金曜日
俳句集団いつき組組長夏井いつきです。今週の兼題は「俳句甲子園」でお送りをしております。いつかどこかの歳時記に「俳句甲子園」という言葉が載ったときに、一句一遊のリスナーの皆さんと万歳三唱をしたいと、心から思っております。見つけたらすぐに知らせてくださいね。ということで金曜日の皆さんご紹介してまいりましょう。
まずは、ふづきの、松山ならではのこんな一句。
◇俳句甲子園差し入れのタルト百 ふづき
これはね、最近のタルトって一切れずつ包んでパッケージングしてあるじゃないてすか。あれが差し入れとしてってね。こんな句が詠まれたら今度坊ちゃん団子が百差し入れされるとかね、色んなのが出てきてくれたらうれしいなぁと思う私でございますが。
そしてですね、次の一句はひでやんなんですけれども、彼は俳句甲子園の実行委員会のメンバーです。俳句甲子園っていうのをいかにも俳句甲子園らしく描こうとしたときに、俳句独特の用語を使うというやり方があるんですが、「披講」という言葉が出てまいります。「披講」というのは、俳句を声高らかにご紹介する読み上げるのが披講ですね。
◇披講してどよめく俳句甲子園 ひでやん
もう一句あるんですが。
◇次の句が分かれ目俳句甲子園 ひでやん
披講したとたんオーッとどよめく、いい句が出たとたん観客も目が肥えていますからどよめきが起こります。そして「次の句が分かれ目」ってのはこれは大将戦でしょうね。二対二で迎えた大将戦、この一句で勝敗が決まるという、そんな感じの臨場感ありますよね、ひでやん。
その大将戦の最後の一句をですね、一走人はこう表現しました。
◇俳句甲子園固唾を呑んで最終句 一走人
これもね「固唾を呑んで」ってのが審査員、観客、選手一同が固唾を呑むという緊迫感がありますね。
■一走人
「組長、大街道での予選は実家が近いこともあり毎年行っております。コミュニティーセンターの本戦もほとんど行っております。熱気と興奮で家に帰ると、グッタリと元気が入り混じっております。」というその気分はわかりますね。
そしてやのたかこは観客の実感ですよね、もうホントに。こんな一句。
◇俳句甲子園カレーかっ込み戻る席 やのたかこ
午後からの対戦に間に合うように・・でも大街道大変な人でね。みんなお昼ごはんどっかで急いで食べないといけないというのでね、すぐ食べられるカレーとか牛丼とかああいうところお客さんが集まるんですよね。「カレーかっ込み戻る席」やのたかこの周りはカレー臭プンプンみたいな、そんな感じなんですよね。
そしてドクトルバンブーのこの一句も、いかにもいるかもしれないなぁって感じです。
◇俳句甲子園敵将暴れ駒の異名 ドクトルバンブー
「暴れ駒」っていうと何か将棋?みたいな感じもしますが、多分これね、相手チームのキャプテンが「駒田くん」とかそんな名前なんですよ。アイツ暴れ駒やからなぁ・・ってね。
プリマスロック句会・チロリンの一句もありそうなねぇ、場面でございます。
◇俳句甲子園主力の二人水疱瘡 プリマスロック句会・チロリン
どうしょう、二人も水疱瘡になって。俳句甲子園5人+補助員の1人っていうのがエントリーできるんですが、2人水疱瘡になったらね、4人での戦いという大変なことになっております。
そしてこちら菜々枝の一句は、正に俳人はこういう心持で季語の声を聞きます。
◇俳句甲子園石ころの声星の声 菜々枝
まぁ・・こう言われるとしみじみ俳句は自分が脳みそで作るんじゃなくて、万物の声を聞いて、そこから俳句ができるというこんな感じだなと思いますね。
篠原そもの句は俳句甲子園が終わった夜です。
◇俳句甲子園終えてお城は月祀る 篠原そも
俳句甲子園が終わった熱気、そして松山城の向こうに月が昇ってくる。まるでお城が月を祀っているかのようだよ、煌々とした光景が見えてまいりますね。
そういう月を見ながら日暮屋くんは毎年こういうふうな感慨を持っているのかもしれません。
◇句帳に連れ帰った俳句甲子園の余熱 日暮屋
俳句甲子園見に来た俳句愛好者、俳句のファンの皆さんはその余熱を抱いて、よっしゃ私も頑張らにゃぁと思うわけですよね、ホントに。
差し上げたい句は数々ございましたが、今日は栃木県日光市から参加しております、空見屋の一句に差し上げたいと思います。実はこれ季重なりなんですけれども、「俳句甲子園」が主役にちゃんと立っております。朱色の朱に夏と書いて「朱夏(しゅか)」という言葉があるんですが、これは夏という季語の傍題にあります。夏というのは赤い夏であるという朱夏という言葉です。
『天』 俳句甲子園朱夏に止めを刺しに行く 空見屋
俳句甲子園という季語が悩ましいのは、地方予選あたりはまさに六月・夏なんですけれども、本戦になると立秋を越えてからの大会になります。幅の広い夏なのか秋なのかはっきりせい!みたいな季語なんですが、「朱夏」夏にとどめを刺しに行くのが「俳句甲子園」だと、しかも俳句甲子園が終わらないと夏は終わらないんだよ、とそういう熱気も込めての一句でございますね。「朱夏に止めを刺しに行く」いやぁそういう熱い戦いが明日から始まります。是非会場におこしください。
(※金曜日の聞き書き担当は都築まとむさんでした、いつもお世話になりありがとうございます、感謝です) 空見屋
金曜日の分、すべてコピペして申し訳ありませんが、明日明後日の俳都松山での「俳句甲子園」本戦、いやがうえにも熱く盛り上がる日々でありますし!
季重なり、「俳句甲子園」が初秋ではあっても「朱夏」をどうしてもねじ込みたくて、ほとんどケンカ腰で「組長これは譲れませんから」とか、ひと言書いた気がする(笑)それをきちんと受けとめてくれた組長の器の大きさ、嬉しいです。いや~マジ泣けるわ、2014年8月22日、ワタクシの生涯忘れられない「朱夏の俳句甲子園」となったのであります。
「一句一遊」で、はじめての『天』、おめでとうございます!!
「朱夏」をねじ込んで、よかったね!
本気で当たれば、伝わるもんだね!
よかった~!!おめでと~!!
アハ、自分の意志を通すのはリスクが大きいじょ、通るかどうかは分らない・・5分5分だにゃ(笑)
もし将来のいつか、秋の歳時記に「俳句甲子園」が載ったとき、ワタシの「朱夏」の句が例句として出たら嬉しいけどね。
今日は「月刊角川俳句」が届いて、奇跡的に今井聖先生の佳作に一句入っていた、つたない表現力をもっと磨かないと、と思っています^^;
「電車通過す白線上に毛虫」ってね、ちょっと危ない句ですが・・またがんばります、いつも本当にありがとうビビちゃん d(´▽`*))))⌒☆