冬・時候」であります。儀式としてある「豆撒」とは別物なのです。混同しがちですが、豆まきは「冬・行事」なのですね。
「プレバト!」で見事な句を出したのが、人気お笑いコンビ「FUJIWARA」のフジモンでした。あの鳩が豆鉄砲を喰らった様な小さい眼をした、風采の上らない男ですが、これがまぁ若い美人系にモテるらしいのですね、意外ですけどもね。
なるほど、男は顔でもなし、財力でもなし、権力でもなし、たぶん内側からにじみ出るプラスαの、ようわからん魅力によるものでしょうか。
そんなこんなでフジモンの句は、いつき組長の毒舌解説講義を受けて、なんと3回目にして秀句を生みました。メモしたわけじゃないのでうろ覚えですが↓こんな感じの句でしたか。
「節分や靴に残りし豆ひとつ」あるいは「節分や靴の中にも豆ひとつ」だったかな?間違ってたらゴメンして~(※訂正 節分の次の日靴に豆ひとつ 藤本)
朝出かける時に靴を履こうとした作者、靴の中に何か違和感が、昨夜の豆まきの豆が一つ靴の中に隠れていましたですね。ああそうだ、昨夜の豆まきは賑やかで楽しかったよなぁ、その余韻に浸る瞬間、ちょっと頬が緩む作者の顔、節分が明けて今日から新しい春が始まるんだよな、朝日の明るさと春を待つ気分が、この一句に見事に描写されていますんですよ。
いつき組長は「この程度の句ならば俳人は普通に作るが・・」と仰っていましたが、「まつやま俳句ポスト」の「兼題・節分」の優秀句を見ても、フジモンの視点で作られた句は見当たらなかったです。俳句は視点と発想が大事。それにつけても、侮れぬよ芸能人は、おバカな振りしても、やはり特別の勘や才能を持った集団なんだ、と改めて思ったものであります。
ちなみに私の節分句もかろうじて選に入ったですが↓たいへん危ういものでありました。「鬼、豆、面、撒く」などの言葉を忌避するあまり、どこか逃げ場を失ったような有り様ですね(汗)来週の木曜日夜も「プレバト!」あります、ぜひ皆さま一度「俳句コーナー」をご覧くだされたし、俳句の簡単な作り方を組長が懇切丁寧に教えてくれますよ~♪
節分や替りばんこの逃げる役 (夏井いつき選 人)
ご注意くださいのコーナーだったかな。横田かおりの相方がしゃべって居た様な。
あーっ、ナックファイブの宣伝しちゃった。
ああ! と思うほどにわかりやすく、誰しもが、そんなことがありそう…、と思う節分の翌朝ですね。
え~っとね、まつやま俳句ポストの「節分」句の締め切りは1月22日でした、きっと「プレバト!」の収録はそのもっと前かもしれません。要するに節分の時期よりずっと以前だったのですね。ナックファイブの放送はその後でしょうから・・ね(笑)
豆まきの後に、靴の中、スリッパの中、あるいはジュータンの下とか、どこか思いがけないところから豆が出てきたというのは、日本人ならば共通共有の認識がありますね。そういう誰もが知っている些細な部分を俳句にするのが、難しく言うと「俳句の持つ普遍性」といいます。その普遍性があるから、江戸時代の芭蕉の句を、現在の我々も理解し、味わい、追体験してうっとりできるわけであります。
☆ディックさんこんばんは~
俳句は非常に単純化された、珍しい短詩なのだと思います。誰もが知っていることなのに、誰も俳句にしていない、という盲点もありますね。そこがフジモンの手柄なのです。
俳句の持つ、こけおどしの権威?みたいなものを、俳句は子どもでも名句が作れると証明することにより、無効化することさえ将来は可能に。誰でも簡単にクオリティの高い俳句を作り、それが日本中に浸透すれば、妙な権威意識は胡散霧消して行きましょう。
フジモンの句はいまでも思い出しちゃいますね。
フジモン、「節分」は良かったんですが、最近はどうなのかなぁ。
又吉くんの進境はいちぢるしいと思われますが、吟行の「すみれ草」の句すごかったですねぇ。また彼の繊細な句が見てみたい。
確か堀本祐樹さんの俳句指南を受けておりますよね。