読む日々

テーマばらばらの読書日記

三陸の海

2014-10-16 | 
津村節子「三陸の海」


エッセイです。
作家 吉村昭氏の奥様で、同じく作家。
このご夫婦は、岩手県下閉伊郡田野畑村と関わりが深く、吉村昭は生前、三陸大津波を調べて本にしてたとのこと。

夫婦での田野畑村との歴史を語り、震災後の田野畑村行きの様子などが書かれてます。

普段、小説ばかりでエッセイの類はあまり好きではないのですが、姑が三陸出身だし、家のルーツを将来息子が知りたくても、姑が語れなくなれば知ることもできないので、なるべくそういうの見つけたら触れるようにしてます。

姑は昭和35年の大津波を田老辺りで体験したらしいです。多くは語りませんが。その後、夫婦で新潟に出てきたらしい。舅は夫が生後10ヶ月で亡くなってるので、岩手県にいつからいたのかはわかりません。出身は全然違う土地です。

備えがあっても、それ以上の被害をもたらした東日本大震災。地震活動期に入ったらしい日本列島で、新潟だっていつおこるか、津波が襲ってくるかわかりません。

姑も言ってるし、この本にも書いてありますが、津波からの避難は「津波てんでんこ」身内にも構わずそれぞれとにかく逃げるのが大事です。

この前、小学校と地域の防災訓練で、地域のお偉いさんが「周りにいる年寄りに手を貸せ」と話し「はぁ?」と思ったら、さらにその後の授業で市の防災担当職員らしきオネーサンも「弱者に手を貸さねばならぬ。どこにどんな年寄りがいるのかよく把握せよ」って子供達に教えてて、頭っからから火を吹きそうになりました。
一番助からなきゃならないのは子供や若者のはず。自力で動けない年寄りを構って子供が命を落とす事があったら大変じゃないんですかね?

ウチでは、息子には兎に角、「人に構わず兎に角自分だけ逃げろ。二軒隣の4歳児のみ、自転車の後ろに乗せて避難してよし」と教えてます。「津波てんでんこが、婆ちゃんの教え」と肝に銘じさせております。
 
助け合いも大事ですが、共倒れしたら意味がないと思うし、まだ素直な小学生にそんな刷り込みして、大勢の子供が亡くなったらどうするのさ。
と、改めて怒りがこみ上げてきました。