(新刊句集をご恵送賜りました)感謝🎶
病ひとつ古き日傘を盾として
すかんぽのどこを噛んでも母をらぬ
溢れ蚊を打つて感情線汚す
化粧水今年の頸をよく伸ばす
雪踏んでゆく八月の地獄谷
豚面皮(チラガー)の瞑目の吊されて朱夏
沖縄を思へゴーヤのこのぶつぶつ
からす瓜の花ほどいてもいいですか
啓蟄やまんぢゆう一人分足らぬ
雀の鉄砲揺れる父さん居ないから
狐火のやうに暮らしてをりました
この旅は家出のつもり帰り花
目まとひや前頭葉が磁場らしく
青柿やほろほろ崩えてゆく家族
牛の眸の無垢の六百青葉騒
靴箱の靴の歳月雲雀の巣
凌霄花母の鏡に燃え移る
枯蟷螂放置自転車のやうに
黙りこくるな青柿も福島も
愛想笑ひして人間でゐる暑さ
💬佐藤弘子さんは今は小熊座の先輩ですが、その俳句は加藤楸邨入門以降36年という、畏れ多い先達であります🙇「つくづくと蟻を見てをり楸邨忌」という、師慕の俳句も🐜
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