読む日々

テーマばらばらの読書日記

明日の雨は。

2011-08-18 | 
伊岡 瞬「明日の雨は。」


連作集。6編のお話でつながってます。
就職先がなくてアルバイト教員に就いた音楽教師・森島の1年。

1作目はモンペについて書かれてます。そんな母親が嫌でたまらない息子が事件を起こします。
子どもの心に沿って事件を解決する、ちょっとミステリー仕立てな感じ。

2作目は自動虐待。校外授業で行った先の公園からリクガメが消えますが、その裏にあるイジメと虐待が描かれてます。これも森島の行動で発覚します。最後、児童は施設へ。

3作目は子どもの友情。これもイジメが微妙に絡んでました。同僚のベテラン音楽教師がすごいヤな女でびっくり。こんな先生、嫌だな。

4作目はある教師の崩壊。子供の突然死から夫婦が崩壊。元妻への未練が断てず、ストーカーちっくな行為をしている教師。おかげで昼間は居眠り。あげく学級崩壊。可哀想だけど、ヘンなの~。

5作目は中学受験に成功した児童の母親がおかしいのに、その母親の言い分に丸めこまれた森島がスタンドプレーをして更にグチャグチャにしてしまう話。

6作目は期限いっぱいで教師を辞める森島が、最後は教員試験を受けるまでの話。


盛り沢山過ぎてうまくまとめられないのですが、オモシロかったです。
うちの子も小学生なので、職員室の様子とかがリアルでちょっと怖かったけど
前半はミステリーっぽくて、後半はヒューマンドラマといった感じでした。
ドラマにしても面白いかも。

それにしても子どもの気持ち、わかりすぎる感じで「すごいなー」と感心。
前に読んだ本(7月のクリスマスカード、だっけ?そんな感じのタイトル)の時も、すごいなー、と思いましたが
今回は本当にびっくり。もしかして本当に教師なのか??ってくらい。
また、見つけたら読んでみたいです。途中で旅行行っちゃったから、一気に読めなかったのが残念。

満足度90