大は小を兼ねず、過ぎたるは及ばざるが如し。

2007-07-06 17:28:40 | Weblog

人間の過去の記憶とは、常に自分に都合のいいように改ざんされているものである。


かつて、今ほど、子どもを育てることが難しい時代はなかったのではないか、と思う。

放任主義でまちがいなく育つほど、社会はお人好しでもなく、かといって、手をかけ
すぎれば、子どもはどんどんと腐ってゆく。

暢気に子どもの数を多く産めば、解決するという単純な問題でもない。


世の中に、ニートとよばれる人たちがたくさん出現している。そこにいたる、原因は
人さまざまだろうと思う。また、ひきこもりの人々も相当数いるという。


原因については知らないが、心根の根幹にあるのは「タカをくくっている、甘さ」が
あるのではないか。親なのだから、子どもにご飯を食べさせてくれてもいいだろう。
多少のおこずかいをくれてもいいだろう。ただで家に住まわせてくれてもいいだろう。

親も、この子は自分が面倒を見なければ、死んでしまいかねないのだ。面倒見ざるを
得ないじゃないか、と。

産み育てる子どもが少ないせいかもしれないが、親離れも子離れも、お互いする気が
ないように見える。親は、いい年になった子どもの、奴隷ではない。むろん、母親は
メイドや家政婦でもない。

自分が苦労して、がんばって産んで育てた子どもに、遠慮や気兼ねをしてどうするの
だろう。自分は庶民なのに、子どもたちを、王子様やお姫様にしようとしてこなかっ
ただろうか。

こういうことを言えば、お叱りを受けるかもしれないが、子どもだけが悪いわけでは
なく、親がこころえ違いをしてきたのかもしれない、と振りかえって見ることも必要
ではないのか。

人間も動物の仲間とすれば、もっと自然界を広く見てほしい。子どもが自立できるか
どうかの際どいところで、動物の親は、情け容赦なく子どもを突き放している。むろ
ん、人間界は動物界とは違うから、同列にはできないが、私自身、この精神は「原点」
ではないかと思っている。


子どものお先走りをして、障害物をとりのぞき、必要としていないのに手を出し口を
出し、上げ膳据え膳でご接待をし、欲しいというものはすぐに買いに行き、喜んでア
ッシー君をやっている。あげくのはては、子どもの失敗事の尻拭いまでも、当然のこ
とのようにやってしまっている。

まぁ、これで、まともな人間に育ちなさいよといっても、難しいかなぁ、と思います。


子どもが反抗期を過ぎる頃、これはもうやれそうだなと思ったら、とりあえず親は手
を出さないことである。親がなんでもしてあげる事が愛情なのではなく、子どもがで
きた事を一緒に喜び、できなかった事は励まして、できる悦びを記憶に植えつけてや
れれば、自然に親離れしていくのではないだろうか。

子ども自身が、自立してゆけるよう、手助けするのが親の役目なのではないだろうか。
子どもがいつまでも、親の袖を握って離さないのなら、読んでも読まなくても手紙を
書いて渡すこと。親も、子どもと同じ未熟な人間であることを、包み隠さず、赤裸々
に書くこと。だから、お母さんも、アナタに助けてほしいのだ、と。

なんらかの、打開策にはなるだろう、と思う。


これは我が家の場合だが、同じ出来事を共有していても、親の記憶と、子どもの記憶
では、見事に違うものになっている。親子といえども、人としての人格も頭も別物で
ある、ということかもしれない。まして、子どもは親の所有物ではないのである。キ
ザに言えば、神様からの預かりモノなのだ。


さて、私が今懸念しているのは、我が家の「パラサイト・シングル」問題、について
である(笑)
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18 コメント

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私も・・・ (まちるだ)
2007-07-06 18:15:22
「パラサイト・シングル」です。
娘さんより歳くってるから、余計にタチが悪い(笑)。
親が「心配で夜も眠れない」「ストレス(心配)で体調が悪い」etc、と愚痴られる間隔が狭まってきました。
そりゃあね、私だってどうにかしたいと思っているから、親のストレスが倍増して自分にのしかかる・・・。
焦れば焦るほど気持ちの整理がつかなくなる・・・。
ん?この優柔不断はO型のせいか(笑)
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そういうときは (のっち)
2007-07-06 18:37:14
マチルダさん、建コンさんにいい男を紹介してもらいましょう。

うちも息子はいいとして、娘は一生ママと暮すと言っている。
わたしは一日も早く家を出たかったというのに。
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はて、なんのことでしょう? (建コン一擲)
2007-07-07 02:20:43
yahoo!オークションでいいですか?
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働かなくても生き抜くスキル (ニート最終系)
2007-07-07 05:09:35
やっぱり「働いたら負け」なキモチは変わらない。
だから俺はここで体売って稼いでる。毎月23万は硬いな!!
http://nneada.com/mi/871
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子に不自由をさせたくないという親 (成瀬)
2007-07-07 08:45:01
子供にひもじい思いをさせたくない、と思うのは誰しもだと思います。
だから最低限の生活は守ってやりたいというのが親心。
けれども、自分の小遣いを節約して欲しいものを買おうとする気持ちはあっても、家の照明やエアコンなどは、あって当り前というような感覚があってなかなか節約しようとはしません。
早いうちに、一人で生活させて、生きていくには何もしなくてもお金はかかるのだという感覚を身につけされるのが良いのかなって思ったりします。
我慢と喜びは対のものだと体で知ることが大事なんじゃないかと。
逃げてばかりで、喜びや悲しみを体中で感じることを知らないままに、人生の大切な時期を過ごしてしまうニートと言われるような若者たちは、やっぱりかわいそうですね。子離れのできない親と親離れのできない子供の連鎖が起こした悲劇ですね。
親の責任は思いです。
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身にしみる (個風)
2007-07-07 11:44:24
数年前までパラサイトシングルでした。

仕事はしてましたが、家にさほどお金も入れず、家事も一切せずに過ごしていました。



さて、現在。

それなりに(^^;;家事をして思うのは親のありがたみ。



結論から言うと、一人暮らしをさせるのが荒療法かと。

家事一般出来るのならさせるのがいいし、出来なくても今日び家電の揃ったアパートもあります。穴場なのは空き家とか、安く借りられます(古いのが難ですが)



いっそ親が引っ越すのもアリ?!



…余談ですが、ここの【お知らせ】(左下)に「gooブログパーツスタート!」と書いてあります。

うちの「ぱんだかなぁ~?」みたいなブログペットも飼えます。いかがですか?
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一人暮らし (いしとも)
2007-07-07 16:56:13
私も1日でも早く家から出たい口だったなぁ。

一人暮らしを始めて、一番嬉しかったのは
家に帰っても電気が点いて無い事だった。 

仕送り学生の身だったので、独立とは程遠かったけど、
1ヶ月、家賃込み5万円のめちゃ貧窮生活にも
文句なんか一切無かったなぁ。

貧困すぎて、貧血でぶっ倒れたけど…。がはは。
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氷河期の余波 (mimosa)
2007-07-07 17:24:18
子供が甘いのか、親が甘いのか。原因はいろいろあると思いますが、就職氷河期10年の余波も大きいのではないかと思います。ベビーブーマー二世たちがかなり苦しい選択をせまられたことは配慮してあげなければならないと思います。勿論上澄み1割にはいっていればいつの時代も問題なく進んでいけるでしょうが。好きでパラサイトしているわけでもない人も多いのではないかと。
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デフレの時代 (なるせ@コスモテック)
2007-07-07 19:31:06
就職がそれほど大変では無かった頃、就職して働けば、まず生活レベルは上がったものでした。
当時は“独身貴族”なる言葉もでたものです。
社会が右肩上がりなら、その後も普通に働けば、親の世代より、生活レベルを上げられたもの。
仕事が無い、たとえあっても、親世代のレベルは維持できない。
そんな仕事ばかりの社会は、幸福とは言えないものです。
デフレの時代の、さまざまな歪みの一つだと思います。

…仕事が無い、あっても食えない仕事ばかりってのは、自営にもホント厳しかった…
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いいから、嫁にゆくのじゃ! (トーコ)
2007-07-07 21:30:21
まちるださん!

好みの問題、年収など、アレコレいろいろあるとは思いますが、一度、試しに結婚してみてはいかがでしょう?

それで父母のストレスがなくなれば、一石二鳥(笑)

え?前と言う事が違うって?あははは。そんなもん、この際、知ったこっちゃありません
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