40歳のターニングポイント/病気、離婚、童話作家への道

2008-01-13 19:37:19 | Weblog

(昨日雪が降りました。ご近所に”雪だるま”さん、出現)


今日は、私が高卒後東京で就職し、その時に仕事で知り合った、童話作家の先生のお話です。

私が、文字通り右も左も分からない頃、職場のチーフから引きつがれたのが、原稿取りの仕事でした。

その先生とはじめて会ったとき、派手めのおばあさん?だと思いました。いえ、今思うに、年齢は50歳代ではなかったのでしょうか。(←実は、おばあさんではなくオバサンですね。申し訳ありません、先生!)

しばらくして慣れた頃、先生は以前は結婚をしていて、しかし重い病気になり、もう治る見込みがないと医者に言われたため、旦那さんに離婚を切り出したという。

その後病気は奇跡的に全快したので、これからどうやって生きていこうかと考えて、童話作家になる決心をしたという。

40歳のターニングポイント。

当時の先生は、年老いたお母上と二人暮らしだった。お母上の面倒を見ながら、日中は通常の家事をこなし、夜間に童話を書いていた。

病気が治ってから、ポツポツと、それらしいものを書いてはいたけれど、といっても、それですぐ本職の作家になってしまうというのが、驚異的であった。

仕事部屋、というのを、見せてもらったことがある。今まで、誰にも見せたことがないのよ、と言っていた。

そこは、何もない、屋根裏部屋だった。テーブルと寝具だけ。吊り下げられている裸電球の傘は、ボール紙だった。

「ほら、電気の傘が壊れちゃってね、面倒だからボール紙を傘にして、ず~っとそのままだわ。おほほほ。どう?あまりに凄くて、ビックリしたでしょ~!」と言われ、思わずコクンと頷いてしまった、世間知らずの私であった。

先生は一瞬、後悔と落胆の雰囲気に陥り、私はシマッタ~と思って、心細くなってきた。

どちらかといえば、先生は派手めでお洒落な女性だったので、仕事部屋とのあまりのギャップに、何も言葉が出なかったのである。

たとえて言えば、昔の貧しき女学生の下宿先のような、殺風景で寒々とした部屋なのだった。

ここで先生は、小さな子供のころに戻って往き、笑ったり、泣いたり、遊んだり、空想の世界で飛び跳ねているのだという。ふ~~~ん。なんとなく、分かる気もしてきた。

意外と、豪華な書斎などでは、イマジネーションが湧かないかも知れない。

先生はいつも、元旦那さんを懐かしがり、とってもハンサムだったのよ~、と言っていた。また、なぜにそんなハンサムを、手離してしまったのか、私は不思議だった。

先生のお話によると、自分の病気が治らないだろうと予測されたため、子どもも出来ないこのままで、彼を繋ぎ止めておくのは気の毒だと思い、泣く泣く自分から離婚しましょう、と言ったのだそうだ。

先生、もしかしたら彼が、「いや、離婚なんかしないよ。ずっと僕たちは一緒だよ」と言ってくれるのを、期待したそうなのだ。(←いやぁ~、危険なギャンブラーじゃないですか!)

しかし、旦那さんはアッサリとその提案を受けたそうである。そして先生は、そんなつもりがなかったのに、もう引っ込みがつかなくなって、呆然としながら離婚したという。(←そ、そんなバカな!)

その旦那さん、離婚後、すぐに再婚したそうである。(←…ひ、ひどいわっ)

そしてその後、どういうわけか病気も全快したのだが、すべては後の祭り。路頭に迷った先生は、せっぱ詰まって、思いもよらなかった、童話などというものを書き出したのだそうだ。

先生は、以前担当のうちのチーフを、二枚目だ、いい男だと言う。はぁあ、そうですかね~!? いやぁ、そうかもしれないですね~!? あははは(汗)

先生の審美眼が、にわかに疑わしくなってきた。元旦那って、本当にハンサムだったのかしら?ポマードたっぷりのノッペリ顔だったりして…(←あっつ、申し訳ありません)

そんな先生が、私の顔をとっくりと眺めて。う~ん、貴女は色でいうとバイオレット。最初に年上の人と結婚して、次は年下の男性と結婚するわね、って。

なぜ、そう思うのですか?と聞けば、私のカンよ、ですって。そうですか。要するに、私は結婚に失敗するとそう言いたいのですか、ねっ、そうなんですね、先生!

というわけで、いつの日か、年下の素敵な男性が現れるのを、心待ちする気持ちが、皆無とはいえない私なのである(←ウソですよ、あはは)


日記@BlogRanking  ポチッ!として頂けたら、とても嬉しいです  
コメント (14)    この記事についてブログを書く
« 不惑にして、、、惑っていた... | トップ | 温かい風が吹いていた昭和、... »
最新の画像もっと見る

14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
まだ遅くはないぞ (kiriya)
2008-01-13 20:20:19
皆無じゃないどころか、
まだまだイケマッセー!
オレもイケルゾー、って
ドコヘ?
三十歳年下いないかなあ。
返信する
審美眼には傾向がある? (ひよどり)
2008-01-13 20:23:22
男からみた「いい女」には、普遍性はない。
「蓼食う虫も好きずき」です。
しかし、女性から見た場合、ある種の傾向があるのではないかと思っておりました。
ある童話作家の「いい男」は、どんなだったのか?
まさか作家らしく、「作った」?
別れた「夫氏」は、事実とすれば、少し下手ですね。
「美学」だってあったでしょうに。
「心配するな。君はボクが守ってあげる」とか言って、しばらくしてから離婚すればいいものを。
だから、先生にしてみれば、良かったのでしょうね。
別れをキッカケに運の上昇。
先生は、きっと気付いていたのではないでしょうか。
こんな詮索は余分かこと。
ゴメンナサイ。
返信する
kiriyaさんへ (トーコ)
2008-01-13 23:34:04
kiriyaさん、ありがとうございます!

とっとっと~~、ドコへ行くつもりですか~(笑)

え?30歳トシ下?うちにも娘が一人居りますけど…これは、デキが悪くて却下でしょう

そう!お互い「夢と希望」は持ち続けましょうぞ!

励ましのコメント、ありがとうございました(←誰も励ましていないって
返信する
ひよどりさんへ (トーコ)
2008-01-13 23:48:27
いつも、ありがとうございます!

先生は、気付いていた。。。さすが、読みが深いですね。そういうことも、あり得ますね。うんうん

男性から見る「好みの女性観」て、普遍性はないのですか。…なんとなく、そうじゃないかなぁと思っていました。その時々で、自分に必要な女性を好きになるのですね

私は女ですから、自分の胸に聞いてみれば、好みは中学生の時からそう変わらないみたいです。年はとっても、頭の中身は少女のままで、進化しないのでしょうか?(笑)でも、そんな自分がけっこう好きだったりして…

洞察力の鋭いコメント、ありがとうございました

返信する
別れて幸・ハイカラ先生 (一味)
2008-01-14 09:52:06
人は、別れて運が良くなる人と、

運が悪くなる人がいてると思う。

先生は、旦那さんと別れた事で、

プロの物書きになれたんだね。

逆例では、トーコさん夫婦が、

磁石みたいにくっついてる事は、

沢山の運がくっついてくるので、

大変に良いと思います。(笑)
返信する
やっぱりトーコさん (トーワドー)
2008-01-14 14:32:07
トーコさんはそういう所にお勤めだったのね!
ドウリデ文章が興味深い。
「男性も冷たいね!」そして、「弱い女性は辛いね!」
ひどい話です。
でもこのことがきっかけで、ご自分の才能を伸ばせて良かったのかもしれないですね。
返信する
1位おめでとう (かずこ)
2008-01-14 17:42:21
今1位です。やったね。おめでとう!

雪ダルマ可愛いね。懐かしい故郷が・・・
返信する
一味さんへ (トーコ)
2008-01-14 21:44:01
ありがとうございます、一味さん!

”運命”って、悪い方にばかり考えないで、それを生かすように考えて行った方が、良いのでしょうね。

私もけっこうヤバイですが、一味さんも頑張ってください(笑)

まぁ、人生至る所に青山あり、ということで。。。

心優しいコメント、ありがとうございます




返信する
トーワドーさんへ (トーコ)
2008-01-14 21:56:04
ありがとうございます、トーワドーさん!

すみません、最近そちらに訪問も出来ず。。。淋しかったですか~?あはは

まぁまぁ、何を仰いますやら、天下無敵のトーワドーさんが。

男性って、現金主義の人が多いでしょう?私も足手纏いになったら、寒空に放り出されるかもしれません。う、う、う~、気をつけなくては…

才能豊富なコメント、ありがとうございました

返信する
トーコさんへ (ken(森の時計と丘の風))
2008-01-14 22:06:23
トーコさん、こんばんは!

人の縁って難しいですね。
人生いろいろなんて言葉が流行りましたが、ホントそれぞれなんでしょうね。

寒い三連休でしたね。
こっち大阪は、雪こそ降らなかったですが、そちらでは雪だるまが造れるほどに降ったんですね。
子供たちの顔が浮かぶな~!
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事