思い出の夕顔@ジャカルタ(PART 1)
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(jakarta4c.jpg)
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(jakarta2.jpg)
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(renge101.jpg)
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(merange12.jpg)
デンマンさん。。。 あんさんは、ジャカルタで思い出に残る夕顔を見やはったん?
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(kato3.gif)
ん。。。? わてがジャカルタで思い出に残る夕顔を見たと めれちゃんは思うたのかァ~?
そやかてぇ~、思わせぶりに 夕顔の写真を貼り付けてますやん。。。
実は、わてやのうてぇ~、ジャカルタに住んでおる女性が夕顔に魅せられたのやがなァ~。。。 ちょっと次のリストを見て欲しい。。。
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■『拡大する』
■『思い出の夕顔』
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これはライブドアの わての「徒然ブログ」の日本時間で9月7日の午後8時26分から8日の午前3時1分までの約6時間半の「生ログ」の一部やねん。。。 赤枠で囲んだ箇所に注目して欲しい。。。
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あらっ。。。 インドネシアのGOOGLEで検索して あんさんが「徒然ブログ」に投稿した『思い出の夕顔』を読みはったんやねぇ~。。。
そうやァ~。。。 実は、ジャカルタに住んでおる チンシュ・チェン(Chingsu Tsien)さんが読みはってん。。。
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(jakarta1b.jpg)
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あんさんは、またIPアドレスを調べやはって、チンシュさんが読んだことを突き止めはったん?
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そうやねん。。。
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(ip63242b.png)
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この写真の女性が チンシュ・チェン(Chingsu Tsien)さんやのォ~?
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そうやァ~。。。
あんさんのブログにアクセスする女性は、どないなわけで美人ぞろいやのォ~?
めれちゃんを始め、ジューンさん、ジュンコさん、シルヴィーさん。。。 わてのブログに登場する女性は みんな美人やさかいに、世界の多くの美人も安心してアクセスするねん。
そないな事を信じる人がおりますかいなァ~。。。 で、チンシュさんは、ジャカルタで何をしてはるのォ~?
ジャカルタ大学(State University of Jakarta)で日本文化と日本語を専攻してはるねん。
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(univjaka01.jpg)
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チンシュさんは、このチアリーダーのメンバーなのやでぇ~。。。
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。。。で、チンシュさんは、どないなキーワードを入れて検索しやはったん?
次のように検索して『思い出の夕顔』を見つけやはってん。。。
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(gog80908a.png)
■『拡大する』
■『現時点での検索結果』
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あらっ。。。 「思い出の夕顔 徒然」と入れて検索してはるやん。。。
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そういうこっちゃがなァ~。。。 チンシュ・チェン(Chingsu Tsien)さんは「徒然ブログ」の常連さんやねん。。。 そやから“徒然”を加えて検索したわけやァ~。。。
。。。で、何を調べやはったん?
チンシュさんは、「天の夕顔と結婚について」というタームペーパー(term paper: 期末レポート)を書こうと思うてるねん。。。
そいで、あんさんが投稿した『思い出の夕顔』を読みはったん?
そういうことやがなァ~。。。
それで、何か参考になることでも見つけやはったん?
当たり前やがなァ~。。。 次の箇所を読んで チンシュさんはレポートの核心をゲットしたのやがなァ~。。。
天の夕顔
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(gyozui6.gif)
私が京都の大学生のころ、はじめてあき子に会いました。 彼女は、下宿先の家の娘で、すでに結婚した身で、子供ももおり、夫は外国にいました。
まもなく、彼女の母親が病気で亡くなりました。 私が通夜や葬儀、さらに四十九日の観音講(かんのんこう)の際、なにくれと手伝ったため、彼女からその礼などを認(したた)めた手紙が送られてきました。 知人の家に移っていた私は、どういうわけか、その通りいっぺんに見える手紙がうれしくてたまらず、思えばそれが、私の運命を左右するきっかけになったのです。
(中略)
6月の末、私は試験の準備に忙しいころでした。 彼女は結婚生活に悩んでいる様子を話しました。 はじめは姉弟のような気持ちだったが、しだいに私に惹かれるようになり危険を感じ出した、これ以上交際を続けているのは自分の立場が苦しくなるので今日は別れを言うために来た、と言うのです。 私は恋愛の気持ちなどなく、友情だと思っていたのに、「別れに来た」と言う言葉には少なからず狼狽し、意外な気持ちながら、彼女の威厳ある堅い決意に従うほかありませんでした。
これが、彼女から突き放された最初です。 それまで会うこともなかったのに、こんな気持ちになったのが不思議でしたが、これ以来私は今に至る20数年、あの人のことを思い続ける運命に陥ったのです。
(注: イラストはデンマン・ライブラリーから)
92 - 93ページ
『天の夕顔』 中河与一・著
「あらすじで読む日本の名著 No.2」
編著者: 小川義男
2003年11月13日 第2刷発行
発行所: (株)樂書館
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なんで わたしが上の小説を読んだと あんさんは思いはったん?
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(kato3.gif)
そやかて めれちゃんは“文学少女”やったやないかいなァ!
確かに、わたしは少女の頃から小説を読むのが好きやったけど、どれもこれもと 手当たり次第に小説をかたっぱしから読んでいたのとちゃいますやん。。。
さよかァ~。。。 そやけど、小説家の「中河与一」という人物は知ってるやろう?
いいえ。。。 知りまへん。
けっこう有名らしいのやでぇ~。。。
中河与一 (1897 - 1994)
香川県に生まれる。
1918年に画家をめざして上京。
翌年、早大予科文学部に入学するが、中退。
1935年以降、日本浪漫派に接近し、しだいに民族主義を唱え始める。
1938年、新感覚運動を川端康成、横光利一らと興す。
代表作である『天の夕顔』において東洋的叙情に到達し、戦後に発表された『失楽の庭』『悲劇の季節』とあわせ、三部作と見なされている。
作者は「文藝春秋」の初期の同人として横光利一、川端康成と並んで世に称えられた。
泉鏡花、谷崎潤一郎、佐藤春夫と続いた王朝以来のロマンチシズムの系譜が作者へと継承されている。
『天の夕顔』が1938年に発表された当時は、世俗的、大衆的という理由で文壇からは受け入れられなかったが、永井荷風や徳富蘇峰らは激賞し、また当時の青年子女に愛読された。
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あらっ。。。有名な人たちとお仲間やんかァ~。。。 川端康成と横光利一は わたしも知ってるわァ~。。。
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そうやろなァ~。。。 わてかて知っておるからなァ~。。。
。。。で、どないなわけで中河与一さんのお名前を持ち出してきやはったん?
あのなァ~、わては調べてみたのやけど、太平洋戦争中の悪い噂のために戦後の文壇で孤立したようなのやァ。
その悪い噂って、どのようなものやのォ~?
あのなァ~、中河さんが戦時中に、左翼的文学者のブラックリストを警察に提出して言論弾圧に手を貸したという噂がだいぶ流れたらしいのやァ。
そのために作品が読まれなかったのォ~?
戦後は左傾する人が多かったから、もしかすると戦中の噂が影響したのかもしれへん。 それで めれちゃんも名前を知らんかったのかも。。。
。。。で、上のお話のどこに あんさんは惹かれはったん?
次の箇所やがなァ~。。。
これ以来私は今に至る20数年、
あの人のことを思い続ける運命に
陥ったのです。
“20数年、あの人のことを思い続ける”というのは、誰にでもできることではあらへん。
そうですやろか?
あのなァ~、 かつてアインシュタインは次のように言うてたのやでぇ~。。。
結婚とは、ひとつの偶然から
永続的なものを作りだそうという、
成功するはずのない試みだ。
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---アルバート・アインシュタイン
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しかもアインシュタインの結婚生活を覗くと次のようなことが分かるねん。
アインシュタインは1897年、スイスのチューリッヒにある連邦工科大学で学んでいたとき、最初の妻になる女性と出会い、恋に落ちた。 その女性はミレーヴァ・マリッチ。
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ミレーヴァ・マリッチとアインシュタイン
アインシュタインと同じ講座の学生で、生まれつき足が悪かった。 二人に共通していたのは、コーヒーとソーセージが好きということだった。 彼女と知り合ってまもないころ、アインシュタインが書いた手紙には、ミレーヴァを呼ぶ愛称がこれでもかとばかりに登場する。 僕のかわいこちゃん、僕の子猫ちゃん、僕の愛する魔女、僕の小さなすべて……そして愛の告白もあった。 1900年、アインシュタインが21歳のときの手紙にはこう書かれている。 「哀れな人間たちの群れのなかで生きてゆこうと思ったら、君のことを思わずにはいられない」
二人はともに勉強し、音楽を楽しむうちに、友達から恋人へと関係を進んだ。 同級生からミレーヴァの足のことを問われ、僕なら不具の女と結婚などできないと言われたアインシュタインは、「でも彼女はすばらしい声をしている」と答えた。 最後には二人の関係は破局を迎えるのだが、そこにいたる事情は深く複雑なものだった。 自分の心はミレーヴァのものだと言っているときから、アインシュタインはいろいろな意味で遠い存在だった。 離ればなれで暮らした時期も長く、研究のことしか頭にないアインシュタインには、子供のいる雑然とした生活は耐えがたいものだった。 結婚前に生まれた娘ルイーズは養子に出され、その後もアインシュタインとミレーヴァの間には、二人の男の子が生まれている……のちにハンス・アルバートは水力学の専門家になり、次男エドゥワルドは精神分裂病で施設に入った。 そのかたわら、アインシュタインはいとこのエルザに求愛するようになり、二人はやがて結婚する。
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エルザとアインシュタイン
1913年、ミレーヴァとの離婚が成立する5年以上も前に、アインシュタインはこんな手紙をエルザに書いている。「私にとって妻は、クビにできない雇い人のようなものです。私は寝室も別にして彼女を避けています……私と、私の人生を支配できるのは自分以外の誰でもありません」
エルザは夫の研究にいっさい口出ししなかったし、知性面で夫と張りあおうという気持ちもさらさらなかった。 そんな二番目の妻に対しても、アインシュタインは同じことを繰りかえしてしまう。 夫婦の間から愛もセックスも消えうせ、アインシュタインはほかの女性に盛んに言いよりはじめる。 友人によると、その様子は「磁石が鉄粉に引きよせられるようだった」という。 またしても寝室が別になり、妻は雇い人に等しい存在になりさがった。 ただし海外旅行や映画のプレミアのときは、夫と行動をともにすることが許された。 アインシュタインはエルザに、「きみの話、私の話をするならいい。だが『私たち』のことは一切話題にしないでくれ」と申しわたしている。
年を経るにつれて、アインシュタインは女性を苦々しく思うようになった。 彼にとって、愛は偽りの概念に過ぎないし、生涯の結びつきなどという理屈はもっと始末におえないものだった。
(注: 赤字はデンマンが強調。
写真はデンマン・ライブラリーから)
39 - 41ページ
『アインシュタインをトランクに乗せて』
著者: マイケル・パタニティ(Michael Paterniti)
訳者: 藤井留美
2002年6月20日 初版第1刷発行
発行所: 株式会社ソニー・マガジンズ
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つまり、結婚していても20年連れ添うのは難しいのに、結婚してもいない相手を20数年も思い続けたということが あんさんに感銘を与えはったん?
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そうやァ~。。。 上のアインシュタインの結婚生活を覗くと わてが『天の夕顔』に感動したのが めれちゃんにもうなづけるやろう?
そうやねぇ~。。。 あんさんが感銘を受けるのが分かるような気もしますわァ~。。。で、『天の夕顔』は、その後どうなるん?
次のようになるねん。
別れた後、彼女から受け取ったハガキには、別れたことへの葛藤、妻として母として生きようと決心しながらも力が及ばなかったことへの後悔などが綿々と綴られていました。 私はすぐに、自分のことをもっと知ってもらいたい旨の返事を書きましたが、それきり手紙も何も来なくなってしまいました。 私は彼女の決意の堅さを感じながらも、かえってあの人を追いかけていきたい気持ちが強くなっている自分に気がつきました。
8月下旬の夕暮れ、私はじっとしていられなくなり、神戸のあの人の家を訪ね、私の気持ちを伝えましたが、彼女の決意は変わらないようでした。 帰るとき、階段に降りようと二人が向かいあった瞬間、二人の身体に、同時になにか恐ろしいものが走ったのを感じたのです。 そのとき互いに理性を越えて飛びつきたかったに違いありません。 でも、私たちはそれをしませんでした。 そこに私たちの今日までの愛情の形式があったといえます。
(中略)
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私が23歳の夏の初めでした。 7つ年上のあの人の美しさはもはや私には絶対的なもので、それ以上のものはありませんでした。 深遠で情熱を含んだ静かな強さが私を苦しくするほどに執着させ、話すときは当たり前の口調でしたが、互いの目の中に互いの運命の暗示をいつも読んでいたように思われます。 私の心はどんなことがあっても彼女を失いたくないという切ない願いでいっぱいになりながらも、いつか彼女を見失うのではないかという不安がつきまとい、私は人が不倫のために自殺する気持ちをはじめて理解しました。
(中略)
そのころ、私の下宿先の隣家に私とあまり年の違わない娘がいました。 私はその娘と親しくなりましたが、あの人との関係に比べればあわあわしいものでした。 あの人は私にとってだれとも比較などできないほど絶対的で永遠の存在だったのです。 しかし、その娘から結婚を迫られ、5年ぶりにその相談のために、あの人に会うことになりました。 私の27歳の夏でした。
私は耐えられないなつかしさで彼女と会いましたが、彼女は案に反して隣の娘との結婚を勧めたのです。 (中略)
私は結局、隣の娘と結婚しましたが、不運なことに彼女は肋膜(そくまく)を患い、2年間介抱に明け暮れました。 とうとう、私は結婚に対して耐えられない苦痛を感じ、病身の妻と別れる決心をしたのです。 自分の魂の本然(ほんぜん)にかえりたい、それが自分に与えられた運命だと悟り一人で生きていく決心をしました。 私の31歳の春でした。 あき子とはじめて会ってからすでに10年の歳月が流れていました。
(注: イラストはデンマン・ライブラリーから)
93 - 95ページ
『天の夕顔』 中河与一・著
「あらすじで読む日本の名著 No.2」
編著者: 小川義男
2003年11月13日 第2刷発行
発行所: (株)樂書館
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なんだか男の人がずるいと思いますわァ~。。。
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どないなわけで。。。?
そやかてぇ、隣の家の娘さんと結婚するのに、どうして7つ年上の人に相談しに行くのォ~?
あのなァ~、それは男がその人に会いたいからやがなァ~。。。 きまってるやん。。。 とにかく、7つ年上のあの人の美しさが男にとって絶対的なものやねん。
ただ美人だからということでぇ~。。。?
いや。。。ちゃうねん。。。 見かけも美人なんやろうけど、性格的にも美しい人に違いあらへん。 そうでなければ、男が20数年も思いつめへん。 次の箇所を読むと7つ年上の人の素晴らしさが詩的に分かるのやがなァ~。。。
彼女は5年たったら、もう一度会うことを約束してくれました。 私にとってもはや5年の年月などなんでもありません。 雪の季節にも、しみ通るような寒さにも、私の心はあの人に会える喜びで明るく輝いていました。
あの人と約束した5年目が近づくころ、私はもう45歳になっていました。 あと1日であの人に会えるという日。 私はあの人が末期の思いで書いた悲しい手紙を受け取ったのです。 動かしがたい死の予告を綴った手紙に私は泣いても泣いても、泣ききれないほどの悲しみに突き落とされたました。 あんなに求め続けていた人とついに会えなかったこの哀れな男の運命を想像してください。 すぐあの人の家へ駆けつけましたが、そこでハッキリとあの人の死を確かめただけでした。
(中略)
天国にいるあの人に消息するたった一つの方法は、夏の夜の花火を打ち上げることでした。 若いころ、あの人が摘んだ夕顔の花を、青く暗い夜空に向かって華やかな花火として打ち上げたいのです。 花火が消えたとき、私は天にいるあの人がそれを摘み取ったのだと考えて、今はそれをさえ自分の喜びとしているのです。
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(fireworks.jpg)
(注: 写真はデンマン・ライブラリーから)
96ページ
『天の夕顔』 中河与一・著
「あらすじで読む日本の名著 No.2」
編著者: 小川義男
2003年11月13日 第2刷発行
発行所: (株)樂書館
若いころ、あの人が摘んだ夕顔の花を、
青く暗い夜空に向かって
華やかな花火として
打ち上げたいのです。
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この部分を読むとねぇ~、7つ年上の人の面影が わてにも思い浮かんでくるねん。
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あらっ。。。なんだか実感が込められているようやけど。。。 あんさんも同じような経験があるのォ~?
あるねん。。。うしししし。。。
マジで。。。?
冗談ではあらへんでぇ~。。。 わても愛(いと)しい人を20数年間思いつめ、慕い続けたのやがなァ~。。。
あんさんも、その年上の女性が摘んだ夕顔の花を、青く暗い夜空に向かって華やかな花火として打ち上げはったん?
いや。。。残念ながら、そこまでやるだけの役者心は わてにはあらへんかった。 うへへへへ。。。
『思い出の夕顔』より
(2015年12月20日)
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チンシュさんは、ここまで読みはって「天の夕顔と結婚について」という期末レポートの核心をゲットしやはった、とあんさんは ぬかしてけつかるのォ~。。。?
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そうやがなァ~。。。
。。。で、どないな核心をつかんだと言わはるのォ~?
つまり、「結婚とは、ひとつの偶然から 永続的なものを作りだそうという、成功するはずのない試みだ」というアインシュタインの言葉に 核心を見たわけやァ~。。。
それなら、別に あんさんの記事を読まへんかて、直接アインシュタインの言葉を探せばええやん。。。
あのなァ~。。。 中河与一が書いた『天の夕顔』を読み、めれちゃんと わての対談を読み そしてアインシュタインの言葉に出会って、初めてチンシュさんはインスピレーションを受けたと言うねん。。。
ホンマかいなァ~。。。?
めれちゃんは、えろう猜疑心が旺盛なのやなァ~。。。 チンシュさんがメールをよこして そないに言うたのやがなァ~。。。 そやから、めれちゃんも素直に信じればええねん。。。 昔の人も“信じる者は救われる!”と言うたのやでぇ~。。。
あんさんは、いつもそれを持ち出すのやねぇ~。。。
あのなァ~、新約聖書、「ローマの信徒への手紙」に出てるねんでぇ~。。。 すでに、2000年も言われてきた言葉やさかいに、めれちゃんも素直に信じて救われたらええねん。。。
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(laugh16.gif)
(すぐ下のページへ続く)