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9月17日公開の映画、「アイダよ、何処へ? (QUO VADIS, AIDA?)」を観にいってきました。
初めて観るボスニア・ヘルツェゴビナの映画です。正しくは、ボスニア・ヘルツェゴビナ、オーストリア、オランダ、ドイツ、ポーランド、フランス、ノルウェー、トルコの合作映画、とフライヤーには書かれています。
うちの近くでは上映してないので、わざわざ遠くまで来ましたよ。
新百合ヶ丘駅、はじめて降りた。麻生区というややもすると頭の悪そうな印象を受ける地名において、なんと可憐な駅名なのでしょう。
上映しているのはこちら、川崎市アートセンター。
シニア割引、ありがたや。
チケットには整理番号が振られていて、開演10分ほど前になるとこの順に入場して好きな席に座る、というシステムでした。
さて、映画の内容は、ボスニア紛争中にスレブレニツァで起きたジェノサイドに基づくストーリーです。ユーゴスラビア紛争では、さまざまな非人道的な行為が行われましたが、その中で最悪なことのひとつがこの事件と言えるのではないでしょうか。
スレブレニツァ・ジェノサイドが起こったのは1995年のこと。その頃わたしはこの事件のことは何も知らずに、のほほんと過ごしていました。
ユーゴスラビア紛争の中でよく覚えているのはNATOによる空爆が実行されたコソボ紛争でした。それも、当時Jリーグ名古屋グランパスでプレーしていたサッカー選手のストイコビッチの反戦アピールによって知ったという程度でした。
その後、ユーゴスラビア紛争の悲惨さを徐々に知ることになります。今回の映画で、スレブレニツァジェノサイドについても理解が深まりました。
ストイコビッチはセルビア人です。1990年のワードカップ、疾風のようにピッチの駆け抜ける姿に魅了されました。この「悪者見参」は前に読んだ本です。国際的には悪者とされているセルビア側の視点のユーゴ紛争についても書かれています。
話がそれました。この、映画「アイダよ、何処へ?」は内戦下のボスニア・ヘルツェゴビナにおいて、国連の通訳職員アイダがセルビア軍の手から家族を守ろうとするストーリーです。
この映画の中には、誰が悪い、何を恨む、と明確に伝えるようなシーンがありません。それは、同じ土地に住む民族同士がいがみあうことの不毛さ、負の連鎖は止めるべき、というメッセージも含まれているのかもしれません。
武装勢力の前に市民はあまりにも無力であるという現実に、観終えたあとはやるせない虚無感に見舞われます。
ハッピーエンドでもないし、アクションシーンなどの娯楽要素は無いですが、こういった歴史を知ることで、この映画を観た価値があります。
「アイダよ、何処へ?」公式サイト → https://aida-movie.com/
[川崎市アートセンター アルテリオ映画館]
神奈川県川崎市麻生区万福寺6-7-1
https://kac-cinema.jp/
p.s. 朝昼を控えめにしたのだけど、飲みにいくとすべてがオーバーする...
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