人生のその時々に、影響を受ける俳句はあります。
私のような、まさに吹けば飛ぶような俳句を作る者でも、「この句いいよね!」と言ってくださる人も、いたりするのでありますね~^^;
まぁ振り返れば、暗い句や怒りの句を集中的に作っていた時期があったような?・・さすがに今はそこを抜けたと思っておりますが。
夫さんの定年後から、家族との関係性や対応の仕方に悩む妻、試行錯誤し、言えば精神的地獄を味わっている人、そんな人に好評なのが「青萄~ふぉと17音/夏の記憶/2013」の写俳集。
次の如くのくら~い句ばかり↓ちょっとマジ引きしますが、OH!そういえばそんな句を作っていたなぁ、と懐かしくも恥かしくもある。その句集の頁に付箋を貼り、心に残る句をノートに書き写し、暗記するほど熱心に読んでくれた人がおります。
彼女の来し方と交差するところもあったのか、目に涙さえ浮かべていろいろと話すのでした。読んでくださる人がいてはじめて、俳句というものは居場所を得るのだと思い、ありがたかったです。
抜け殻はから揚げの照り蝉時雨
ケータイを棄てる決心朝曇り
眠られぬ世の来て烏瓜の花
油照つかずはなれず口きかず
逃水の逃げているのは誰ですか
逆らへず行つてしまへり誘蛾灯
雨だれの音の転調四葩咲く
夜濯ぎの一転水の闇重く
百年の懐疑ほどけず夕端居
風の死すとき活き活きと未草
夫婦ってなんでしょうか、親子ってなんでしょうか、家族ってなんでしょうか。心の穴を埋められるのは、たぶん自分自身の再生力、なのでしょうね、難しいですが。