読む日々

テーマばらばらの読書日記

東條家の母子草

2011-01-11 | 
東條由布子「東條家の母子草」

 A級戦犯として絞首刑された、日米開戦時の首相東條英機の孫娘の方が著者。

以前にも何か著書を読んだこともあるし、公式サイトも見た事があります。20年位前、津川雅彦が東條英機を演じた映画
「プライド」は、映画館の前でポスターを眺め、絶対観に来よう、と決意したのに
結局見れず仕舞いでしたが、
その原作の一つもこの方の書かれた本だそう。

「プライド」は確か、解散したばかりのWinKの相田翔子が主題歌を歌っていた記憶があります。
ビデオ化されたり、テレビでやったりしないかと思ってましたが、なんだか反対等があって目にするチャンスは少ないみたい。

個人的には、あの戦争は欧米諸国の東アジアに対する植民地化に対抗する為のものだったとの認識です。一つ一つの行為自体を
必要悪だった、とまでは思いませんが、戦争が起きてしまった事自体に対する責任は東條首相にあったわけではないのでは、と思う。
家族のエピソードや、周囲にいた人達が語ったという様子などを聞いても「悪人」とも思えません。

でも、敗戦後の日本人の「東條憎し」の空気は大変なものだったと思われます。誰かを憎まないとやってられない国民感情もあったでしょうし、前途有望な家族を戦死させられた人達の行き場のない悲しみなど、想像もできないですし。

そんな中、本当の東條首相の姿を知ってもらいたい、とたくさんの本を書かれているお孫さん。

でもなぁ・・やはり身内だと、すべてが「美談」風に描かれてしまうし、ましてこの方は当時小さな子供さんだったわけで。
その辺はちょっと割り引いて読まなきゃなぁ、という感じはしました。

でも 学校等で習う戦争のお話は、どうも信用ならないというか。単純に日本が悪い、陸軍が暴走した、等では済まされない
様々なカラクリがあったんだろうと思う。


小学校の頃から「太平洋戦争」にとにかく心惹かれ、4年生位から図書館で戦争に関わるお話を探しては読み漁ってました。
特に「満州からの引き揚げ」の話には弱くて、自分の前世は当時満州へ渡って、帰ってこれなくて死んだ人なんじゃないかと、子供の頃マジメに思ってました

65年も経った事で、なんだか戦争がすごく遠い感じがします。私が子供のころはまだ、親や祖父母が当時の様子を教えてくれたり、身内に戦死した人がいてお墓参りしたり、神社の祭りに傷痍軍人がハーモニカ吹いていたりして、そんなに遠い昔の事とは感じませんでしたが・・(親は戦後生まれですけどね)

何が書きたいのかまとまらなくなっちゃったけど、いろいろと考えさせられた本でした。