読む日々

テーマばらばらの読書日記

薔薇船

2011-05-12 | 
小池真理子「薔薇船」

短いお話が6編、どれも「ちょっと妖しい」お話でした。

鬼灯・・・父の妾が暮らしてた家を久しぶりに訪ねた女性が、そのお妾さんと会う。異次元なのか幽霊なのかは謎。

ロマンス・・モーツァルトのコンサートで初老の紳士と知り合った若い男性。どんどん仲良くなり自宅に招待されるが、そこで判った事は、紳士は夢の世界を漂っていたということ。

薔薇船・・・ある作家に傾倒していた中年女性。その作家の記念館で目にした遺作のメモと同じ事が帰宅途中の女性に降りかかる。かなり怖かった。

首・・・・17歳で事故死した兄。生前、「この世が霊界であの世が現実世界。人の死と誕生は、それぞれの世界を行ったり来たりしている。もし自分が先に死んだら、それを証明してみせる」と。言葉通り、妹の前に光る首として登場する兄。
ところが猫がその首を・・・・。哀しくて怖くて、でも妙に納得させられるお話。

夏祭り・・・斜視の女の子が祖母宅の近くで見た殺人事件。数年後、犯人と出くわすお話。

彼方へ・・・29年前に好きだった女性が夢に現れ始めてから体調を崩す男。最後は・・・・。


いやあ、怖かった。

満足度75