絮が風に飛ぶように

2010-01-21 21:10:00 | Weblog
皆さまこんばんは、お元気ですか?

昨日は「大寒」でしたが、異常に暖かいポカポカ陽気で調子が狂いました。今日も良さそうでしたけれど、午後から猛烈に寒い風が吹いてきて~一気に時雨(しぐれ)模様でございました。

先日は長男の同級生らが、30才の同窓会記念写真誌を携えて訪ねてくれました。幹事のS君が写真の仕事をしているので、プロの手になるお洒落なフォトジャケットに仕上がっていました。

この人たちは、1995年に中学校を卒業したのです。阪神淡路大震災の2ヵ月後。あれから15年、長かったような短かかったような・・。

確かS君のお母さんが代表幹事で、当時は謝恩会の2次会を取りやめて、その分の積立金を神戸の義援金にすると決めたのでした。中学時代のS君はテニス部のキャプテンで、人の面倒をよく見るしっかり者。親子揃ってきちんとしている印象でした。

お父さんもスポーツ万能で底抜けに明るく元気、子供たちに野球の指導などをしていたのを覚えています。

そのお父さんが昨年10月に、53才で亡くなったと聞いて・・本当に驚きました。ガンの末期だったそうです。

若かったぶん進行が早かったのでしょうか。病院に行った時はすでに手の施しようがなく、ホスピス病棟に入院したとか。

「父は十分豪快に生きたから、(あれで)良かったんじゃないかな」と、彼は達観しています。

そして、今までは家族バラバラに生活していましたが、これからは一緒にまとまって住もうよ!ということになりました、と。東京を引き払って地元にもどり、事務所を構えるということです。

写真は、(亡くなった方の)遺影を作るなどの仕事がけっこうあるといいます。今は昔のような型どおりの作り方ではなく、明るく自然な笑顔、背景をお花畑にしてカラフルに、など遺族の希望に沿った美しい写真に仕上げてもらえます。

最近とみに40代・50代・60代の方の、突然の訃報を聞くようになりました。それだけ中堅どころが、重荷や過度のストレスを負っているということかもしれません。

今日(21日)の『クローズアップ現代』では、〔’助けて’と言えない30代〕がテーマでしたね。彼らには高いプライドがあり、自己責任・自己完結という潔い指向性があるのです。また傷つきやすく、ナイーブに育てられてきたのでしょう。

自分が30才の時はどうだっただろうか。結婚していて子供が二人、ただ残念ながら親には死なれてしまった・・今振り返れば精神的には子どものようでした。


  死ぬときは箸置くやうに草の花  小川軽州


お気に入りの句が↑何度も頭に浮かんできました。ありがとう、もうたくさん頂きました、ごちそうさまでした、と威儀を正して静かに箸を置くように・・。また「草の花」という季語には、(目立たない好ましさや)穏やかな静謐を感じます。

この句のような心境で死に向えたらいいだろうなぁ、と思います。が、修行がぜんぜん足りませんね(笑)

「われ以外皆わが師」という言葉を、仕事帰りに遠い所を来てくれた彼らの笑顔に、しみじみ感じました。30才は30才の、既にそれぞれの’完成美’を持っているものなのだ、と。






タンポポの絮(わた)↑



   

こちらはすっかり飛んで行ってしまい↑あとは’お針の指ぬき’にそっくり♪



      

      薊(アザミ)の絮↑







どこにでもある↑背高泡立草(セイタカアワダチソウ)の穂絮(ほわた)




  飛びたつもとどまるも美(は)し 草の絮   空見







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9 コメント

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Unknown (nakamura)
2010-01-21 22:12:56
こんばんは。

ワタの漢字が出てきませんが、すてきな写真になって、おもしろいですね、お座布団を・・・。
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こんばんは (空見)
2010-01-21 23:37:11
◆nakamuraさん

’草の絮’は秋の季語ですが・・でも今あるんですから仕方がありませんよね(笑)
どうもすみません~地味なものにお座布団をいただいて恐縮でございます
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色々な思いの中に.. (地理佐渡..)
2010-01-22 07:07:33
おはようございます。

>死ぬときは箸置くやうに草の花  小川軽州

すごいなぁ。思わず死に際がこうであると
いうのは、それこそ願わしいあり方です。
なんども頭をよぎった..。

先日老いた父母が突然写真を撮ってくれと
言い始めました。なんのことかと思ったら、
自分たちの葬式の時の写真であると言って
いました。なんとまぁ..。まぁ、当分
使わないだろう?と言いつつ、その要望に
は応えておきました。春が来たら又撮るぞ。
とも言い残して..。
返信する
人生とは~ (tomi)
2010-01-22 07:16:06
空見さん;
こちらは今週一杯毎日が土砂降りの日々です。

ご子息のお友達は若いのにいろいろと勉強をなさいましたね、親に死なれると言いますことは
子にとりましては何歳になりましても辛いものです、その方はきっと人はなぜ生きるか と言います事に気付かれたと思います。
三十歳もう大人です。

私など ↑ の句の様に ”死ぬときは 箸措くように”とはまいらないかも。

ちなみに私は 母親に死なれたのは 7歳で 母は 29歳といいます若さで亡くなりました、きっと彼女は子供を措いての死には心残りが大変ありましたでしょうし、母も死の直前までそばで泣いている私に お前たちを置いては死ねない ともうしていました。

今日はしめっぽくなりました。

たんぽぽ の 冬枯れですか、春の為に力をためていますのでしょう。

1月9日の コメントを頂きながら失礼しました
早速 最近コメント欄にレスいたしました。
この通り迂闊な私メでございます。
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おはようございます (mico)
2010-01-22 08:13:52
冬枯れの野原も風情がありますね。
「草の絮」勉強になりました。
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お早うございます (空見)
2010-01-22 11:00:32
◆地理佐渡..さん

ご無沙汰しておりました(∩_∩)ゞ

ご両親さまの、ステキな笑顔の写真を撮ってあげてくださいね。「死ぬこと」を想定してなどと、縁起が悪いとかウェットになることでは全くないと思います。

先ごろ亡くなった方も、30年前くらいの、若くて幸せ絶頂だった頃の笑顔写真を、美しい遺影にしておりました。とても良い写真だと思いました


◆tomiさん

お母さまをそんなに早くに亡くされたのですか、たいへんでしたね。でも今は立派になられて外国でご活躍、素晴らしいことでございます。

うちは長く母と二人きりの母子家庭だったので、母は私の身の内、半分のようなものでした。

返信がされていなかったようでしたので、コメントに入れました。私の他にもいらっしゃったので、tomiさんこれは見ていないなぁ、と思って(笑)


◆micoさん

コメントありがとうございます。冬枯れの景色には、なぜかシンミリしてしまいました
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Unknown (ディック)
2010-01-22 21:49:53
>最近とみに40代・50代・60代の方の、突然の訃報を聞くようになりました。それだけ中堅どころが、重荷や過度のストレスを負っているということかもしれません。

自分を思い出しても、実際に無茶苦茶をやってきていますから、「不整脈で体調が悪くなる」なんてことがあるのも当たり前に思われます。この世代は働き蜂でやってきて、耐えてきたのに、家庭を顧みなかったなどと離婚を申し立てられたり、会社を辞めた途端に家庭内のランクが落ちたり、じつにかわいそうな世代なんですよぉ~。
ラストの写真、今年2回目の「ディック賞」を差し上げます。最近、ぼくの感性と妙にぴたっ合った写真が多くなり、驚かされることが多くなっております。
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Unknown (ビビアンヌ)
2010-01-22 22:47:30
空見さん、こばわ~!

「箸置くように」逝けたらいいな~なんて感じました。
空見さんの句も素敵だな~セイタカアワダチソウも喜んでいるよ~
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ありがとうございます (空見)
2010-01-23 13:54:59
◆ディックさん

おぉ!2回目のディック賞ですね~冬山に行っているモカさんに知らせませんと・・(笑)

いやはや、外へ出て七人の敵と戦いながら仕事も必死でこなしているご主人さま、もっと大事にしませんとと思いますのよ、ハイすぐ忘れますが^^;

リタイヤした後が問題でしょうね。ご自分の趣味ひと筋に邁進してもらって、あたかも奥さんを部下のように指図したり、あれこれと(専属ヘルパーなみに)使わないでいてくれれば良いのですが。
とりあえず、留守でも元気でいてくれれば、お互いに結構なことなのですよね


◆ビビアンヌさん

「箸置くやうに」、この場合’箸を置く’だから良いのですね。575は、措辞に持ってくる言葉で景色がガラリと変ります。
私のはつくづく駄作ですが~精進しますね~^^

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